Raspberry Pi 2でハイレゾ・Airplay対応 オーディオサーバを作る 〜ハイレゾ対応DAC編〜

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2017/RaspyPlay4に関して追記
2017/01/22 Volumio2でのオーディオサーバ構築に関して追記
2015/08/11 Durio Sound BASIC/PRO DACに関して追記

Volumio2でRaspberry Pi 2/3両対応のハイレゾオーディオサーバ構築

 下記記事で、最新バージョンのVolumio2でRaspberry Pi 2/3両対応のハイレゾオーディオサーバ構築する方法に関して記載しています。今から作る方は下記の記事を参照した方がよいかと思います。

ハイレゾ対応

 本記事は、以下の記事の続きです。


 いよいよハイレゾ対応です。ハイレゾ対応するには、DACというRaspberry Piのデジタル信号をオーディオ信号に変換してやる回路をRaspberry Piに接続する必要があります。Raspberry Piに対応しているDACには大きく以下の2種類があります。

  • USB DAC
  • I2S DAC

 USB DACは種類が豊富、接続が手軽という利点がありますが、比較的値段が高く、サイズが大きいという欠点があります。一方I2S DACは小さく、比較的安いという利点がありますが、選択肢はあまり無く、基本基板剥き出しなので接続も半田付けや多少の加工が必要となり全くの初心者にはハードルがあります。
 この後、一応両方とも紹介しますが、私のオススメはI2S DACです。自分が実際に買ったのもI2S DACなのでRaspberry Piとの接続と設定に関しては基本I2S DACに関してのみ解説します。

USB DAC

 『Raspberry Pi 2対応「Raspi Audio」導入編』の作者オススメの「OPPO HA-2」は動作実績もあるようなので良さそうですね。ただ価格は4万円とお高いです。

 他のUSB DACでも、基本的にUSB Audio規格に対応しているUSB DACであれば動作するようですが、事前に動作実績を確認しておくと安心ですね。ハイレゾ対応のUSB DACラインナップに関しては、以下の記事が非常によくまとまっているのでオススメです。

 つい最近こんな良さげなUSB DAC情報もありました。それでも2,3万円してしまいますが…


 もっと安いのないのって方には、以下がRaspberry Piとの実績もあり激安です。ただしハイレゾでは無く、基板もむき出しという男らしさです。

 USB DACの設定に関しては、私は自分で設定していないので『Raspberry Pi 2対応「Raspi Audio」導入編』を読むかネットで調べるなどしてして下さい。

Raspberry Pi 2対応「Raspi Audio」導入編

Raspberry Pi 2対応「Raspi Audio」導入編

I2S DAC

 私のオススメはI2S DACです。何故オススメかというと、原理的にUSB DACは基本的にUSBから一旦I2Sというデジタルのオーディオ信号に変換し、それをさらにアナログのオーディオ信号に変換しているのに対して、I2S DACだとRaspberry PiのI2Sをそのままアナログのオーディオ信号に変換するため、余分な回路が不要になるため小さく安くできるし、うまく作れば基本的には音質も良くなるのです。
 といっても一般のメーカはそんなRaspberry Pi専用になるようなマニアックな製品は中々つくれないので種類が少なく、怪しげな商品も多くなるので色々調べる必要があるのです。私が色々調べまくった結果、Raspberry Pi 2に対応しているI2S DACのオススメはずばり以下です!

SabreBerry+(セイバー・ベリー・プラス)

 自分が調べた中では一番メジャなようです。私が電子部品購入するときによく使う「スイッチサイエンス」さんで扱っているので、安心して購入できます。
 非常にコンパクトにまとまっているので大体のRaspberry Pi用のケースを加工して使えそうですし、音質にも定評があるESS社のES9023PというDACを使用しています。自分の未熟なオーディオ知識でも、作者のサイトからの情報と基板を見る限り、電源の分け方や、部品の選定も音質を気にしているようで好感が持てました。ただ、半田付けが必須の製品となります。

Raspberry Pi model A+/B+ 用 DAC カード

Raspberry Pi Model A+/B+ 対応ハイレゾ DAC カード RBD-02+

Raspberry Pi Model A+/B+ 対応ハイレゾ DAC カード RBD-02+ ハイグレード版

 ノーマル版とハイグレード版があります。こちらも拘って設計しており中々良さそうですし、コネクタも接続されているので、半田付けはしなくてもOKです。ただ、サイズは少し大きめなので収めるケースは苦労しそうです。
 半田付けは絶対無理という人はこちらですね。

Durio Sound BASIC/PRO

 今月のトランジスタ技術(2015年9号)のラズパイ・オーディオ特集で紹介されていました。こいつも音が良さそう!半田付けも不要ですし、PROだと別電源で音質こだわれるし初心者から上級者までオススメかもしれません。

Durio Sound BASIC

Durio Sound BASIC

Durio Sound PRO

Durio Sound PRO

RaspyPlay4 MikroElektronika アドオンボード MIKROE-1767

 半田付けが不要かつ、音質に定評のあるPCM5122というTI製のDACを使用しています。

 このボードに関しては、Volumioでの設定例などは、以下記事を参照するのが良さそうです。

 以下はRaspberry Piとの接続と設定です。興味ある人は続きを読んでみて下さい。

SabreBerry+導入

 以下は私が購入したSabreBerry+の導入方法です。

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 Raspberry Pi 2にSabreBerry+を接続した図。こんなにコンパクト

必要なもの


SabreBerry+。もちろん必須。


Raspberry Pi B+ (Plus) 専用ケース RS製 (Black)

Raspberry Pi B+ (Plus) 専用ケース RS製 (Black)

Raspberry Pi 2対応ケース。これを加工して使います。


goot 電子工作用はんだこてセット X-2000E

goot 電子工作用はんだこてセット X-2000E

はんだごてセット。配線の接続に使用


goot はんだこて台 ST-11

goot はんだこて台 ST-11

はんだ台


goot 高密度集積基板用はんだ SD-60

goot 高密度集積基板用はんだ SD-60

はんだの予備


ベッセル(VESSEL) ワイヤーストリッパー No.3500E-2

ベッセル(VESSEL) ワイヤーストリッパー No.3500E-2

ワイヤストリッパ。ワイヤ(配線)の被覆をムキムキするのに使用


RYOBI ドリル FDD-1000

RYOBI ドリル FDD-1000

リリーフ(RELIFE) 六角軸下穴ドリルと両頭ビット10本組

リリーフ(RELIFE) 六角軸下穴ドリルと両頭ビット10本組

ケースに穴あけるドリル




オーディオジャック。赤がRightで白がLeftという鉄の掟があるので2色買いましょう



配線。太さはこんなもんが良いでしょう。

ケース加工と配線半田付け

 まずはケースにドリルで穴を開けましょう。多少穴大きくてもオーディオジャックをつければキレイに見えるので気合い入れてガリガリ削りましょう

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 穴開けてコネクタを取り付けた図。

 後は配線をワイヤストリッパで適当な長さに切って、被覆をムキムキした後半田付けです。コツは特にないです、私は、あんまり半田は上手じゃないので…

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 半田付けしてケースに収納した図

 ケースの蓋は閉まらないのでこのままです。専用のケースとか作りたいですね。でもこれはこれでよい感じかも。

SabreBerry+設定

 Volumio上での設定は、サポートページを参照すればそのままできます。

 以下のような恐ろしい注意書きがありますが、あまり気にしなくてよいでしょう。クラッシュしたらまたOSインストールからやり直せばよいだけです。

※ V1.55はSDカード内のファイルシステムがクラッシュすることがあります。 一度クラッシュすると、二度と復帰しません。 

ハイレゾ・Airplay対応 ミュージックサーバ完成

 これで完成です。後は好きなスピーカにつないで心ゆくまでハイレゾ音源を堪能しましょう。スピーカは何でもよいですが、全然分からないという人は、下記のアクティブスピーカなんかがアンプも内臓していてよいのではないかと思います。

ONKYO GX-D90 アンプ内蔵スピーカー WAVIO/ハイレゾ対応 ブラック GX-D90(B) 【国内正規品】

ONKYO GX-D90 アンプ内蔵スピーカー WAVIO/ハイレゾ対応 ブラック GX-D90(B) 【国内正規品】

 同じ型番のものを持っているのですが、Amazon見るといつの間にかハイレゾ対応の謳い文句が追加されていました。アナログのスピーカでハイレゾ対応ってどういうことだろう…謎だ。

 そして、ハイレゾの感想はどうかというと、そもそもハイレゾ音源持っていないので聞いていないというね。まあ聞いたところでどうせ違い分かりっこないので。だって、44.1kHzが96kHzになったところで、人間の耳20kHzまでしか聞こえないし、年々高音聞こえ無くなっていくし、16bitが24bitになったところで、16bitって65536分の1の分解能でしょ。5Vの信号としても、0.1mV以下の差ですよ。ICだけそんな分解能扱えたところで、回路のノイズで埋もれちゃうじゃん!
 でもハイレゾ対応有り無しどっちを選ぶかというとハイレゾ音源を選んでしまうのですよね。ハイレグみたいなもんですね、ハイレグマジック。賢いみなさんは、言葉だけに惑わされずちゃんと本質を見極めましょうね、回路の部品(コンデンサとか)変えた方が全然音変わるので、マジで。それではみなさんも素敵なハイレゾライフを!

まとめと今後の予定

 一通り完成したので、自作オーディオサーバはこれで一先ずお仕舞いです。2,3時間で楽勝だろうと思っていたら、ほぼ1日がかりでした。コストパフォーマンス的にはこれだけの機能持ったコンパクトな製品って意外と無いので悪く無いのじゃないかなと思います。ただ、Raspberry Pi2に興味があるとか、カスタマイズが好きとか、作ること自体を楽しみたいという人以外は辛いと思うので、ただ安く済ませたいという人にはオススメしません(最悪完成しないリスクもあるので)。自分は制作も含めて楽しめたのでよかったです。
 また、今後機能追加したりいじったりしたら追記するか、新たに記事書こうかと思います。しばらくはこのオーディオサーバとApple Musicの組み合わせで久しぶりにゆっくり音楽を楽しみたいなと思います。今はトム・ヨークの「Tomorrow's Modern Boxes」聴いてます。幸せ。

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