子供の見守りカメラを作る背景
妻から
「いつもラズパイで下らないものを作っていないで、キッチンやリビングから子供を見守りできるカメラとか作ってよ。夜間も対応してね!」
という暖かいお言葉を頂戴したので、父親としての威厳をみせるべく、即座にこういってやりました!
「分かりました!(返信まで0.2秒)」
といったものの、どうしようか途方にくれてしまいました。夜間対応無ければ、昔使った市販の見守りネットワークカメラを使えばよいのですが、夜間対応はしていません。自分の部屋で考え込んでいると、ふと目に入ってきたのは大量のRaspberry Pi
引き出しの中にはドラえもんならぬRaspberry Pi(一部)
「そうだ、私にはRaspberry Piがあるじゃないか!」
というわけで、いつものごとくRaspberry Piを使った工作に興じるのでありました。
子供の見守りリモートカメラ「見守るくん」
そして完成したのがこちら「見守るくん」です。
赤外線カメラと赤外線の投光機がついているので、夜間対応もバッチリです。
セッティングは、夜に子供の部屋に以下のように配置して電源を繋ぐだけ
スマホに特別なアプリを入れることなく、ブラウザ経由「見守るくん」のアドレス(自分の場合はmimamorukun.local
)にアクセスすると子供の様子を確認することができます。
PCからも確認可能です。
モーション検出や録画機能もついていて、子供の見守りはこれでばっちりですね。
気になる妻のお言葉は
「温度と湿度も知りたいな!あと、基板むき出しなのが気になるからケース作ってね(はぁと)」
でした。喜んで作ります!!
作り方や使用上の注意事項は、この後に詳細書きますので。気になる方はご覧ください。
「見守るくん」の作り方
必要なもの
Raspberry Pi 3Raspberry Pi 3の付属品(SDカード、Micro SDカード、AC電源、その他開発に必要なもの)や基本的なセットアップに関しては、下記記事を参照してください。
SDカードの書き込みは以下参照ください。
Raspberry Pi OSのバージョンは「2020-05-27」で試しています。
赤外線カメラモジュールカメラモジュールは、夜間対応するなら赤外線カメラモジュールを購入しましょう。夜間対応いらないなら普通のカメラモジュールでOKです。今回の方法は、Raspberry Piの純正のカメラモジュールを前提しているので注意下さい(USBカメラなどは試していないです)。
Raspberry Pi B+ (Plus) 専用ケース RS製 (White)
- メディア: エレクトロニクス
赤外線投光セット
800円と安いですが、組み立て品なので半田ごてでの半田付け、ニッパ等の工具と12V電源が必要です。
組み立てなんて面倒くさいという人は Amazonで完成品の赤外線投光器を購入するという方法もあります。そもそも、専用の見守りカメラ買えよという話もありますが、ここでは置いておきます。
RPi-Cam-Web-Interfaceセットアップ
以降は、以下の記事を元に基本的なセットアップまでは完了している前提です。
注意点は以下2点です。
- Raspi-configの設定で
Camera
をEnableにする - Raspberry Pi CameraをRaspberry Piに接続する
見守りカメラを作るにあたっては、RPi-Cam-Web-Interface
というソフトを使います(というかこれがほぼ全てです)。リモートカメラ、モーションディテクト、Raspberry Piのシャットダウン、カメラ設定の変更となんでもできる便利ソフトです。
セットアップはRaspberry Piのターミナルで以下コマンドを順に実行してください。
まずは必要なソフトをインストールします。
$ sudo apt update $ sudo apt install -y motion $ sudo apt install -y php
続いて、RPi-Cam-Web-Interface
をセットアップします。
$ git clone https://github.com/silvanmelchior/RPi_Cam_Web_Interface.git
$ cd RPi_Cam_Web_Interface
$ ./install.sh
設定画面が出てくるので、以下のように入力して「了解」をクリックします。
あとは、Start now?と表示されるので「はい」を選択してください。これでセットアップは完了です。
続いては、スマホかPCのブラウザからRaspberry Piにアクセスしましょう。ifconfig
コマンドでIPアドレスを調べて直打ちするか、ホスト名でもアクセスできます。例えばRaspberry PiをRaspi-configの設定でmimamorukun
というホスト名にしていたらmimamorukun.local
と入力するとアクセスできます。
Camera Settingの項目もこんなに豊富です!
もし、上記方法でインストールできない場合は、下記の本家のインストールガイドを参照しましょう(英語です)。
RPi-Cam-Web-Interface - eLinux.org
夜間対応不要なら、これでRaspberry Piをケースに入れたら完成です。
赤外線投光器組み立て
続いて、夜間対応するために赤外線投光キットを組み立てしましょう。
袋
袋から出した図
半田付けしては、ニッパーで切る。思ったより大変…
完成
赤外線なので、肉眼では見えない点に注意。カメラで撮影すると光っているのが見えます(カメラの機種によって見え方が異なります、見えない場合もあるかも)。
カメラで撮った図
ケースに入れた図
電源繋いでスマホで動作確認
注意点として、赤外線投光機は、近距離でずっと直視すると光と同様に目を痛めてしまいます。特に子供の見守りカメラとして使う場合は、目のすぐそばに投光機を置かないようにしましょう。近赤外線は太陽光にも含まれているもので、決して危険なものではないですが、目に見えないぶん気がつかない危険性があります。
赤外線写真について、更に詳しく知りたい方は下記記事なども参照してみて下さい
ケースを手作り工作で作成
妻に去年のバレンタインにもらったラズベリーパイの箱を利用して、手作りケースを作って見ました。こんな感じで頑張って作りました。
定規とか使わず、カッターで勘で切っていく
ケースを開いて、中に詰めるものを確認
出来上がり!
NFCタグを使ってラズパイに手軽にアクセスする方法
NFCタグを使ってスマホからラズパイに手軽にアクセスできるようにしてみました。詳細は以下記事参照ください。
まとめ
Raspberry Piで子供の見守りカメラ「見守るくん」を作ってみました。 RPi-Cam-Web-Interfaceというソフトを今回初めて使ってみたのですが、かなり完成度高いですね。リモートカメラ用途ならほとんどこれだけで良さそうな感じです。
作ってみて気になったところは、電源が2つ必要なところ、赤外線投光機を簡単にオフできないところ、あと今後改善したいのは、妻の要求の温度湿度がわかる機能とケースでしょうか。
電源を1つにするのと、赤外線投光機のオフは、昇圧モジュールとFETのハイサイドスイッチを使えば実現できそうです。
温度湿度に関しては、以下を組み合わせれば簡単に実現できそうですね。 ただ、妻からは簡易的なディスプレイもつけてほしいと言われているので、それはちょっと考えないと…です。ディスプレイや電子ペーパーは高いからなぁ
ケースの方は、3Dプリンタかレーザーカッターを使った木製のケースでしょうか。お値段的にレーザーカッターかなぁ
参考リンク
RPi Cam Web Interface - Raspberry Pi Forums
RPi Cam Web Interface - YouTube
Raspberry Piで映像を見ながらタイムラプス撮影 | 日記というほどでも
関連記事
変更履歴
- 2020/11/01 NFCタグを使った手軽なラズパイへのアクセス方法の追記
- 2020/06/28 Raspberry Pi OS 2020-05-27 に合わせて修正