Raspberry Pi Zeroの購入からRaspbian Jessie LITEをセットアップするまでの方法

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2017/02/22 Raspberry Pi Zero国内販売に関して追記

Raspberry Pi Zeroをセットアップ

 ようやくRaspberry Pi Zeroを入手できたので、いつものセットアップ方法を記載します。基本的にはRaspberry Pi3のセットアップとほぼ同じなので、下記記事が参考になるかと思います。

 ただ、Raspberry Pi Zeroはハードウェアとしては、購入方法が現状少し難しいのと、最初のセットアップがインターフェースが異なるため少し大変(特にUSBが1ポートしかなくEtherも無い)なのと。ソフトウェアは、基本Raspberry Pi 3と同じで問題ないのですが、ZeroはRaspberry Pi 3に比べて非力なので、Raspbian Jessieでなく最低限のパッケージだけがバンドルされている軽量なRaspbian Jessie LITEをインストールしてみたので、ハードウェアの購入から接続、ソフトウェアのセットアップを合わせてまとめてみます。

Raspberry Pi Zero購入方法

 未だに2016年9月現在では、日本で簡単に買うことができません。

 2017/02/24(金)からKSYでRaspberry Pi Zeroを購入できるようになります。今後は、こちらの方がよいかもしれませんね。

https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/46

 未だAmazonでも売ってたりしますがほぼ100%ボッタクリ業者なので購入はオススメできません。以下はpimoroniサイト経由で個人輸入する方法に関して記載します。

Raspberry Pi Zero – Pimoroni Store

 個人輸入といっても、全然ハードルは高くないです。クレジットカードさえあれば簡単に購入できます。英語に自信がない方は以下サイトを参考に購入するとよいです。

 何を購入するかは、人によって違いますが。初心者へのオススメは「Pi Zero + Adaptors + Pibow Zero Case」に加えて「Three Port USB Hub with Ethernet - microB connector」ですね。後者は最初の画面で見当たらないかもしれませんが、購入手続き進めていき、checkoutした後に「これも購入してけよ!」という感じに勝手にオススメされるので安心(?)です。

 Raspberry Piカメラモジュール使いたい人は「Camera Cable - Raspberry Pi Zero edition」も合わせて買いましょう。Raspberry Pi Zeroはコネクタの関係で特別なケーブルが必要となり、これまた輸入しないと買えないので一緒に買ってしまうのがよいです。こちらもcheckoutした後に勝手にオススメされます。

 購入手続き完了したら、自分の場合は1週間くらいで到着しました。

必要周辺機器購入

 必要な周辺機器です。

  • HDMIディスプレイ
  • USBキーボード

 上記2点は家にあるものを使うのが良いです。なければ適当なものを買えば良いです。

microSDカード。容量はRaspbian Jessie LITE自身が1.2GB程度なので4GBもあれば十分です。

BUFFALO 11n対応 11g/b 無線LAN子機 親機-子機デュアルモード対応モデル WLI-UC-GNM2

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USB WiFiモジュール。消費電力も低めなのでオススメ

Amazonベーシック ハイスピードHDMIケーブル - 1.8m (タイプAオス - タイプAオス)

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HDMIケーブル。HDMI -> DVI変換のケーブルは、設定によって黒画になるケースがままあったのでHDMI対応のディスプレイを使うのがベターです。

ミニHDMI -> HDMI変換。ラズパイゼロのHDMIコネクタはマイクロHDMIなので、変換コネクタを忘れずに買うようにしましょう。

電源。電力WiFiモジュール入れても実測0.3Aなので1Aもあれば十分でしょう。

Amazonベーシック USB2.0ケーブル 1.8m (タイプAオス- マイクロタイプBオス)

Amazonベーシック USB2.0ケーブル 1.8m (タイプAオス- マイクロタイプBオス)

Raspberry Pi Zeroへの給電ケーブル。タイプAオス- マイクロタイプBオスのものなら何でもOK

開封からケース組み付け

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 黄色い簡易梱包に入って到着(個人情報は修正しています)。自分は一番安い梱包のタイプにしたのでこのタイプでした。もうちょっとお金を出すとしっかりした箱に入って届くらしいです。

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 中身はこんな感じ

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 Zero表面、小さい

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 Zero裏面

 ケースはどうやって組み付けるのか全然分からなかったのです。調べたら、以下の購入サイトの図が一番分かりやすかったです。
Pibow Zero Case for Raspberry Pi Zero version 1.3 – Pimoroni Store

 ただ、ケースに組み付けるとSDカードが抜き差しできなくなってしまう(不便…)ので、セットアップするときはケースを外しました。セットアップが一通り終わったらケース組み付けるのがよさそうです。

 以降もまだまだ続きますので、興味ある方のみ続きをご覧になってください。

Raspbian Jessie LITE SDディスク作成

 Raspbian Jessie LITEの入ったSDを作成します。

Raspbian Jessie LITEダウンロード

 以下サイトからダウンロード

 右側の「RASPBIAN JESSIE LITE」というやつです。

ディスクのフォーマット

 次にディスクをフォーマットしましょう。以下のサイトからダウンロードしたSD Formatterを使ってSDカードをフォーマットをしましょう。ドライブを選択してFormatをクリックするだけです。

SD Memory Card Formatter - SD Association

ディスクのデバイスファイルを確認

 MacでコピーしたいSDカードを挿入後にdfコマンド実行してSDカードのデバイスファイルを確認。よくわからなければ、挿入前と挿入後でdfコマンド実行して比較しましょう。

$ df -h

 挿入後に増えているデバイスファイルがSDカードのデバイスファイルです。例えば /dev/disk2とか/dev/disk3とか。

イメージSDに書き込み

 Macのケースです。Windowsの場合は「DD for Windows」とか「Win32 Disk Imager」といったソフト使えば簡単に同じようなことできると思います。
まず、書き込みしたいSDカードを挿入して、ターミナルを起動して、以下のコマンドでアンマウント

$ diskutil umountDisk /dev/disk2

 以下のコマンドでSDにイメージ書き込み。

$ sudo dd if=Documents/2016-05-27-raspbian-jessie-lite.img of=/dev/rdisk2 bs=1m

 上記はホームディレクトリ直下に2016-05-27-raspbian-jessie-lite.imgというイメージファイルを置いた例。/dev/rdisk2disk2の前にrがついているのは、速度を早くするためアンバッファモードにするため。bs=1mは一度に1m(1MB)書き込むという意味。設定しないと書き込み速度が遅くなります。
 途中経過が気になる方はCtrl+Tで進捗を表示できます。しばらく(数分)待って完了のメッセージが出たら書き込み完了。完了したら以下のコマンドでディスクをアンマウントしてからSDカードを取り出しましょう。

$ diskutil eject /dev/disk2

 これでSD作成は完了。

Raspbian Jessie ハードウェアセットアップ

 Raspberry Piに以下のものを接続しましょう。

  • 作成したRaspbian Jessie LITE入りmicro SD
  • Mini HDMI -> HDMI 変換コネクタ
  • ディスプレイ
  • OTG USB Hub
  • USB WiFiモジュール
  • USBキーボード

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 接続した図

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 接続図詳細

ソフトウェアセットアップ

 最初にキーボードの日本語設定と、ネットワーク設定をしましょう。詳細書こうと思ったのですが、以下のサイトが非常に分かりやすかったのでリンク貼って終わりにしますw

 自分のメモ的に要点だけ抜き出すと、まずは以下コマンドでraspi-config設定画面からキーボード設定

$ sudo raspi-config

 次にネットワークの確認

$ sudo iwlist wlan0 scan | grep ESSID

 後は、以下コマンドで/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf 設定

$ sudo vi /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

 以下をファイル末尾に追記

network={
    ssid="SSID"
    psk="パスワード"
}

 その後は、以下コマンドでネットワークを再起動

$ sudo ifdown wlan0
$ sudo ifup wlan0

 ネットワーク接続を以下のpingコマンドで確認

$ ping 8.8.8.8

以下のように反応返ってこればネットワーク設定はOK。ちなみに8.8.8.8はgoogleのIPアドレスです。

PING 8.8.8.8 (8.8.8.8): 56 data bytes
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=0 ttl=55 time=11.778 ms

ソフトウェアアップデート

 ターミナルで以下実行すると、現状のソフト全て最新版にアップデートしてくれますので一度実行しておきます。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get -y upgrade
$ sudo rpi-update

必要なソフトインストール

 以下で最低限必要(と自分が思う)ソフトをインストールします。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install -y git
$ sudo apt-get install -y vim
$ sudo apt-get install -y byobu
$ sudo apt-get install -y python3
$ sudo apt-get install -y python3-picamera

 LITEだと色々無いかなと思ったのですが、自分が使うソフトは大体インストールされていました。

 2016/09/13追記:

 python3がインストールされていなかったので追加しました。

キーボード設定

 CapsLockキーをCtrlキーとして使いたいので、/etc/default/keyboardというファイルのXKBOPTIONSを以下の通り編集します。これでCapsLockキーがCtrlキーとなります。CtrlキーはCtrlキーのままです。

XKBOPTIONS="ctrl:nocaps"

 CapsLockキーとCtrlキーを入れ替えてしまいたいという人は以下で入れ替えられるようです

XKBOPTIONS="ctrl:swapcaps"

 書き換えた後、以下で変更を適用できます。

$ sudo dpkg-reconfigure -phigh console-setup

 設定は以下のサイト参考にさせていただきました。感謝。 CapsLockをCtrlにするまとめ - Λlisue's blog

/boot/config.txtセットアップ

 /boot/config.txtをの設定、必要に応じて設定ください。まずは以下コマンドで/boot/config.txtを編集します。

$ sudo vi /boot/config.txt
カメラモジュールLED消灯

 Raspberry Pi用カメラモジュールは、撮影中にLED点灯します。動作確認になってよいのですが、個人的には邪魔なので消します。以下の1行を/boot/config.txtの末尾に追記して上書き保存しましょう。

disable_camera_led=1

Raspbian Jessieのセットアップ

 LITEじゃないRaspbian Jessieを使いたいという人は、下記記事のRaspberry Pi 3をRaspberry Pi Zeroに置き換えてセットアップしてみて下さい。

 そもそもRaspbianはRaspberry Pi 3もRaspberry Pi Zeroも共通なので、もしRaspberry Pi 3を持っているなら、高性能でインターフェース豊富でWiFi内蔵しているRaspberry Pi 3でセットアップしてしまい、SDカードをそのままRaspberry Pi Zeroに差し替えるという方法もよいかもしれません。Raspberry Piシリーズの徹底したソフトの共通化は教育用ツールという側面からという理由もあるのでしょうが、単純にプラットフォームとして考えて複数所持や勉強のコストのことを考えると魅力的ですね。

電力測定

 気になる電力、簡易USB電流チェッカーで電流を測定してみました。

 まずは、Raspberry Pi ZeroにUSBハブやHDMIケーブルを接続しない状態。

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5.07V 0.05A

なんと0.25W めちゃ低電力ですね。

 参考までにUSBハブやUSB WiFiモジュール、HDMIケーブルを接続した状態で測定 f:id:karaage:20160821120036j:plain:w640

5.06V 0.29A

 ほとんどUSBハブとWiFiモジュールの増加分という感じですかね。

SDカードバックアップ

 ここまで頑張って設定したら、一度SDの中身を丸ごとバックアップしておくと安心です。以下記事参照下さい。

自動でインストールするスクリプト

 ソフトウェアのセットアップ作業、自動化するスクリプト。 Raspbian Jessie LITEにも対応しました。下記参照ください。

 自分の環境だと23分ほどかかりました。

USBケーブルで参考サイト

 USBホストケーブルを使ってPCとRaspberry Pi Zeroを直接接続する方法が以下サイトで解説されています。
Raspberry Pi ZeroをUSBケーブル1本で遊ぶ | Japanese Raspberry Pi Users Group

外出先での急なデバッグ等、ケーブル1本で接続できるので設定しておくと便利かもしれないですね。

まとめ

 Raspberry Pi Zeroなんとか一通りセットアップすることができました。ネットワークやキーボード接続にはOTG HUB経由で色々繋がないといけないし、HDMIは変換コネクタがいるしで開発はちょっと面倒ですね。ただ、この小ささと低電力の魅力は何物にも代えがたいです。実はRaspberry Pi Zero 明確な使い道を決めて購入したわけではないのですが、急遽仕事でも使う可能性も出てきたりしているので、これから色々弄って勉強しながら、楽しい電波なこともできたら良いなと思っています。

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参考記事

KSYがRaspberry Pi Zeroを日本国内発売するらしいのでおさらいを書いてみる - あっきぃ日誌

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変更履歴

-2019/11/21 記事追記