太陽の塔の内部に潜入
またも大阪に行く機会があったので、以前来たときに行きたいなと思っていた太陽の塔の内部に潜入してみました。潜入といっても、普通に予約して入っただけです。
予約は以下サイトから可能です。
建築基準法の関係で、一度に多くの人が入れないらしく、予約制になっています。当日は、予約で完全に満員でした。知らずに当日ふらっと来た人は、断られていましたので、内部に入りたい人は予約をしておきましょう。私の場合は、1週間ほど前に予約したのですが、そのときは十分空きがありました。
太陽の塔の写真
ここからは、写真と一緒に簡単に紹介していきます。
塔の中は、多くの箇所が撮影禁止のため、紹介しているのは撮影可能エリアの極一部の写真です。実物はとても迫力あるので、生で見るのがオススメです。
外観
実は塔は3つの顔があります。裏側にも顔があるの知りませんでした。
塔の内部
撮影可能な地下と1階部分のみ紹介します。
岡本太郎さんのデッサンが飾られている通路
地下には、第4の顔が展示されています。これはレプリカで、実物は万博後行方不明になってしまい、現在も所在不明だそうです。ミステリーとロマンを感じますね。
第4の顔
プロジェクションマッピングされた顔
続いては、1階です。中心に生命の樹と呼ばれるモニュメントがあり、下から順に生物の進化の歴史を辿るような展示になっています。その迫力は、圧巻の一言ですね。
凄い迫力(語彙力)
低い層には原始の生物
ドラえもんでおなじみの三葉虫
恐竜
オウム貝。ちなみに私は、オウム貝とムール貝の違いがあんまり分かっていませんでした。
展示物の中には、万博当時の展示が一部残っていたりもしました。当時の時代の風と共に、アートのパワーを感じさせる素晴らしい展示でした。
芸術は呪術なのか?
太陽の塔の中に入って、アートのエネルギーを感じて来ました。順路の最後の方、塔の壁に太陽の塔の製作者である岡本太郎さんの「芸術は呪術である」という言葉が書かれています。「芸術は爆発だ」の方が有名だと思いますが(私もそれしか知らなかったです)、こっちの言葉の方が重いですね。
漫画ジョジョの奇妙な冒険の第6部で、プッチ神父というボスキャラが以下のような印象深いセリフを喋るシーンがあります。
「ルーブル美術館のモナリザは、今だに毎日4万もの人間がモナリザとミロのビーナスに引きつけられこの2つは必ず観て帰っていくというわけだ。スゴイと思わないか?」
太陽の塔も、万博が終わって半世紀近く経つのに、いまだに多くの人が観に訪れ、影響を受けています。陳腐な言葉ではありますが、改めて「アートって凄いな」と感じました。まさに呪術と呼ぶにふさわしいものかもしれません。
そして私は全然知らなかったのですが、この太陽の塔、万博当時は腕をグルッと取り囲む形で人が移動できる大きな屋根があり、腕の部分はその屋根出るための通路があったそうです。当時は、屋根に出るために、太陽の塔に入って中を通ってその屋根まで移動したそうです。つまり、太陽の塔は芸術作品(アート)であると同時に建築物(ストラクチャー)でもあったのですね。
コンセプトも、高度成長のシンボルであるはずの万博で、原始への回帰を訴えていたりと、異質としか言いようがないものです。当時少なくない反対があっただろうに、よくこれが作れたものだと感心してしまいました。当時の時代の度量の大きさを感じると共に「今だと果たしてこれを作れるのだろうか?」とちょっとだけ考えさせられました。
こういったものを作れなくなってきた・展示できなくなってきた背景としては、色々な人が自由に意見できる民主主義の成熟という見方もできるのかもしれませんが、異質なものを排除する力が働き過ぎているのではないかな、という気がしなくもないです。最近の特別な1事例を指しているわけでなく、ここ数年くらいの傾向に対しての個人的感想です。
芸術がその呪術性を失いつつある時代なのかもしれません。
太陽の塔、夜は目が光ってめっちゃ不気味