書ける変態になって可能性を広げよう!「神・文章術」(フミコ・フミオ先生)

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「神・文章術」を献本いただきました

 KADOKAWA様から12/16発売予定のフミコ・フミオ先生(id:Delete_All)の新刊「神・文章術」を献本いただきました。

 最初に書いておくと、今まで文章を書けなかったけど、この本を読んで書けるようになる人は100人に1人もいないでしょう。ましてやフミコ・フミオ先生のような文章を書けるようになる人は、1万に1人もいないでしょう。

 いきなり否定的なことを書いてしまったようですが、それでもこの本には多くの人が読む価値がある必読本であると断言できます。この記事ではその理由を述べることで「神・文章術」の書評にかえさせていただきたいと思います。

書き続けることができる人はごく僅かの「書ける変態」のみ

 この本を読んでも、書けるようになる人は100人に1人もいないと書きました。残念ながら、これは真実でしょう。

 なぜなら、書き続けることができるのは、フミコ先生の書籍にも書かれているように「書ける変態」だけで、その数はものすごく少ないのです。

 自分を例に出すと、20年以上ネットに文章を書いていますし、最近は数冊商業誌も出しています。フミコ先生の文章力には遥か及びませんが、一般的には「書ける変態」の部類に入ると言えるかもしれません。

 では、自分の周りにそんな変態が何人いるかというと、ほんとうに極一部です。その極一部の人もブログを通じて知り合った生粋の変態たちです。大学のときにブログのブームが起こり、周りで100人以上の人がブログを書いていましたが、今でも書いている人は自分が知る限り1人いるかどうかです。

 私は、書くことが特に苦ではないし、書くことに悩むこともあまりありません。長いことそれが普通だと思っていましたが「どうもそうでもなさそうだぞ」ということに、周りの書ける人の圧倒的少なさからようやく気付かされたのです。

 つまり本を1冊読むだけで、100人に1人書けるようになるというのは、全く否定的な意味ではないのです。むしろ、それがもし達成できるなら、ものすごい偉業となるようなチャレンジングな目標なのです。そして、「神・文章術」にはそのきっかけになるポテンシャルがあると感じています。その理由は、この本が、書くことの楽しさ・書くことで広がる可能性を描くこと(本の表現を借りるなら「物語ること」)を重視しているからです。このことについては、また後で触れたいと思います。

文章術の本なのにとにかく面白い

 「神・文章術」は、その名の通り文章術の書籍です。なので、フミコ先生のブログの文章を期待してた人にとっては、肩透かしに思えるかもしれませんが、全くその心配はありません。いたるところにウィットに富んだフミコ節が出てきます。その辺りの感覚は、フミコ先生のブログの記事で、書籍の内容が先出しされているので、そちらを読んで確かめていただけると良いのかなと思います。

 また、文章術の本なのに、という言い方も変ですがとにかく面白いです。私は、本を書くようになってから、それなりに多くの読書術の本を読み漁ったことがあるのですが、「神・文章術」どの読書術の本よりも抜群に面白かったです(森博嗣先生の「小説家という職業」も面白いのですが、あれはもはやドキュメンタリーなので…)。

 特に、書籍最終章の「夢をかなえる ゾウ」や「進研ゼミにでてくる漫画」を彷彿とさせる、ダメダメサラリーマンだった掛内フミオ君が、文章術を身につけることで夢を叶えていくサクセスストーリー風の小説は必読です。これだけでも、フミコ・フミオファンなら書籍のお金を出して買う価値があるでしょう。

もし書くことを身につけられたら書籍の価格の何千、何万倍の価値がある

 最後に触れておきたいのは、「神・文章術」が小手先の文章のテクニックではなく、文章を書くこと自体の楽しさ・可能性を伝えることに重きを置いていることです。多くの文章術の本は、テクニックや方法論に終始しているものも少なくないのですが、この本では、書籍冒頭の以下の一文からも分かるように、書くことが可能性を広げるための”武器”になると断言しています。

本書は、「書くこと」を武器に戦い抜く人のための、サバイバルマニュアルである。

 書籍の最後でも、書くことでいかに人生が良い方向に変わるかという、サクセスストーリ風の小説が展開されることは先程書きました。このストーリー、一見ご都合過ぎる展開に思える人もいるかもしれませんが、私はタイムスパンを除けば、そこまで大げさには思えませんでした。むしろリアリティーを感じたくらいです。

 なぜなら、自分自身書くことで大きく自分の可能性を広げてきた人間だからです。掛内フミオ君のように、仕事でも能力を発揮できず、プライベートもうまくいっていなかった自分が、多くのイベントで登壇したり、商業誌や著名なWebメディアに寄稿したり、商業誌を複数出版できるようになったのも、全ては20年以上コツコツ書き続けてきた蓄積があったからと確信しているからです。

 書くことは、自分の思考を整理すること。書くことは、自分の考えを相手に伝えること。書くことは、自分という存在を知ってもらうこと。書くことは、人生そのものなのです。

まとめ

 フミコ先生の新刊「神・文章術」の紹介をさせていただきました。フミコ先生のファンのみならず、書く力を身に着けたい人。特に書く力の可能性に興味持った方にオススメの書籍です。

 個人的には、書くことと発信(アウトプット)することは車の両輪だと考えていて、私自身は、発信することでより書き続けることができたと感じています。

 特にこのブログを読む、技術的なことに関心のある人にとっては、発信も重要だと思いますので、フミコ先生の書籍とセットで「 ゼロから始める情報発信」という私の書籍も読んでいただけるとより効果が増すかもしれません(全然さりげなくない宣伝)。

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