3次元点群入門者から中級以上の人までオススメ「詳解 3次元点群処理 Pythonによる基礎アルゴリズムの実装」

「詳解 3次元点群処理 Pythonによる基礎アルゴリズムの実装」献本いただきました

 普通に買おうと思ってチェックしていた書籍「詳解 3次元点群処理」ですが、なんと出版社様より献本いただきました!

 3次元点群処理というと、C++でPCLを使うケースが多いですが、この本はPython+Open3Dで深層学習まで扱っているのが今風(?)で良いですね。

 そもそも3次元点群処理の初学者向けの本、いわゆる一般的な2次元画像の入門書に比べると(自分が知る限り)全くといってよいほど書籍無いので、多くの人に待ち望まれていたジャンルの本ではないかなと思います。

 それを証拠にというわけではないのですが、Amazonでも発売以来、ベストセラー1位が続いています。3次元点群の書籍がベストセラー1位になるって、実は自分自身もちょっと驚きだったりします。実は密かに注目が集まっている分野なのかもしれませんね。

書籍の感想

初心者から中級者までカバーする良書

 書籍読んで、構成から説明まで非常に分かりやすいなと思いました。3次元点群とは何かから始まり、使用するセンサやセットアップ方法等丁寧に説明する一方で、最新のディープラーニングによる3次元画像処理までカバーするという非常に意欲的な書籍になっています。

 内容としても、まずは動くコードで実際に実践してみる形式になっていますし、出てくるコード自体は基礎的なところは手実装するところから説明があります。また、高度なところはOpen3Dのライブラリの使い方を紹介するのみといった良い塩梅の割り切りになっています。こうすることで、初心者は最短で手を動かしながら基礎を学べますし、より深く知りたい中級以上の人は、対応するOpen3Dの中身をみることで、理解を深めることができます。また、3次元点群で重要な項目が網羅的にカバーされているので、中級以上の方でも、書籍を読むと「これは知らなかった」という点が何かしら見つかるのではないかと思います。

 上級者に関しては、自分がほぼ初心者なのでなんとも言えないです。すみません。

Google Colaboratoryで簡単に3次元点群入門

 書籍に関しては、上記に書いたように文句無しの内容で、コードも以下のようにGitHubで公開されていて、すぐ実践できるのでとても良いと思います。

 ただ、基本Linux/Mac OSでターミナルの操作を前提に書かれています。WindowsのWSL2でも動くのですが、あまりLinuxに馴染みのない初心者にとっては、環境構築が一番ハードルが高いかもしれません。

 最短で入門したいという方は、Google Colaboratory(Google Colab)でまず動かしてみるのがオススメです。以下、自分の学習用に作ったGoogle Colabのノートブックを共有します。興味ある方は、参考にしてみてください。書籍を読みながら動かすことで最大の効果を発揮すると思います。

詳解 3次元点群処理(Google Colab Notebook)

 また、Google ColabでOpen3Dを動かす方法に関しては、以下のUnaさんの成果物を最大限活用させていただきました!感謝です。

 Google ColabでOpen3Dで可視化した3次元点群

中級者以上の方に向けて

 LinuxマシンとRealsenseを使って、リアルタイムな3次元点群処理をしたりするとより楽しいのではないかと思います。

 以下参考になるかもしれない自分が過去に書いた過去記事のリンクです。少し古い情報もありますので、日付に注意して、公式情報も参考にしながら必要に応じて適宜読み替えてください。

 

まとめ

 書籍「詳解 3次元点群処理」の紹介をしました。3次元点群処理に興味ある方、なんらかの形で関わりのある方は、入門書として必携の内容ではないかなと思います。

 AIの分野では、2次元の画像が主に扱われますし、3次元処理はあまり注目されてない印象がありますが、本書の人気度合いをみると、3次元の画像処理のニーズを感じている人は、潜在的にかなり多いのではないかなとあらためて思いました。

 今後、AIの性能が上がると共に、より注目を浴びてくる可能性がある分野かもしれませんね。オススメです。

参考リンク

3次元点群処理の技術とPythonライブラリまとめ - Qiita

気になる3次元点群可視化アプリ
GitHub - rerun-io/rerun: Log images, point clouds, etc, and visualize them effortlessly. Built in Rust using egui

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