世界のTAMIYAを作った田宮俊作氏の自叙伝かつビジネス本「田宮模型の仕事」

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「田宮模型の仕事」を読んだきっかけ

 人気ブロガーであるフミコ・フミオ先生のセカンドブログの「1分日記」。その中に、ちらっと紹介されていて、妙に気になったのが「田宮模型の仕事」という本でした。

 電子書籍版が無いということで、購入迷っていたのですが、珍しく禁を破って買ってしまいましたがこれが大正解。

 今の世界のTAMIYAを築いた創始者である田宮俊作氏(以降田宮氏)の自叙伝であると同時に、モノづくりに関する姿勢・ビジネスへの取り組み方等、そこいらのビジネス本以上の知見の詰まった凄い本でした。

「田宮模型の仕事」の紹介

 (ほぼ)一代でTAMIYAを作り上げていく波乱万丈のサクセスストーリーの読み物としても普通に面白いのですが、やはりその真髄は、モノづくりへの姿勢とビジネスへの取り組み方ですね。

 実際の戦車を世界中に見に行ったとかは、分かりやすいエピソードなのですが、他の多くのエピソードにも、色々考えさせられるものがありました。

 例えば、不真面目な金型屋さんが、つぎつぎつぶれていった話には、当たり前のことではあるのですが、長い間ビジネスを続けている田宮氏の具体的な体験談として語られると「自分もおごらず誠実な仕事をしないといけないな。あんまりできてないかもな」と、背筋が伸びる思いをしました。

 優秀な人材を引き抜くとき、角が立たないように1年別のところで仕事をしてからきてもらうという、時代背景はあるものの実践的なキャリアロンダリングのエピソードには、思わず笑ってしまいました(笑)厳しいビジネスの世界で生き残るためには、したたかさも必要だなと思わせるエピソードですね。黙ってても良いのに、正直に本に書くところも、田宮氏の人柄が感じられますね。

 エンジニア重視の姿勢も、業界は違うものの、素晴らしい姿勢だなと感じました。特に、最新技術を追求し、トップダウンで導入すること、内製することの大切さ。他社のベンチマーク。身の回りのトップをみても、なかなかここまでの姿勢を貫いている人はいない気がします。

 もう一つ、印象的に感じた話は、ラジコンの前進となるスロットカーという玩具のブーム、ブームが去ったら一瞬で誰もいなくなってしまったというエピソードでした。もちろん、ブームは仕方ないものはあるものの、田宮氏は、急激にマニア化していたことも原因ではないかと、自分の体験から独自の分析をし、初心者を大切にしないと、そのジャンル自体が廃れてしまい、ブームが去ったら何も残らなくなるという教訓を得ていました。

 タミヤのラジコンやミニ四駆の大会のレギュレーション規定や、クラス別の発想は、この教訓を生かして作ったものらしいです。手痛い失敗や苦難のとき、学びのチャンスではあるのですが、なかなか実践できないものですよね。苦難から得た学びを生かしている田宮氏は素晴らしいなと思いました。

タミヤの本を読んだらラジコン・ミニ四駆がやりたくなってきた

 そんな田宮氏の本を読んだら、タミヤのラジコン・ミニ四駆に興味が湧いてきて、ついでに読んだこの本がダメ押しになってしいました。

 エリートヤンキ三郎という漫画を書いている人が、40歳からラジコンにはまっていく様子を描いた漫画なのですが、読むと猛烈にラジコンがやりたくなります。めっちゃ危ないです。いい年した一部の大人を沼に落とす魅力ありますよね、ラジコン。

まとめ

 「田宮模型の仕事」を読んだ感想、印象に残ったエピソードを羅列する形で紹介してみました。ここにはかけなくて印象に残ったエピソードがまだいくつかあるのですが、その内容は機会があれば、別の記事で紹介したいなと思います。あと、めっちゃラジコンもやりたくなりました(笑)

 タミヤが好きな人はもちろん、他の分野でもモノづくり関係の仕事をしている人には、色々考えるきっかけになる書籍ではないかと思います。オススメです。

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