昔話をしようと思う
たまには、珍しく昔話でもしてみようかと思います。このブログ(karaage.)が、はてなブログ(旧はてなダイアリー)で更新を始める前日譚です。自分にとっては大昔ですが、みなさんにとっては、最近だったり、はるか昔の話だったりするかもしれません。大体2000年代前半の話と思って貰えればよいです。
昔のことということで、ちょっと昔の自分の文章っぽく、1人称を変えて、ポエミーに書いてみようかと思います。もうだいぶ記憶があやふやなので、半分以上フィクションとして読んでください(これは今回に限ったことではないですが)。深く考えず、頭空っぽにしましょう。その方が夢詰め込めます。
からあげ・THE BEGINNING
大学生になったばかり僕の青春は、セックス・ドラッグ・ロックンロールに彩られていた。と言いたいところだが、残念ながら女の子にとんと縁がなかったので、PC・ドラッグ・ロックンロール漬けの毎日だった。
僕が、大学時代ハマっていたヤバい遊びが、Linuxのインストールだ。Linuxはリナックスと読む、新種のドラッグではなくて、フィンランドのイカしたハッカー、リーナス・トーバルズが作ったオープンソースのOS(オペレーティングシステム)だ。悪友のM野君(詳しくはM野伝説を参照してくれ)の家に行き、ドラッグ(念のために書くが、ここでのドラッグは、いわゆるドラッグ・ストアで手に入る一般的な栄養ドリンクの可能性であることを示唆しておく)をキメると、2人でそれぞれPCにLinuxのセットアップを続けて、夜が明けると倒れるように寝るということを飽きもせず繰り返していた。
少し補足すると、当時のLinuxは今のようにインストールしたらそのまま普通に動く、ということは滅多になく、画面が映れば奇跡という代物だった。認識しないデバイスのために、デバイスドライバを探したり、カーネルにパッチ当てたり、configファイルを弄ったり…要は色々な努力が必要だった。
「どんな女よりもタチが悪い」
それが僕らの間でのLinuxに対する共通認識だった。
僕は、Turbo LinuxやRed Hat Linux、M野君はVine Linux、Debianというディストリビューションを好んでインストールしていた。まだUbuntuは存在していなかった(と思う)。
そして沸き起こる空前のホームページブーム。ホームページというのは、今でいうブログみたいなものと思ってもらえれば良い。もちろん、はてなブログのような便利なサービスはないので、HTMLを手打ちして自分でサーバにFTPを使って転送するという恐ろしい代物だった。
周囲の友人が、次々とホームページを作成していく。ただ、僕にとってそれは既に中学生のときに通った道。同じことをやってはプライドが許さない!僕は、他の愚民どものとの違いを見せつけるべく、今は亡きSOTECというブランドのPC(PentiumのCPUにメモリは2GB程度だっただろうか?)に、愛用のTurbo LinuxとapacheのWebサーバを猛然とインストールし、当時人気だった2ch風の掲示板を運営すると、ddo.jpというサービス(今も存在していた)で、取得した独自ドメインを、周りの友人全員にアドレスを送りつけた。
多分、2,3人の頭のおかしい人以外、誰も見てなかったと思うけど僕は満足だった。掲示板には、自分でスレッドを立てて、自分の日記をつけ始めた。ほぼ全てが下ネタだったと思う。ハンドルネーム(自分のID)には、検索しにくくなるように(今で言うところのエゴサーチできないように)、ありふれた好きな食べ物の名前をつけた。これが、からあげの始まりである。
その後、何度か閉鎖と再開(破壊と再生と呼んでいた)を繰り返した後、自宅サーバに限界を感じた僕は、当時無料で広告が無いという理由ではてなダイアリーという、はてなブログの前進に当たるサービス(今は広告があります)で日記を書き始めたのだ。
Raspberry Piで当時を再現してみる
だらだらしょうもないことを書いてしまいました。当時を再現できないかなーと、手元のRaspberry Piで試してみることにしました。Raspberry Piの標準のOSであるところのRaspbianはその名が示すようにDebianがベース、つまりLinuxなのです。ちょいちょいと調べて、以下の5行くらいのコマンド実行します。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install apache2
$ sudo apt-get install php5
$ git clone https://github.com/logue/php2chbbs
$ sudo mv php2chbbs /var/www/html/
あとは 192.168.x.x/admin/admin.php
にアクセスすれば良いのかと思ったのですが、パスワードが何故かうまく設定できない。「何故?」と思っていたら、まさかのパーミッション設定されていないというオチ。パーミッションくらい設定しておいてくれればよいのに…昔を思い出しながら、以下サイトのREADME見ながら、1つ1つ心を込めてパーミッション設定。
できた
自分の日記を再現
昔は、タワー型のPCで夜を徹してセットアップしていたのが、手のひらに乗るような小型PCで、15分くらいでセットアップできてしまいました。技術は進みましたね。あとは、私も多少は成長したのかもしれません。
エピローグ 〜からあげにレモンかけたら死刑〜
私とM野君の後日譚です。大学を卒業すると、M野君は仕事の関係で東京へ行き、私は地元企業に就職しました。就職する前は、ロックミュージシャンになりドラッグきめて27歳で死ぬとばかり思っていたのですが、気づいたらカート・コバーンより年上になり、結婚して子供ができ、ただのサラリーマンになり、ドラッグとロックからもすっかり足を洗いました。結局、PC・ドラッグ・ロックンロールのうち、私に残ったのはPCだけでした。
今でも、ときどき夜中にPCをいじっていると、大学時代、朝までPCのセットアップしていたことを思い出します。結局あれが、私の青春そのものだったのかもしれません。
そうそう、この前久しぶりにM野君の家族と会いました。M野君は元気でしたが、相変わらず物凄い痩せていたので、まだやばい薬をやってるのかもしれません。
M野君の子供と私の子供
子供たちに素敵な青春が訪れることを祈っています。間違っても、ドラッグきめて朝までPCのセットアップをするような大人にはなりませんように。