我が家の壁掛けの電波時計が壊れました
しばらく前から、何故か我が家の電波時計が4時間ずれて表示されるようになりました。
Why 電波時計 people!
「まあ、Amazonで買えば明日にはくるんじゃね?」と思っていたら、妻から
「最悪壊れても良いから直して、分解してもOK」とハートウォーミングなサゼッション。
電波ブロガーとして、「壊れても良い」「分解」は何よりもご馳走です。早速分解・修理にチャンレジしました!
電波時計分解レポ
今回分解するのは、マルマンさんのDRU863Nという型番の電波時計。既に生産中止っぽくて、Amazonでは在庫ありませんでした。
分解工程
裏返した図
裏返すと、標準のネジでネジ止めされていたので、プラスドライバでネジを外して行きます。
パッカーン
秒針、短針、長針を外さないと分解できなかったので、外して行きます。手の力ではダメだったので、ラジオペンチを使います。
結構力がいる
無残に外れた姿。
全てのネジと秒針、短針、長針を外し終えると、中からユニットが出てきました
こんなの
蓋が硬いのでマイナスドライバでこじあけます。
めちゃ硬い
機構の解析
分解している途中、面白いなと思ったのが、秒針、短針、長針の関係。短針と長針は連動していて、短針を1周回すと自動的に長針も1時間分すすみます。長針を1周回すと自動的に短針も1時間分すすみます(コメントで指摘いただき修正しました)。
こんな感じ。どうでもいいですが、私が着ているのパジャマです
つまり、ソフトウェア的には分だけ管理すれば、時間はついてきてくれるってわけですね。
一方、秒針は独立して動きました。全部連動して動いた方がソフト的には楽そうなのになと思ったのですが、恐らく物理的な制約(モータのトルクとか)があり、分けているのでしょう。機構は詳しくないので、誰か詳しい人はそっと教えて下さい。
電子回路の解析
電子基板きたー!!
出たー
裏を見て見たら、部品もパターンも有りませんでした。
ということは、片面基板(片側にしか部品を実装しない基板)ですね。サイズダウンと、コストダウンをはかっているのでしょう。
電子部品は、1005サイズ(1.0×0.5mm)の部品は無くて、1608(1.6×0.8mm)や2012(2.0x1.25mm)サイズの部品が中心のようでした。
基本は、SMD(表面実装部品)ですが、THD(リード挿入実装部品)もあり、手ハンダっぽい箇所も散見されました。
主要なICは3つほどあるようですが、黒いカバーで保護されていたので中身はわかりませんでした。電波時計の仕組みと、基板の配置から、恐らく電波を受信してデコードするIC、時計の時間管理を行うマイコン、時計の針をモータ制御するドライバICの3つなのかなと思われます。左上の巻き巻きしているやつがアンテナなのでしょう。
ブロック図的には、以下のような感じかな?多分
下の方に並んでいるTP(テストポイント)は検査用でしょう。電圧や周波数をみて、この基板が正常品か不良品かを判定しているものと思われます。先ほど分解する前の状態(カバーがある状態)で。このTPが外に出ているのがポイントで、ちゃんとASSY(アッセンブリ)として組んだ後の最終工程で、テストができるように工夫されています。
半田付けも、特にまずそうな箇所は無かったのですが、このままそっ閉じするのも悔しいので、ちょっとでも怪しそうなところを一応ハンダし直しておきます。
半田付けは気持ちが大事
テスト
再度組み付けて早速テストしてみます。祈るように電池を入れると…
全然違うじゃねーか!!
悪化しとる。なんてことだ。
ここで説明書をネットで調べて読むと、最初電池を入れると12時の位置に針が移動して、それから電波を受信して正確な時刻に移動するとのこと。
あ、そういえば、針の位置適当に戻してしまった。最初に電池入れた時の針の位置を12時に強制的にずらせばよいのでは?と思い、祈るようにトライ
無理やり12時に初期化
時刻が合った!
元の位置に戻した図
「でも、これってひょっとして、12時の位置を調整すればよかっただけで、電子回路の半田付けとか全然関係無かったのでは?」
という考えが少し頭をよぎりましたが、結果オーライとします。半田付けは気持ちが大事!
まとめ
電波時計を分解・修理してみました。Amazonで買えば新しいのが1日で来たとは思うのですが、分解してみて色々分かって面白かったし、新しい時計買わずに済んだし、何より妻が喜んでくれたので良かったです。
そういえば、前の仕事で他社製の製品を分解、調査とかしたなということを少しだけ思い出しました。最近の家電はブラックボックス化しているとは言いますが、中のICとか結構ネットで情報出てくることも多いので、それなりに中の仕組みとか、設計者の工夫などが想像できたりして面白かったりします。もし家に壊れた家電製品があれば、一度は分解してみるのもよいのじゃないかなと思います(勧めはしません)。
ちなみに、時間を比較している腕時計は、愛用しているCITIZENの「ATTESA」です。「ATTESA」はもう10年以上使い続けていて、今のは2代目ですが良い時計と思います。Apple Watchを買わないのは、ひょっとしたらこの時計の存在があるからかもしれません。腕時計買うならお勧めです。
もしまたこの時計壊れたら、私は迷わず買います。Apple Watch。
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コメントいただいたアドバイス等(追記)
本記事に対して、色々コメントいただきました。補正のためというのが説得力あったので、採用(?)です。
基板の解析のところ、興味深かったです。秒針だけ独占しているのは仰る通りトルクか、ギア比の都合な感じがしますね / “壁掛けの電波時計が壊れたので電波系ブロガーとして分解・修理にチャレンジしたら奇跡が舞い降りた話 - karaag…” https://t.co/fckjAozNqV
— t_emcee@忙しさ★★★★★ (@t_emcee) 2017年10月17日
電波時計の秒針は針ずれを補正する機能が付いています。
— リ ウ (@rhizmer) 2017年10月18日
時計内部で計測してる時間と実際に表示してる時間のズレ。秒針のカシメが軸からずれた場合の補正用として独立してるのかも。 https://t.co/tKYx4xjako
アテッサにも同じように秒針の位置補正ついてるはずです。あれも多分専用のステッピングモーターで回してます。
— リ ウ (@rhizmer) 2017年10月18日
修理した電波時計のその後
結局半月くらいしたらまた時間合わなくなってしまいました…
この後、めちゃめちゃAmazonした…

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参考リンク
電波時計のしくみ | 電波時計 | カスタマーサービス | セイコーウオッチ
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変更履歴
- 2017/11/15 その後の顛末を追記しました
- 2017/10/20 誤記修正と追記を行いました