グラフ作りに悩む妻
ある日、グラフ作りで悩んでいる妻に相談されました。
なんでも、勤務先での売り上げに関する情報をグラフ化して欲しいというお願いをされたとのこと。聞き取り調査をしたところ、要望は主に以下2つのようでした。
- 男女別で集計してほしい
- 2007年を100%としてグラフ化して欲しい
「どんなグラフを作れば良いのかしら?」
もちろん夫として、悩める妻に救いの手を差し伸べました!
私と妻が作成したグラフ
それでは、私と妻が作成したグラフを順にみていきましょう。
私が作成したグラフ
とりあえず以下2つの例を提案してみました(数字は架空のお店、からあげネコネコファンタジー株式会社の売り上げです)。
Fig. 1
Fig. 2
「男女の割合を重点に知りたいならFig. 1、 売り上げの推移を重視しているなら Fig. 2かなぁ」
というのが私の意見。一番知りたいことが一目で分かるのが、良いグラフという考えで提案しました。
妻は「ふむふむ」とうなずいていました。
妻が作成したグラフ
次の日、妻が「これにした!」と言って作成したグラフを見せてくれました。
男女別と売り上げの推移の両方を詰め込んだ欲張りコースです。妻らしいです(笑)
まとめ
目的に応じたグラフの案を色々書いてみましたという話でした。
みなさんも仕事でもこういうことあるのではないでしょうか?個人的には、グラフに正解はないと思っています。同じデータでも目的に応じて変える必要がありますし、目的によっては、データの不足を指摘する、自分でデータを取り直す・集めにいくことまで必要じゃないかなと思ったりしています。
今、新型コロナウイルス関係で、多くのグラフを見ることがあると思います。そのグラフは、何を目的にしているのか?データの前提はどうなっているのか?自分の知りたいことがそのグラフで分かるのか?一度そういう目で見ると、グラフから得られる結論も変わってくるかもしれません。
一番良いのは、自分でグラフを作って見ることだと思います。作って見ると、データの見せ方の重要性・グラフ作りの大変さ。そして、実は得られているデータ自体の怪しさ・不足など色々なことに気づくのではないかなと思います。
新型コロナに関して、オープンデータを使って可視化する方法の記事Qiitaに書いていますので、興味ある方は試してみると良いかもしれません。
Pythonの知識は必要ですが、ブラウザさえあれば、とりあえずグラフを簡単に作成することができるようになっています。
ちなみに、看護師として有名なナイチンゲールですが、彼女の最も偉大な功績は、医療に統計の考え方を持ち込みグラフでの分かりやすい可視化をしたことにあるらしいです。医療に対するデータの重要性がよく分かるエピソードですね。
エピローグ
妻の作成したグラフですが、結局特にフィードバックがないままお店は新型コロナの影響で休業になってしまったようです。妻が後から
「そういえば、グラフ作成頼まれたのずいぶん前で長い間放置してたの!オホホホホ」
と言っていたので、本当の目的はグラフのわかりやすさよりスピードだったのかもしれませんし、依頼した本人の気まぐれだったのかもしれません。もしくは、ひょっとしたら休業の判断にグラフが活用されたのかも?真相は闇の中へ。
参考リンク
公衆衛生とデータ可視化に関する面白い記事
マンガでわかるHCI: 公衆衛生とデータ可視化の歴史|マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)|note