ポケット・ミク仕様
ポケット・ミクは単体だとミクさんの声で歌うことしかできないので、気づかない人も多いかもしれませんが、実はGM音源を搭載していて、MIDIデータと呼ばれる音楽データ(いわゆる音の高さ、音色、音の大きさを記載した楽譜のようなデータ)を受信すると普通に色んな楽器の音が出せます。その数なんと128種類。
機能があるとなると試してみたくなるのが男の性、というわけでMacのGarageband使ってポケット・ミクさんの知られざる能力を引き出してみたいと思います。
ハードウェアMIDI音源
その前に、少しだけハードウェアMIDI音源について語ります。今でこそソフトウェアでいくらでも音がつくれてしまうのですが、昔はまだPCが貧弱だったので、パソコンは音の高さとか、音の大きさとか音色の情報といったデータのみを扱い、音の音色自体はパソコンとは別のハードウェアで作って鳴らしていたのです。それがハードウェアMIDI音源と呼ばれるもので、昔の子ども達の憧れの的だったのです。ソフトMIDIなんて使おうものなら、酷い遅延とあまりにしょぼいその音にもがき苦しんだものです。でもお金がないので、仕方なくソフトウェアMIDI使いながら「いつかはハードウェアMIDIを!」というのが90年代に青春を過ごしたキッズ達の一つの憧れだったのです(本当か!?)。SC-88Proとかね。
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その憧れのGM音源が入って5000円は安い!と言いたいところではあるのですが、昔のように今はソフト音源でも音の遅延はそんなに発生しませんし、かなり音もよくなったので今はそもそも手頃なハードウェアMIDI音源そのものが無い(ニーズも無い)と言うのが実情だったりします。まあ、今時5000円くらいで手に入るハードMIDI音源ってかなり貴重なものであるのは確かです。SC-88Proとか未だに高値で中古売ってたりしますし。まあ子どものころの憧れを満たすにはぴったりのおもちゃというわけです。
GaragebandからMIDI出力
前置きが長くなりましたが、さっそくGaragebandからポケット・ミクさんにMIDI情報をおくりましょう。ハードウェア的にはポケット・ミクさんとMacをUSBケーブルで繋ぐだけ。あ、Windowsの人はいくらでもフリーのMIDIシーケンサ転がっているので好きなの使って下さい。Macだとフリーでよいのが無いのでGaragebandを使います。
ただ、ここで問題が、Garagebandには標準でMIDI出力の機能がありません。そしてMIDI出力機能ある上位アプリのLogic Pro Xは2万円とお高いです。ポケット・ミクさん4台買えます。そんなわけで「midiO」というプラグインを使ってやります。
これを使うとGaragebandからMIDI出力が出来るようになる凄い奴です。
midiOセットアップ
インストール
上記サイトからダウンロードしたら midiO.componentを以下のフォルダに置いてやります。
/Library/Audio/Plug-Ins/Components
これで完了。簡単ですね。
GragebandでmidiO使用
下準備
- ポケット・ミクとMacをUSBで接続
- Garagebandを起動
- 適当にデータを打ち込みましょう。ここが実は一番難しいかも。iPadやiPhoneのGaragebandだと自動演奏の機能とかあるので簡単にそれっぽい曲がつくれたりするので試してみるのもよいかと思います。
midiO設定
まずは適当なトラックを選択して、サウンドジェネレータをクリック
プラグインとしてmidiOを選択してやります。
midiOのアイコンをクリックして、設定します。設定例は以下。
MIDI Destination : NSX-39
Channel : 2
Program: 33
MIDI Destinationはポケット・ミクを接続するとNSX-39が選択できるようになるので、必ずこれを選んで下さい。出てこなかったら接続をチェックして下さい。
チャンネルは1はミクさんの声のパートなので1以外を選んで下さい。10はGM音源のお約束でドラムになるので、ドラムを出したければ10を選択して下さい。Programは音色を選ぶ箇所です。数字と音の対応はGeneral MIDIのWikiとか見て下さい。ここでは33なのでアコースティックベースが選択されます。オーケストラの楽器から銃声まで幅広い音色があります。
音の再生
後はGaragebandを再生すればミクさんから音がでる、はずです。
動画
【DEMO:CC】Gakken NSX-39 - YouTube
本当は自分で撮った動画を載せようと思ったのですが、自分の録音環境だと逆にショボく思われそうなのと、面倒くさいので公式動画を載せておきます。10分半くらいからの音、ポケミクさんから出ているとは信じられないくらいヤバい音です。
ぜひよいヘッドフォンかアクティブスピーカに繋いで実力堪能してみて下さい。