AI時代にこそ読みたい画像処理の本

f:id:karaage:20200620105151j:plain:w480

AI時代に必要な画像処理の本

 今や猫も杓子もAIだディープラーニングだと言われる時代です。特に画像認識だと、とりあえずAIでしょ!みたいな感じはありますが、やはりそのバックグラウンドにある基本的な画像処理は重要なのではないかなと思う今日この頃です。

 そんなことを思ったのは、Interface誌2020年7月号の画像処理特集が良かったからです。

 気づいている人は気づいていると思うのですが、Interface誌の画像処理特集は毎年の恒例行事です(笑)正直、内容も同じような感じなので(めちゃくちゃ失礼)、今年は買わなくても良いかなと思っていたのですが、YouTube時代の画像処理特集にあった写真の、筆者の身体の張り具合をみて思わず手を出してしまいました。

f:id:karaage:20200621145715j:plain:w480
 Interface誌より引用。話題のFaceAppなんて目じゃ無いぜ!

 ただ、本当に良かったのはYouTube特集ではなくて(もちろん、YouTube特集も良かったですが、その上での話)YouTube特集とは別の方が書いている「画像の基礎」という特集でした。この特集画像のデジタル化から始まり、センサの話・RAW現像の話・ディスプレイの話・映像信号(NTSC)・画像圧縮の話と画像処理に置いて重要なポイントが、幅広く的確に押さえられています。実践的なプログラミング環境の話もありますし、一冊の本にできるレベルだと思います。

 筆者の奥村さんという方の経歴、ソニーで長らく画像処理技術をしていた方のようです(今は独立しているみたい)。流石としか言いようのないレベルですね。

画像処理で良い本が意外と無い気がする

 画像処理って、身近で重要な技術と思うのですが、意外に実践的かつ基礎を押さえた良い本が無いような気がしています。

 ほとんど、ネット情報に助けてもらっている状態です。まあOpenCVで大体できちゃうということもあるのですけど、それだけに、OpenCVだけではできないようなことができるようになるための道筋みたいなものが欲しいなと感じています。

 自分が持っている本は、実践コンピュータビジョンくらいでしょうか。

 画像処理の本にしては、珍しくC++でなくPythonの実践的なコードがある書籍です。とりあえずオライリーだから買ってみたのですが、多少古い本ですし、チョイスしている内容含めて、もの凄い良い本かと言われると結構クエッションマークです。

 RAW現像を詳しく知りたい人の場合は、「ゼロから作るRAW現像」が良いと思います。詳しくは以下記事参照ください。

 あとは、画像処理からは少し外れるのですが「カメラとレンズのしくみがわかる光学入門」もオススメです。

f:id:karaage:20190707215929j:plain:w640

 画像処理するための画像を得るためには、多くの場合カメラとレンズが必要なわけで、その基礎が分かりやすく書かれている入門的な本です。画像処理専門の人でも、意外とレンズの知識無い人多かったりするのですが、個人的にはカメラクラスタだけでなく身につけておきたい基礎教養と思います。

まとめ

 画像処理の入門にオススメの書籍を紹介しました。特にInterface誌2020年7月号は、これから会社で画像処理をやるという初心者から中級者まで幅広くオススメな内容だと思います。

 個人的には、1から画像処理を学びたい場合は、時間があればブラックボックス的なOpenCV使うよりProcessingなどを使って画素ごとの処理をしてアルゴリズムを作りながら理解するのが良いのではないのかなと思います。

 私自身、画像処理を学校で学んだような専門家ではないので、もしおすすめの画像処理の本などありましたら是非教えてください。

参考リンク

GitHub - PacktPublishing/Practical-Computer-Vision: Practical Computer Vision, published by Packt
Practical Computer Visionという本のコード。本は英語のみですが、コードをみるだけでも参考になりそう。日本語訳出ないかな?

イメージングソリューション | 画像処理の入門~基礎~応用まで理解できるのを目指して!
Interface誌の美顔特集の作者様のサイトです。画像処理に関するアルゴリズム・コード・数学まで幅広く紹介されておりとても参考になります。

関連記事

変更履歴

  • 2020/07/05 参考リンク追記