Sonyのレンズ型デジカメ「QX10/QX100」のCamera Remote APIの仕様から想像するSonyさんの戦略

レンズ型デジカメ

 一ヶ月くらい前から情報流出して話題となっていたSonyのレンズ型デジカメ「QX10/QX100」がついに正式発表されました。

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 正直このコンセプトを初めてみたときは衝撃受けました。ありそうで無かった発想。そうか、この手で来たかと思ってしまいました。

デジカメのスマホ化・オープン化

 そもそも最近のデジカメ業界、今までずっと日本の一人勝ちが続いてきましたが、低価格のコンデジはiPhoneやAndroid携帯に喰われていますし、高価格帯も比較的技術的な参入障壁の低いミラーレスカメラが流行って来たことで、いよいよSamsungを始めとする海外勢が攻め込んできました。日本では販売していないので知らない人が多いですが、Samsungは海外ではNXシリーズという「あれ?これSonyさんのNEXと似ているというかそっくり…」なデジカメをガンガン販売していたりします。
 今後の流れとしては、低価格コンデジはiPhoneカメラとそれ以外はAndroidカメラが主流になっていくと思います(というか既になっているかな?)。そしてその流れは高級デジカメにも波及してくるでしょう。iPhoneは多分Appleが今のところデジカメを真面目にやる予定は無いと思いますが、Androidデジカメは増えていくと思います。だって、みんな色んなカメラアプリ使いたいでしょ?Androidなら無数のカメラアプリが使えるわけですし。といっても色々過去の資産(ソフトウェア)を捨てれない日本はいきなりAndroidデジカメをつくるといってもできないわけです。失うものの無い(資産の無い)Samsungはここらへんはイケイケです。がんがんAndroidデジカメとか出してきます。

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 正直Androidデジカメ欲しいし、自分でカメラアプリとか作りたいなと思っている自分はAndroidデジカメ欲しかったりします。

Sonyさんの戦略

 そんな状況を歯がゆい気持ちで見ていたであろう(かってな想像)Sonyさん。やってくれました、まさかのレンズとセンサユニット毎カメラから切り離しです。そして、iPhoneやAndroidからWiFiを経由してリモートコントロール。この発想で、AndroidだけでなくまさかのiOS対応まで成し遂げてしまいました。
 そして実は「QX10/QX100」APIが一般に公開されているのです。

スマートフォンなどからカメラをWi-Fi経由でリモート操作するアプリケーション開発用のAPIを公開

 つまり誰でもQX10/QX100の高画質写真を使ったカメラアプリを作れてしまう!!こりゃ凄い!
ざっと仕様書ダウンロードして見てみましたが、大きなところは以下ができそう。

  1. 静止画、動画切り替え
  2. ズーム制御
  3. シャッター制御(セルフタイマ)

 これ使えば、タイムラプス撮影するアプリとか簡単につくれそうですね。ただ残念なのは絞り制御、ISO感度制御、シャッタースピード制御の項目が見当たらないこと。今のところのSonyさんの思想は、シャッタ制御等簡単な制御以外はユーザにはさせないつもりなのかもしれません。
 理由は、そんなことやりたがるユーザは1%もいないというのと、Sonyさんは自身のデジカメ(Nexとか)で専用カメラアプリを販売するビジネスをしているので、その1%に満たないユーザに自由にアプリはつくって欲しくないのかもしれません。Sonyさん開発のアプリが売れなくなっちゃうからね。でも、ここは是非アップデートであらゆるカメラの制御のAPIをユーザに公開して欲しいところ。ソニーさん、期待しています!

今後

 QX10/QX100激しく欲しいのですが、ちょっと今回は保留です。もしあらゆるカメラ制御のAPIが公開されたら我慢できず買ってしまうかもしれません。そんなわけで、自分がガリガリ好きにカスタマイズできるデジカメが欲しいなと思っている自分は、今デジカメの自作にチャレンジしています。うまくいったらそのうち公開する予定です。色々コンセプトとか仕様考えている今が正直一番楽しかったりします。楽しすぎるので永遠に作り出せないかも。そんなわけで、公開されなかったらいつまでも私が妄想しているだけですので忘れて下さい。目標は年内完成かな、予定は未定!!