2000円で美し過ぎる赤外線写真を撮れるデジタル一眼カメラ用フィルタを自作

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赤外線写真に興味をもったきっかけ

 赤外線写真に興味を持ったのは、以下のリンクにあるような写真を見ていて、凄いキレイだなーと思ったことです。
まるで異世界…赤外線写真による独特な色彩の写真16枚:らばQ
http://itaishinja.com/archives/3094884.html

 最初はデジカメの改造とか必要みたいだし、ハードル高そうだなと思っていたのですが、色々調べているうちに「これ自分でもできるんじゃないの?」と思えてきたのでやってみました。結論から言うと(社会人はいつも結論から言えと言われるのです、みんなせっかちだね☆)2000円くらいで赤外線写真を撮れる赤外線フィルタを自作できたので、自分への覚え書きを兼ねて公開します。

赤外線写真の仕組み

 調べたところ、光にも音と同じように周波数があって人間が見える周波数の光(可視光線)の周波数は405〜790 THz(テラヘルツ)くらいみたいです。人間には見えない低い周波数の光、3〜400 THzの範囲が赤外線と呼ばれるのですが、こういった人間には見えない周波数の光も、デジカメのセンサは感知することができるため、400THz以上の周波数をカットしてやるようなローパスフィルタをかましてやれば、赤外線を捉えた写真を撮ることができるよって仕組みらしいです。ただ、デジカメにとってみればそんな人間に見えないような周波数の光はノイズ以外の何者でもないので、通常400THz以下の光をカットするようなハイパスフィルタが入っているみたいです。よって、ハイパスフィルタが無いようなデジカメを使う(もしくはフィルタを外す改造をする)のが一番よいのですが、まあフィルタといっても完全にカットできているわけではないので、ちょっとずつ赤外線がフィルタから漏れてきているわけで、漏れてきた赤外線を長時間デジカメのセンサに露光してやれば赤外線の写真が撮れますよという仕組みみたいです。デジカメによって赤外線フィルタのききは違うみたいですが、リモコンとかで赤外線をデジカメではっきり見れたら赤外線フィルタが弱い(赤外線写真が撮りやすい)機種みたいです(参考サイト)。

赤外線写真実践

 小難しい話は抜きにして、とりあえずローパスフィルタをかまして長時間露光すればなんか撮れそうな気がするということで、とりあえずローパスフィルタを作る事にします。参考にしたのは「デジタルカメラで赤外線撮影」という素晴らしいサイトです。デジカメの機種とかは少し昔の情報となりますが、今でも十分使えます。

 フィルタはこちらを使います

 実は、これをレンズにはっつけてテープで止めてやるだけでもよいのですが、それで話が終わってしまうのと使い勝手もよくないので、デジタル一眼カメラ用のレンズフィルタっぽいものを自作してやります。使うのはこちらのステップアップリングというもの。

 口径は自分の持っているデジカメのレンズの口径に合わせて下さいね☆あとは、はさみと接着剤(もしくはテープ)を用意して下さい。

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 まずは適当な紙(今回はステップアップリングの台紙を使用)をステップアップリングより一回り小さい円になるよう丸く切ってやります。最初にステップアップリングに沿って丸く切ってから、一回り小さく切るとやりやすいです。

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 次はフィルタに円形に切った紙をあてて、その通りに切ってやります

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 こんな感じね

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 あとはステップアップリングにフィルタをはめてやって接着剤かテープで固定してやって下さい。これで完成。ね、簡単でしょ。

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 デジカメに取り付けた図。

 今回はデジ一でやりましたけど、基本的にはレンズの前にフィルタを貼付ければよいので、コンデジとか携帯カメラでも工夫チャレンジしてもらえばなと思います。ちなみに、切れ端でiPhoneでも試そうとしたのですが、どうもiPhoneのハイパスフィルタはかなりきついフィルタみたいで全然うまく撮れませんでしたのでiPhoneだと苦戦するかもしれません(iPhoneは4Sと6Plusで試しています)

赤外線写真の作例

 自作したフィルタで試しにとってみました。カメラの設定としては、夜景を撮るときと似ています。三脚にカメラセットして、ISO感度低くして(100付近)、F値は8〜10くらい、シャッタースピードは20〜40秒程度。天気によってシャッタースピードを調整して下さい。シャッタースピード長くしても、暗くなってしまうときは、ISO感度を少しずつ上げていくのがよいです。
 RAWで保存できるならRAWで保存して下さい。RAWって何?って人は普通の設定かモノクロで。

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 F値8 シャッタースピード40秒 ISO100
 とりあえず撮ってみたらこんな感じ

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 モノクロにする人も多いみたいです。普通のモノクロと違った独特な雰囲気になります

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 RAWから少し加工して現像した例。RGBのレベル、ホワイトバランスを変えてやると面白いです、これはRを-100, GとBを+100してやってます。

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 例えばこんな梅の花も

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 あら不思議、異世界のような独特な雰囲気に

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 別加工でアップ。ちょっとボケちゃったかな

まとめ

 この記事で紹介したように、赤外線写真は意外に簡単にできるので、是非みなさんもチャレンジしてみてください。哀しいことに、日本では赤外線写真とか赤外線撮影で検索すると服が透けるカメラ、ビデオとかいったアンダーグラウンドな情報ばかり出てきてしまいますが、そんなしょうもない情報に踊らされずに頑張りましょう☆

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 シングルボードマイコンのRaspberry Piを使って赤外線カメラを自作した記事です。作り方も公開しているのでもしよろしければご覧ください。


 赤外カラー合成という画像加工をするソフトを自作しました

変更履歴

  • 2015/11/04 自作Raspberry Pi赤外線デジカメへのリンク追記