Raspberry Pi Zeroで作るアナログデジタル二眼レフカメラ

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アナログデジタル二眼レフカメラ

 Raspberry Pi Zeroを使って小型のカメラをつくってみました。Raspberry Piを使ったカメラは何度か作っています。

 今回はRaspberry Pi Zeroを使うということでバッテリ含めた小型化で完全にカメラに内蔵することと、単純にRaspberry Piのカメラモジュールを使うのも普通なのでちょっとアナログ的な要素をだしてみることにしました。

 具体的には、二眼レフのフォーカスを撮影することでデジカメでアナログ的な効果を狙ってみます。下記サイトの「デジカメ・オブスクラ」とやっていることは一緒ですね。

おもしろ写真工房:「デジカメ・オブスクラ」を作ってみよう! - デジカメ Watch Watch

アナログデジタル二眼レフカメラ 作り方

必要なもの

 二眼レフカメラは大人の科学のものを使います。他の中古の2眼レフカメラでもよいのですが、加工が難しいかもしれません

Raspberry Pi Zero + 小型電源 + WiFiモジュール。上記の記事を参照して準備下さい

Raspberry Pi Cameraモジュール。Raspberry Pi Zeroと接続するときは専用のケーブルが必要なので注意。詳しくは下記参照下さい

その他工具(ドライバー、ラジオペンチ等)

組み立て方

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 二眼レフの中身を空にします

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 Raspberry PiのカメラモジュールとZero用のカメラケーブルを挟み込みます

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 Raspberry Pi ZeroとバッテリーとWiFiモジュールを中身に詰め込みます。下記記事で作ったパッケージをそのまま詰め込んだだけです

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 出来上がり

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 裏から見ても完全にすっぽり入っています

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 ぱっと見でこれがデジカメだと思う人はいないのではないでしょうか?

カメラモジュール レンズのフォーカス調整

 次にカメラモジュールのレンズのピント調整をします。実はRaspberry Piのカメラモジュールは下記写真のようにラジオペンチで回転させることでフォーカスの調整ができます。

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 こんな感じね

 あとは、下図のように5cmの位置に物差しを置いた状態でピント調整。少しずつ回しながら会う箇所を探します。 f:id:karaage:20160907014955j:plain:w640

 基本的には、写真撮ってピント確認して、少し回すという作業を延々と繰り返すことになります。大変な場合、mjpg-streamerを使ってリアルタイムにカメラ画面を確認できるようにすると楽です。mjpg-streamerは後半のソフトウェアセットアップで出てくるので参照下さい。

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 フォーカス調整前

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 フォーカス調整後

 この調整の仕方は、Interface誌 2016年9月号を参考にしました。

ソフトウェアのセットアップ

 ソフトウェアのセットアップは、以前自分が作ったスマートフォンからリモート撮影できるWiFi対応Raspberry Piデジカメ「RaspicamWiFi」がそのまま使えました。詳しくは下記参照下さい。

使い方

 Raspberry Pi Zeroの電源を入れてしばらく待ちます。するとWiFiに下記接続先が現れます(Raspberry Piとアドホック接続できる設定をしていたときのみ)

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 スマートフォンからRaspberry Piのホスト名を入力して接続

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 こんな画面が出たらOK。

 ソフトの使い方は以下参照。撮影やプレビューができます。

撮影結果

 撮影した写真は以下のような感じ。

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 ドラえもん

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 娘

 味があるといえば味はあるのですが、正直期待以下の仕上がりでした。目でみると凄いファインダ画像きれいなのに、残念な感じです。綺麗に撮影するにはどうすればよいのかな。

まとめと今後の予定

 Raspberry Pi Zeroでアナログデジタルカメラ作ってみました。今まで作ったカメラはどれもバッテリがみっともなく外部に出ていたのですが、今回は全部キレイにパッケージングできたのでそこは満足です。ただ、肝心の写真がイマイチでした。

 この次は、中判カメラ用のデジタルバックとか自作してみたいなと思っています。デジタルバックが何かというと以下の記事参照して下さい。

特別企画:基礎から学ぶ「デジタルバック入門」(その1) - デジカメ Watch Watch

 デジタルバック、欲しいなと思っているのですが、一台数百万の世界なので手がでません。ただ、最近廉価版のものもようやく出はじめてきていて、以下のフィルムカメラに対応した「I'm Back」とか、ちょっと昔にでたハッセルブラッド専用のデジタルバック「ハッセルナッツ」等があります。

 ただ、「I'm Back」はまだクラウドファンディング中で、1年くらい時間かかりそうですし中判には基本対応していないようなのと、ハッセルナッツはiPhone 4,5にしか対応していなかったりと、結局自分の欲しいものズバリは無いのが現状です。

 両方とも多分原理的には今回私が作ったカメラと同じようにフォーカシングスクリーンに投影したものを撮影しているようですし、それくらいならハードもソフトも自分でもできそうかなと(実際一応できてますし)。あとは期待する画質が得られるかと、どこまで完成度を高められるかが問題ですね。そんなわけで興味ある方は、誰か助けたり知恵貸してくれる人がいたら嬉しいです。気軽にtwitterとかで声かけて下さい。

 困っているのは、フォーカシングスクリーンとメカですね。あと、ハッセルブラッド的なウェストレベルファインダの中判カメラを貸してくださる紳士も大募集です(笑)まあ、これは自分で買うしかないかな…

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