5188円で始めるフィジカルコンピューティング 第1回 〜テルミンつくってみるミン イントロの巻〜

 電波系プロジェクト第1段です。まずタイトルのフィジカルコンピューティングとは何ぞやという話から。そもそもは、「MAKE:JAPAN」という最高に電波な物づくり系のブログで取り上げられていたのがきっかけです(ちなみにこのブログ、ちょっと前から見始めたのですが世界中のアマチュアが電波な物をつくって公開しているといういかしたブログです。動画を見ているだけで飽きません、お勧め)。フィジカルコンピューティングという言葉の定義は、人によって若干違って曖昧なのですが、要は普通のパソコンのような、キーボード、マウス、モニタと言う標準的な入出力デバイスでなくて、センサやモータとか使って物理的な情報を扱える入出力デバイスを使って面白いことしようよ、ということらしいです。あくまで自分の理解です、違ってたらすみません。具体的にはNintendoのWiiとかDSでしょうか。これも、加速度センサ、タッチパネルといった、従来のコントローラ型の標準デバイスとは違う入力デバイスを用いて新たな面白さ、価値観を創造しているよい例といえるんじゃないでしょうか。

 じゃあ具体的に一般人がどうやって実現するの?というとこれは実は昔からあって、電子工作といった世界ですね。ただ、マイコン(小さなパソコン見たいな物)や部品を売っているお店が近くになかったり(ホームセンターではまず売っていない)。電子回路の知識が必要だったり、プログラムをマイコンに書き込むのに特殊な専用機が必要だったり、プログラムのソフト環境が高価だったり、と実際にやろうとすると1日〜1週間の作業+数万円の投資という非常にハードルの高いものだったわけです(多分)。ところが最近、USBで直接プログラムの書き込みができて、周辺デバイスと直接もしくはごく簡単な回路で繋げることのでき、ソフト環境もネットで無料で公開するというありがたい環境が整ってきたのです。最近有名なのがArduinoと呼ばれるイタリア製のおしゃれなマイコンボードです。Nintendo Wiiといった新たな価値観を創造したデバイスの登場や、こういった開発環境の簡素化が参入の障壁を下げたことで、フィジカルコンピューティングという分野が今密かにブームになっているというわけなのです(僕の中ではPerfumeと同じくらいのブームの感覚)。図示すると以下のような感じ。多分今後草食系男子ならぬ電波系男子がモテる時代が来るでしょう(断言)。

090505_PC
090505_PC posted by (C)karaage
 ものすごくざっくりした図

 という前置きのもと、フィジカルコンピューティングなるものを始めていきます。ついてきたい人はついてきてください。題材はテルミンという楽器の作成です(世界初の電子楽器と呼ばれています)。電子楽器というものが、入力、出力によって面白さが大きく変わるものなので、題材として面白いかなと思い選んでいます。前提としては、パソコンをもっていること、しょぼいパソコンでも全然OKです。Windowsでの説明が多いですが、MacでもLinuxでも開発環境はあるようです。必要なものを列挙します。こういったものがネットですぐ買えるようになったのでいい時代ですね。カードで買えます。計5188円也。クレジットカードを持っていない小、中、高校生はこんなブログみちゃいけません。女子高生はすぐ僕にメールしてください。

「■Arduino本体」
 Arduino本体です。一見でかくみえますが、実物はかなり小さいです。「スイッチサイエンス」さんで購入できます。僕もここで買って無事届いたので多分大丈夫でしょう。ちなみにスイッチサイエンスさんからは1銭も頂いていません(下さい)。
 あと、USBケーブルは各自用意して下さい(みんな一本は家にあるよね?)もし持ってない人は、近くの家電屋さんで買ってください。こんな感じのやつだから間違えないようにね。

当時のタイプは今はもう生産していないので、今はArduino Unoがよいかもね!
Arduino Uno

■赤外線近接センサGP2Y0A21YK
 入力デバイスになります。これも「スイッチサイエンス」さん。しつこいようですが、スイッチサイエンスさんからは1銭も。

■ブザーユニット

アイネックス マザーボード用ブザーユニット BZ-01

 出力用。近所の家電量販店やPCショップで売っています。リンク先のお店は自分は使ったことないので、自己責任でお願いします。

■ピン配列交換ケーブル

アイネックス ピン配列交換ケーブル 8本入り EX-002


■ジャンパワイヤ(オス〜オス)
 接続用。これも家電量販店やPCショップで売っているかな。

 多分、こういった物を揃えるのが一番ハードル高いです。ここを超えればバラ色の電波な世界が広がっています。これらが届く一週間後くらいに次回が始まる予定です。それまでは、以下のリンクなどを見て予習しておいて下さい。正直ここまで書くの想像以上にしんどかったので、次回は無いかもしれませんが、その場合は自力で頑張ってください。みなさんならできます。女子高生はメール下さい。

参考文献、リンク等:
■かんたんマイコン「Arduino」の始め方
イントロダクション的読み物。セットアップとかはここを参考にしました。

「■Make: Vol.06」
Make: Technology on Your Time Volume 06
 「MAKE:JAPAN」の雑誌。電子楽器特集の回。これを読んで火がついてしまいました。取り返しのつかないことに。

「■Arduinoをはじめよう」
Arduinoをはじめよう (Make:PROJECTS)
 入門の本。初心者はこれを見て始めるのがよさそうです。ネットにも豊富に情報あるけどね。