モノを作ることが大事だとおもう理由
モノを作ることって大事だなと思っています。最近改めて感じたのは、3Dプリンタでチョコレートの型を作った時です(詳細は下記記事参照下さい)
結果的には、大失敗だったのですが、色々身をもって分かったことが多かったです。具体的には、市販のチョコを改めてみると「横の角度を斜めにすることで型から抜きやすくしているのかな?」とか、「ちゃんと丸みをつけているのも重要そうだな」とか今まで全然考えもしないところを見るようになりました。
また、チョコレートの型を作った記事に対して、ブックマークコメントで本職のメカエンジニアの id:temcee さんから以下のような非常に丁寧かつポイントを押さえた貴重なコメントも頂いたりしたのですが、このコメント自分で作ってないのと、何を言っているのか半分も分からなかったと思います。
ホワイトデーのお返しに3Dプリンタで作った型でオリジナルチョコレート制作したら大変なことになりました - karaage. [からあげ]すごい手の込んだ手作り!良いですね 立ち壁にドラフトで5~10°くらいの勾配付けたり、根元にラウンド付けたり、プリントする時にグロッシー(ツヤ面仕上げ)にすれば型から取りやすくなるかなと思います
2018/03/14 08:36
こういう風に、モノを作ることで観察眼が養われたり、作ったモノに関する理解が深くなるのだなと改めて思いました。モノを観る眼が深くなるって言えそうですね。
Raspberry Pi基板の例
私自身は、メカはさっぱりなのですが、エレキ関係では一応プロとして回路設計や基板設計したことあるので、そういう意味だと電子基板を見る眼は一般の人よりかは、幾分深いかもしれません。
以下は何の変哲も無いRaspberry Pi(ラズパイ)基板ですが
これ実際に基板つくったことあると、色々なことに気づくのですよね。例えば、メインCPUからメモリや映像信号(HDMI)の配線を拡大した写真が以下です。
なんかぐにゃぐにゃしているのが分かりますよね。これって、ミアンダと言い、配線の長さを揃えることで信号伝達を均等化しているのです。また配線の太さを調整することで、高速信号の伝達に必要なインピーダンスコントロールをしているはずです。
また、電源付近の回路の拡大図は以下です。
コイルやコンデンサが並んでいますね。これを見ると、電源設計したことある人なら、スイッチング電源の回路だとすぐ分かります。
ちなみに、手元に現物とあまり良い写真がなかったのですが、下記が初代のRaspberry Piので電源回路です。こちらはシリーズ電源ですね。
Raspberry Piのバージョン上がって、CPUの電流消費が大きくなったので、効率悪いけど安価なシリーズ電源から高価だけど効率の良いスイッチング電源に設計変更したのだなということが見て取れます。
もちろん、これは1例で安価な教育用のシングルボードマイコンとして、製造という観点でも様々な工夫をしているのだろうなと思わせられる点をいくつも想像できます。それでもRaspberry Piの価格は驚異的と思いますが。
まとめ
モノを作ると目が深くなるよという話でした。何でもそうですが、何かを深く理解したいなら、もし作れるものなら作ってしまうのが一番良いのじゃ無いのかなと個人的には思います。話題の人工知能の代表的な技術のディープラーニングだって、ビットコインで使われているブロックチェーンの技術だって、実は個人で作れてしまうものなのですよね。深く理解したいほど、深いレベル(低レイヤーという意味)、フルスクラッチ(1から作る)で作るのが良いかなと思います。それだけ時間かかりますし大変ですが。もちろん、全部1から作らなくても(作れなくても)、例えば少し自分で手を動かして動かして見るだけでも、全然そのモノに対する見方って変わって来るのじゃ無いのかと思います。
森博嗣先生も、「創るセンス 工作の思考」というモノ作りの大切さを語った本で、同じようなことを言っていたので、多分多くの人に当てはまることなのじゃないかなとか思ったりしています。これも最初読んだときは、そこまでピンときてなかったのですが、今回より深く共感しました。これも作って理解が深まった例なのかもしれませんね。