ドラマ「すべてがFになる」からの森博嗣入門

ドラマ「すべてがFになる」

 毎週火曜の21:00から放送している森博嗣さん原作のミステリー。ドラマは以下の順番でやるそうです。今は、一作目の「冷たい密室と博士たち」が終わり、封印再度が始まるところです。

1.冷たい密室と博士たち

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

2.封印再度

封印再度 (講談社文庫)

封印再度 (講談社文庫)

3.すべてがFになる

すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)

4.数奇にして模型

数奇にして模型 (講談社文庫)

数奇にして模型 (講談社文庫)

5.有限と微小のパン

有限と微小のパン (講談社文庫)

有限と微小のパン (講談社文庫)

 ドラマもうちょっとダメな感じかと思っていたのですが、まあこのくらいなら許せるかなと思ったのでなんとなく見ています。ただ、小説の方が控えめにいっても10倍くらい面白いので、ドラマ見て少しはいいなと思った人は、小説を読むと良いかなと思います。

S&Mシリーズと森博嗣先生

 ドラマでやっている話は、原作ではS&M(犀川&萌絵)シリーズと呼ばれて、原作では全部で10話で構成される作品です。ドラマでは、その中から5作が選ばれています。なお、S&Mシリーズは、原作の順に並び替えると、以下になります。

1.すべてがFになる
2.冷たい密室と博士たち
3.封印再度
4.数奇にして模型
5.有限と微小のパン

 ただ、原作者の森先生は、「すべてがFになる」を当初は上の並びだと2と3の間にしようと考えていたらしいので、ドラマは森先生の当初の構想に近いと言えますね。何故森先生の構想の通りの順番にならなかったというと、「すべてFになる」を読んだ編集者が、即座に”この作品で森先生を華々しくデビュさせよう”と決意したとかしないとか言われています。ちなみにミステリ小説に「メフィスト賞」と呼ばれる賞があり「すべてがFになる」はこのメフィスト賞第一回受賞作品なのですが、このメフィスト賞自体が小説家森博嗣をデビュさせるために作られたと言われています。まあ、そのくらい衝撃的な作品だったということです。

ドラマ化されているけど小説も読んだ方が良いと思う作品。

 ずばり「すべてがFになる」でしょう。漫画もあったりします。漫画、結構悪くないです。まだネットもほとんど普及していない約20年前にこれを書いたということが衝撃なのですが、今読んでも色あせない価値があると思います。多分。今再読してます。

すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)

すべてがFになる (バーズコミックススペシャル)

 冷たい密室と博士たちは結構小説な地味な印象だったので、意外とドラマの方がよかったのかもしれません。

ドラマ化されていないS&Mシリーズオススメ作品

 ドラマ化されてないの読みたいと思った人向けは、個人的にはずばり以下2つです。両方ともトリックが衝撃的です。特に笑わない数学者は、本作で解説されない隠されたトリックがあるのが衝撃です。笑わない数学者は作者の森先生もオススメらしいです。

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

夏のレプリカ (講談社文庫)

夏のレプリカ (講談社文庫)

S&Mシリーズ以外のオススメ作品

 短編集とかよいかと思います。特にまどろみ消去は秀作揃いですし、犀川&萌絵コンビも出てくる話もあるのでオススメ。

まどろみ消去 (講談社文庫)

まどろみ消去 (講談社文庫)

 最後の「キシマ先生の静かな生活」は特に名作。後に長編作品としてスピンアウトしています。

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫)

喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫)

 ここらへんを読んで気に入ったら、S&M以外のシリーズに手を伸ばして行くのもよいかもしれません。有名なのは映画化、ゲーム化されている「スカイ・クロラ」シリーズとかでしょうか。

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

森博嗣先生

 元々大学助教授をしながら小説を書いていた凄い人です。Wikipediaによると今は日本にいないらしいですね。知らなかった。

森博嗣 - Wikipedia

 同じ大学に通っていた関係で、一度だけ講演会でお姿拝見したことあります。ドラマ化で、自分の森博嗣熱が再燃してしまい。家にある本を読みあさってしまっています。読んでない作品とかも探して読んでみようかな。

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