『AIエージェントと本をつくる技術』を書きました

AIと一緒に本をつくる本を書きました

 『AIエージェントと本をつくる技術』という本を作りました。Claude CodeやCodexといった、普段はソフトウェア開発で使われることが多いAIエージェントと一緒に本を作る方法をまとめた技術同人誌です。

 AIに文章を全部書かせて、手早く本を量産しようという本ではありません。AIに企画、調査、構成、編集、図版、校正、組版といった役割を持ってもらい、個人でも小さな出版チームのように本を作ろう、という本です。

 書籍はBOOTHで販売しています。JIS B5判90ページのPDFとEPUBのセットで、価格は1,000円です。本作りを始めるためのテンプレートはGitHubで無料公開しています。

きっかけは技術同人誌の勉強会

 この本を書き始めたきっかけは、2026年7月に参加した「技書博キャラバン in 名古屋」でした。このイベントについては、以前ブログに詳しく書いています。

 イベントの「技術同人誌を書こうハンズオン」に参加し、AIを使いながら企画を考えて、その場で原稿を書き始めました。約1時間のワークショップで約50ページ、3万字まで進み、帰宅するころには6万字近くになっていました。

 この時点での仮タイトルは『AIエージェントと本を書く技術』でした。その後、内容が執筆だけでなく、素材集め、図版、組版、販売、改訂まで本作り全体へ広がったため、正式タイトルを『AIエージェントと本をつくる技術』に変更しました。

 もちろん、それで本が完成したわけではありません。最初にできた文章を何度も読み直し、構成を変え、説明を足し、不要な部分を削り、図を作り直しました。最終的には最初の原稿とはかなり違う本になっています。

 この体験で分かったのは、AIを使う価値は単に執筆速度を上げることだけではない、ということです。

個人出版にもチームが欲しい

 以前、カレーちゃんさんとの共著で『面倒なことはChatGPTにやらせよう』という商業書を書きました。この本を作ったときは、共著者のカレーちゃんさん、編集者の大橋さん、私の3人でチームを組み、役割を分担しながら作ることができました。

 書き上げた原稿に大橋さんから厳しいチェックをもらい、修正を繰り返しました。カレーちゃんさんからは私とは違う専門性や視点が加わりました。自分では気づかなかった問題を指摘してもらったり、別の視点からアイデアを足してもらったり、面倒な作業を分担したりできたことが、本の完成度につながったと思っています。大変でしたが、チームで本を作ること自体が貴重で楽しい経験でした。

 一方、個人出版では基本的に全部を一人でやります。テーマを決め、材料を集め、本文を書き、図を作り、校正し、本の形に組み、販売ページまで用意します。文章を書く以外の仕事が、想像以上にたくさんあります。

 そこでAIエージェントです。

 AIエージェントに編集者、調査担当、校正担当、デザイナー、組版担当といった役割を持ってもらえば、一人でもチームで制作する感覚に近づけます。もちろん最終的な判断と責任は人間にありますが、相談相手と作業担当が増えるだけでも、本作りはかなり進めやすくなります。

ニッチな本を世に出しやすくする

 出版社から本を出す商業出版には、編集者や制作チームと一緒に本を作れる大きな価値があります。ただし、出版には当然コストがかかるため、読者が限られるニッチな企画は、内容に価値があっても商業出版にしづらい場合があります。

 AIエージェントと個人出版を組み合わせると、そこに別の道ができます。

 数百人、ひょっとすると数十人にしか必要とされないテーマでも、その人たちには深く役立つ本を個人で作れるかもしれません。出版社が不要になるという話ではなく、商業出版と個人出版がそれぞれ向いている本を作りやすくなる、という住み分けです。

 一度、自分で企画から販売まで経験しておけば、商業出版に挑戦するときにも全体の流れが見えやすくなります。逆に商業出版の経験がある人が、出版社では企画しづらい小さなテーマを個人で本にする使い方もありそうです。

まとめ

 AIエージェントと本を作る技術についてまとめた『AIエージェントと本をつくる技術』の紹介でした。

 AIで人間の著者や編集者を置き換えたいというより、今まで一人では形にできなかった、小さくてニッチだけれど誰かには価値のある本を、AIとチームを組むことで世に出しやすくできたらよいなと思っています。その結果、世の中に良い本が少しでも増えたら嬉しいですし、そんな本が少しでも多くの人に届けば良いなと思っています。この本もそんな本のうちの一つになりたいです。

 テンプレートは無料で公開しています。これだけなら無料なのですが、あくまでスターターキットのようなものなので、是非自分で育てていって欲しいです。そのために本書を活用いただけると嬉しいです。

 noteでも販売します。価格はBOOTHの方がお得です(手数料の関係)。

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変更履歴

  • 2026/09/01 noteでの販売に関して追記