ワークマンに初めて行く前に読んだ『ワークマン式「しない経営」』はビジネス本であると同時に人材育成の本でもあった

生まれて初めてワークマンに行きました

 仕事の関係で作業着が必要となったのですが、作業着を買ったことなかったので、どこで買えば良いのか分からず困っていました。そんなとき、最近「ワークマンという作業着の専門店のエクセル経営が凄い!」という話を耳にしたのを思い出し、人生初のワークマンに行くことにしました。

 せっかくなので、店舗に行く前に話題の本も読んで予習しておこうかなと思い『ワークマン式「しない経営」』という本を読んだのですが、これがなかなか面白い内容だったので少し紹介したいと思います。

『ワークマン式「しない経営」』の感想

 この本を読み終わって、自分が受けたのは「ビジネスの本というより人材育成の本」という感想でした。そのくらい、人材育成の考え方が印象に残りました。

 そのことは文章の端々にあらわれています。

重要なのは企業風土を変える ことである。 その柱が本書で初めて紹介する「しない経営」 と「エクセル経営」だ。

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① 自社の強みを見つける ② なければ、強みを育てる ③ 進出市場を選定する ④ 市場を細分化してみる ⑤ 社員のやる気を引き出す ⑥ 小規模でテスト参入する ⑦ 問題なければ本格的に参入する

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短期目標をいくつも掲げるほど会社はダメになる。 社員に過度なプレッシャーをかけても、いいことは一つもないし、社員も絶対に伸びない。 ノルマや納期がないほうが、自分の頭で考え、順序立てて仕事ができる。

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実際には、この言葉に添えられた「一流の人材を育ててほしい」という要望に応えるために「エクセル経営」をスタートさせた。それが新業態を支える源泉となるとともに、企業風土を変えつつある。

 ワークマンの本は「社員の年収を業績が向上する前に100万アップさせた」「社員にノルマをかさない」「全員がエクセルを使いこなすデータ経営」という、わかりやすく刺激的な点にフォーカスが当てられがちですが、その背景には、会社で働く人材こそがとても大切で、その結果、企業風土が変わるというとても実直かつ強い考えがあることが読み取れます。

 エクセル経営も、安易に社外のデータサイエンティストに頼らず、社内の人材を育てるという方針が注目を集めているのですが、これも「人材育成を徹底して重視する」という背景があるからこそ成功したのだと思います。私は、データ分析に関して社外に頼ることは完全にだめとは思ってないのですが「社内の人もちゃんと育てる」という考え方はとても大切だと思います。

 私の周りでも「これからはAIだ!」という神の声に振り回され、何も分からず素人に毛がボーボーに生えたAIベンチャーに丸投げして、大量のお金だけをむしり取られたプロジェクトを風の噂に多く聞きました(フィクションだよ!)。ほんとにデータを活用するなら、大切なのはちゃんと社内の人材も育成することで、ワークマンはそれをよく分かっていたのだと思います。ディープラーニングおじさんの話と根は同じかもしれませんね(ディープラーニングおじさんに関しては以下参照)。

 その他も「社内行事は一切しない」とか「幹部は思いつきでアイデアを口にしない」などの金言が並びます。この本、さりげなく会社の偉い人の本棚にたくさん並べておきたいですね(深い意味はありません)。

 あとは、面白かったのはPOPのA/Bテストの話です。同じ製品のPOPでも、例えば清涼性が売りの作業服のキャッチコピーだと Aパターン「暑さに負けない」 Bパターン「暑さに耐え抜く」の2種類をつくって複数の店舗でデータを取るそうです。

 以前、私は自分の著書のPOPを作ったことがあるのですが、そのとき「これPOPのパターン変えて売り上げとの相関のデータ取ると面白そうだなー」と思っていたのですが、まさかワークマンが既にやっていたとは…これは驚きでした。

 このデータは、書籍でこそ絶対とるべきだと思います。一番面白そうなデータとれそうなのは「ヴィレッジヴァンガード」ですね。これ、データ取り続けたら、売れるPOPの自動生成とかできるようになると思います。ヴィレヴァンでのデータサイエンティスト育成が求められています(笑)

 ヴィレヴァン分からない人は、Amazonプライムでドラマがやっているので観てみると面白いと思います。変わった本屋です。

https://www.amazon.co.jp/dp/B08PYLNH5T (リンク切れ)

ワークマンで作業着を爆買いしました

 本屋で予習していったので、ついに週末ワークマンに行ってきました。調べたら、ワークマン結構身近にたくさん店舗あるんですね。

 品揃え豊富で、安かったです。「これがエクセル経営の成果か」と一人で興奮していました(笑)

 防水性の高い作業着をたくさん買っているうちに、妻も「あ、これいいなと衝動買い」

 これもエクセル経営の効果!?恐るべしワークマンです。気づいたら1万円以上爆買いしていました。

まとめ

 ワークマンの本を読んでからワークマンに初めて行って作業着をたくさん買いましたという話でした。作業着、出張先で大活躍しています。

 Twitterでワークマン行ったこと呟いたら「自分もよく買います」という反応も多くてビックリしました。根強いファンも結構多いんですね。

 本も読んで親近感も沸いたので、これからワークマン愛用しそうです。全身ユニクロの人のことをユニクロマンというらしいですが、ワークマンだとワークマンマンになるんですかね。ワークマンマンになりたいと思います。

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