Raspberry Pi 2でRaspbian Jessieをセットアップする方法

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2017/02/04 無線LAN省電力機能無効化に関して追記
2016/08/28 記事修正

Raspberry Pi 3対応のセットアップ記事公開しました

 Raspberry Pi 3買ったので、合わせてセットアップ記事書きなおして公開しました。Raspberry Pi 3でセットアップする方は下記記事参照した方がベターかと思います。Raspberry Pi 2でもWiFiが内蔵か外付けか以外は基本同じなので、下記記事参照した方が分かりやすいかもしれません。


Raspbian Jessieが来た

 Raspbianの新しいバージョン Raspbian Jessieが来ました。旧バージョン Raspbian Wheezyとの違い等は以下がわかりやすいです。

 Linuxカーネルが4系になったのが大きいかな。メモ代わりに、Raspberry Pi2でのRaspbian Jessieのセットアップ方法を記載します。

必要なもの

 必要なものの例。Raspberry Piの他に1台PCがある前提。USBキーボード、マウス、ディスプレイは持ってなかったら合わせてお好みで購入して下さい。

Raspberry Pi 2 Model B

Raspberry Pi 2 Model B

Raspberry Pi 2


カメラモジュール。カメラいらない人はもちろん不要


microSDカード。Jessieだと最低8GBは必要です。


BUFFALO 11n対応 11g/b 無線LAN子機 親機-子機デュアルモード対応モデル WLI-UC-GNM2

BUFFALO 11n対応 11g/b 無線LAN子機 親機-子機デュアルモード対応モデル WLI-UC-GNM2

WiFi(有線でよければ不要)


PLANEX HDMI-DVI変換ケーブル 2.0m PL-HDDV02

PLANEX HDMI-DVI変換ケーブル 2.0m PL-HDDV02

パソコンのディスプレイとつなぐ場合はHDMI->DVI変換が安くて便利。HDMI入力あればHDMIケーブルでOK


電源は2A供給できるものがよいです


Raspberry Piへの給電ケーブル。タイプAオス- マイクロタイプBオスのものなら何でもOK


Raspberry Pi B+ (Plus) 専用ケース RS製 (White)

Raspberry Pi B+ (Plus) 専用ケース RS製 (White)

ケース、あると安心かも。このケースはカメラモジュールにも対応していて便利です。


 以降は興味ある方のみ続きをご覧になってください。

Raspbian Jessie SD作成

 まずはなにはともあれRaspbian Jessieの入ったSDを作成しましょう。NOOBSは使わないで設定しています。NOOBS使いたい人は以下記事とか公式サイトを参考にインストール下さい。基本的にNOOBSだとドラッグアンドドロップのコピペでいけるはずです。


Raspbian Jessieダウンロード

 以下サイトからダウンロード

 現時点で最新の「2015-09-24」を使用しました

ディスクのフォーマット

 次にディスクをフォーマットしましょう。好きな方法でよいですが、確実なのはSD Formatterを使う方法です。以下のサイトからダウンロードしたSD Formatterを使ってSDカードをフォーマットをしましょう。ドライブを選択するだけの簡単設計。

SD Memory Card Formatter - SD Association

ディスクのデバイスファイルを確認

 MacでコピーしたいSDカードを挿入後にdfコマンド実行してSDカードのデバイスファイルを確認。よくわからなければ、挿入前と挿入後でdfコマンド実行して比較しましょう。

$ df -h

 挿入後に増えているデバイスファイルがSDカードのデバイスファイルです。例えば /dev/disk2とか/dev/disk3とか。

イメージSDに書き込み

 以下はMacのケースです。Windowsの場合は「DD for Windows」とか「Win32 Disk Imager」といったソフト使えば簡単に同じようなことできると思います。
まず、書き込みしたいSDカードを挿入して、ターミナルを起動して、以下のコマンドでアンマウント

$ diskutil umountDisk /dev/disk2

 以下のコマンドで書き込み。/dev/disk2の場合は /dev/rdisk2のようにrをつけるのがポイント。なんでも、アンバッファモードになって速度が速くなるみたいです。bs=1mは一度に書き込む容量を表していて1m(1MB)くらいにしないとこれまた速度が遅くなります。
 例えばドキュメントフォルダ直下に「2015-09-24-raspbian-jessie.img」というイメージファイルを置いた場合は以下の通り。

$ sudo dd if=Documents/2015-09-24-raspbian-jessie.img of=/dev/rdisk2 bs=1m

 しばらく(数分)待つと完了のメッセージが出るので、書き込み完了。途中経過が気になる方はCtrl+Tで進捗を表示できます。あとは以下のコマンドでアンマウントしてからSDカードを取り出しましょう。

$ diskutil eject /dev/disk2

 これでSD作成は完了。

Raspbian Jessie ハードセットアップ

 Raspberry Piに以下のものを接続しましょう。

  • 作成したRaspbian Jessie入りmicro SD
  • USBキーボード
  • USBマウス
  • USB無線LANアダプタ
  • ディスプレイ

 以下の図はRaspberry Pi2でなくRaspberry Pi Type Bですが、基本的には同じですが、Raspbian Jessieだと起動するとGUI(X Windows)が勝手に立ち上がるため、USBマウスが必要なので注意。無線LANアダプタもこの時点で接続しておいて下さい。

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 ケースには以下のような感じで入れてあげるとよいです。

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 開いた図


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 閉じた図

Raspbian Jessie ソフトセットアップ

 次はソフトウェアのセットアップ。Raspbian Jessieは初回起動はいきなりX WindowsのGUI環境が立ち上がります。

Raspi-configセットアップ

 GUIでRaspi-configのセットアップとついでにGUIでWiFiセットアップしてしまいましょう。

 まずは以下のような順序の操作でRaspi-configを起動します
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 systemタブの設定は以下のようにしましょう。ホスト名は好きな名前をつけてね
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 これで次回からはいきなりGUI立ち上がらず、CUIの地味な画面でユーザ名とパスワードを入力してログインすることになります。デフォルトのユーザ名とパスワードは以下です。
ユーザ名: pi
パスワード: raspberry

 GUIを起動したい場合は以下のコマンドを打ちましょう

$ startx


 Interfacesの設定は以下のような形。カメラ接続しないならカメラはdisableにしましょう
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 Localisationの設定。Set Localeは以下
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 Localisationの設定。Set Timezoneは以下
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 Set Keyboardはキーボードに合わせて設定下さい。日本語キーボードの場合は "Generic 105-key (Intl) PC" > "Others" > "Japanese" > "Japanese" とかかな。

WiFiセットアップ

 ついでにGUIでWiFiセットアップ
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 CUI(コマンドライン)で直接設定したい場合は、Raspbian Wheezyと同様、以下の記事のネットワーク設定を参考に /etc/network/interfaces 等を書き換えていけばよいです。

必要なソフトインストール

 必要なソフトをインストールしていきましょう。まずは下記コマンドで再起動。

$ sudo shutdown -r now

 そしたら、ログイン画面が出るのでユーザ名とパスワードを入力して、ログインしましょう。

 最初に以下のコマンドを実行します。以下のコマンドでは、ソフトのパッケージのリストをアップデートするのみで、実際にソフトはインストールされないので安心して気軽に実行ください。

$ sudo apt-get update

 次からいよいよソフトのインストール。といってもRaspbian(Linux)では基本的にコマンドうつだけでソフトをネットからダウンロードしてインストールまでしてくれます。楽々ですね。

日本語フォント・漢字変換(2015/12/27追記)

 日本語必要な方は入れましょう。vlgothicというフォントとibus-anthyという漢字変換ソフトです。

$ sudo apt-get install fonts-vlgothic
$ sudo apt-get install ibus-anthy

 ibusの設定は、以下のサイト参照ください(他人任せ)
Raspberry Pi メモ (34) デスクトップの軽量な日本語化

エディタ(vim・gvim)

 Raspberry Pi標準のvimはtiny-vimという簡易版なので、ちゃんとした(?)vimをインストールしましょう。vim-gnomeというのはgvimというGUIのvimです。それぞれvim, gvimで起動します。

$ sudo apt-get install vim
$ sudo apt-get install vim-gnome

 .vimrcもセットアップしましょう。私の設定でよければ以下のコマンドで.vimrcセットアップできます。

$ cd
$ git clone https://gist.github.com/e4243dc05c506bbd92c3.git tmp
$ mv tmp/vimrc  .vimrc

 詳細は以下参照

tightvncサーバ

 リモートデスクトップのために必要なら入れましょう。

$ sudo apt-get install tightvncserver

 インストール終わったら、以下コマンドを実行してパスワードを設定しましょう。1回入力すると、read-onlyのパスワード聞かれますが、そちらは設定しなくてよいです。

$ vncserver :1

 あとは、クライアントPCから接続するだけです。Macならファインダーの移動 -> サーバーに接続 (Command + KでもOK)で接続できます。

gparted

 パーティション設定ソフト。何かと使えるかも。

$ sudo apt-get install gparted

 以下のサイトが使い方わかりやすいです。

Raspbian Jessieでは最初からインストールされているソフト

 わざわざインストールしなくてもOKです。参考にメモっておきます。

  • wiringPi

GPIO制御に使用するソフト

  • avahi-daemon

ホスト名でアクセスできるようになるZeroconf仕様のサービス。例えばRaspberry Piにkaraageというホスト名をつけたら、Macからなら以下のコマンドでアクセスできます。

$ ssh pi@karaage.local

 これはMacがBonjourというZeroconf仕様のサービスを標準で持っているから可能な芸当。Windowsの場合はデフォルトだとできません。ただ、iTunesにBonjourがもれなくついてくるらしいので、iTunesをインストールすればホスト名でアクセスできるようになります。万歳!
 

ソフトアップデート

 以下コマンドで現在インストールされているソフトを全て最新版にバージョンアップします。新しいバージョンのソフトの数が多いほど時間がかかります。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade

/boot/config.txtセットアップ

 /boot/config.txtをいじって色々設定しましょう。ここは好みなので自分が必要な項目だけ設定ください。
まずは以下コマンドで/boot/config.txtを開きましょう。

$ sudo vi /boot/config.txt
USBポート 1.2A電流供給対応

 通常は0.6Aに制限されているRaspberry PiからのUSB電流供給を1.2Aまで増加できます。/boot/config.txtの末尾に以下の2行を追加して上書き保存すればOK。

safe_mode_gpio=4
max_usb_current=1
カメラモジュールLED消灯

 Raspberry Pi用カメラモジュールは、撮影中にLED点灯します。動作確認になってよいのですが、個人的には邪魔なので消します。以下の1行を/boot/config.txtの末尾に追記して上書き保存しましょう。

disable_camera_led=1
無線LAN パワーマネジメント機能OFF

 パワーマネジメントOFFの対応した方がWiFiの接続が安定するようなので設定行います。まずは、以下のコマンドを実行します。

$ cat /sys/module/8192cu/parameters/rtw_power_mgnt

 1が返ってきたらパワーマネジメントONになっています。消費電力は抑えられるのですが、たまに接続が不安定になってしまいます。Planexの無線LANは消費電力元々小さいので、OFFにしてやりましょう。

 下記コマンドで/etc/modprobe.d/8192cu.confファイルを作成

$ sudo vi /etc/modprobe.d/8192cu.conf

 ファイルの中身に下記を書き込みます。

options 8192cu rtw_power_mgnt=0

 再起動後、下記実行。

$ cat /sys/module/8192cu/parameters/rtw_power_mgnt

 0が返ってきたらパワーマネジメントOFFになっています。

SDカードバックアップ

 ここまで頑張って設定したら、一度SDの中身を丸ごとバックアップしておくと安心です。

ディスクのデバイスファイルを確認

 MacでコピーしたいSDカードを挿入後にdfコマンド実行してSDカードのデバイスファイルを確認。よくわからなければ、挿入前と挿入後でdfコマンド実行して比較しましょう。

$ df -h

 挿入後に増えているデバイスファイルがSDカードのデバイスファイルです。例えば /dev/disk2とか/dev/disk3とか。

イメージ読み出し

 以下は/dev/disk2がSDドライブの場合の例。以下のコマンドでSDカードの中身をRPi.imgというイメージファイルに読み出します。

$ sudo dd if=/dev/disk2 of=~/RPi.img

 長時間何も表示されないので不安なときは、Ctrl+Tで途中経過を確認することができます。読み込み終わったらバックアップ完了です。イメージファイルを別のSDに書き込めば今まで設定した内容やインストールしたソフトをすべて引き継げます。イメージファイルをSDに書き出す方法は以下記事を参照下さい。


まとめ

 頑張って書いたらかなり疲れました…ただ、いつもセットアップのたびに何やったか思い出すのが大変なので、こうやってまとめると忘れてもいつでも参照できるので便利です。個人的にはこういう積み重ねは結構重要視します。個人のメモ帳とかEvernoteに書いておいてもよいのですが、こうやってブログに公開しているのは、なんというか多少のサービス精神の表れではありますが、人に見られると思うと多少は気を使って書くので、後で自分で読んで何を書いているか分かる場合が多かったりするということもあります。自分のメモだと後で自分で読んで意味不明な場合が50%くらいあります。要は基本的に自分のために書いているのです。

リンク:Raspberry Pi 3
リンク:SDカード
リンク:HDMIケーブル
リンク:USB給電ACアダプタ
リンク:マイクロUSBケーブル

参考記事


 分かりやすかったです。多分慣れている人はここ見ながらやればすぐできると思います



 私の記事を参考にセットアップされている方の記事。私の記事でハマってしまった日本語入力に関して詳しく書かれています。私はRaspberry Pi上で基本日本語使わないので不足していたかもしれません

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