ロボットがコーヒーを淹れてくれる「変なカフェ」に行ってきた

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変なカフェ

 少し前にロボットがコーヒーを淹れてくれるカフェが渋谷にできたというニュースが話題になりました。

ロボットがコーヒーを入れる「変なカフェ」 渋谷にオープン - ITmedia NEWS

 私はロボットが好きなので「ロボット好きとしてすぐに行かねば!」と思い立ち、たまたま渋谷に出張の機会があったことにかこつけて早速訪問してきました。

 ちなみに「変なカフェ」を手がけているのは、ロボットが接客をすることで有名な「変なホテル」を全国展開しているHISさんです。写真も撮影OKだったので、いつものように写真をペタペタ貼っていきたいと思います。

「変なカフェ」の写真

「変なカフェ」の外観

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 変なカフェは地下のHISさんのオフィスにあります。地下に降りていくと…

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 変なカフェの看板

「変なカフェ」の店内

 お店の中です。

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 変なカフェあったー!

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 ロボットいたー!

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 券売機は普通です。対応も現金のみ

 ちなみにロボットのコーヒーを入れる姿を間近で見たい場合は「ドリップコーヒー」を頼む必要があるとのことです。もちろん、私は「ドリップコーヒー」を注文します。

ロボットがコーヒーを淹れるまで

 いよいよロボットがコーヒーを淹れてくれます。

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 コップをとって   f:id:karaage:20180207110258j:plain:w640
 所定の場所に置いて

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 QRコードをかざすと


 ロボットが動き出してコーヒーを入れてくれます!

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 コーヒーが抽出されている様子

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 出来上がり。コーヒーは普通に美味しかったです!

f:id:karaage:20180207110938j:plain:w640  ちゃんと洗ってくれます

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 ロボットの足元には、大きなパソコンが

隣のVRコーナー

 お店の隣には、VR体験コーナーが併設されていました。運営しているのは、「変なカフェ」同様HISさんです。

f:id:karaage:20180207113053j:plain:w640  6つのコンテンツが楽しめます。

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 VRコーナーの様子

 2つのコンテンツを1200円で体験できるコースがあったので、「変なカフェ」でコーヒー飲んだ後、少し体験してみました。これも楽しかったです!

変なカフェのロボットについて

 その日、たまたま「変なカフェ」を企画したという人がお店にいらっしゃったので、色々詳しくお話しを伺うことができました。以下箇条書きします。

  • ロボットはRethink Robotics社の「Sawyer」を使用(ちなみにRethink Robotics社の創設者は、あのルンバで有名なiRobot社の創設者であるロドニー・ブルックス氏です)
  • コーヒーの豆は拘って、小川珈琲(コーヒー)と同じ豆を使っている(確かにコーヒー美味しかった!)
  • ロボットは1時間に20杯のコーヒーを提供可能。1日100杯以上なら黒字にできるらしい
  • 従業員はメンテナンスする1人のみでOK
  • ロボット自身はほとんどセンサ無くて、基本的に決まった動作のみを繰り返す
  • ロボットの動きはダイレクトティーチング(作業者がロボットを直接手で持って動かすことでロボットに動きを教える方法)で教示
  • コーヒーを数杯分抽出できる機械は、西海岸のベンチャーから調達

 ロボットの価格ははっきりとした回答は聞けませんでしたが、このクラスだと500万〜1000万円程度じゃないかなと思います。2人分の人件費とロボットがコーヒーを淹れるという話題性の宣伝効果で、1,2年で元は取れそうですね。

 あと、ロボットに繋がっているPCは、特に使ってないそうです。Linuxが入っているらしいので、新型のaiboとかと同じでROS(Robot Operating System)で動かすこともできるのかもしれませんね。

将来の人間とロボットの関係について思うこと

 渋谷の「変なカフェ」でロボットが淹れてくれたコーヒーを味わってきました。ロボットって、最近の人工知能ブームの過熱もあって、何でも出来て人の仕事を奪っていくような印象を持っている人もいるかもしれませんが、囲碁で世界チャンプを破るほどのAIも、碁盤の枠から飛びした瞬間に幼稚園児以下のことしかできないアホアホマンになってしまうのが実態なのです。

 実際、去年までAmazonがロボットに人間の作業を代替させるコンペティション(Amazon Robotics Challenge)を行い、世界中の最先端の研究者が1台数百万円から数千万円するロボットを使ってAmazonの倉庫で行われる人の作業(ピックング)にチャレンジしたのですが、いずれのロボットも人の作業スピードに遥かに及びませんでした。それが最先端のロボットの実態なのです。ハードウェアとして見ると、1時間1000円とかで働いてくれる人間って実はめちゃくちゃ格安なのです。

 ましてや、普通のお店で買える様なロボットをなんとか使おうとするなら、アホでも動ける様に人間がお膳立てしてあげて、何かあったら助けてあげるようにしないとまともに使えないのです。そういう意味で、「変なホテル」「変なカフェ」を始めとして様々なロボットをビジネスで実際に運用しているHISさんは、ビジネスの設計も含めてめちゃくちゃロボットの使い方うまいなと思いました。

 近い将来に、もしロボットがもっと人の生活に入り込んできたら、仕事を奪われる人より「しかたないなー」と思いながらアホなロボットに付き合わされるお客さんや、アホなロボットのお世話する人の方が増えてくるんじゃないかなと個人的には思っています。でも、劇的に少子高齢化が進む日本で、ロボットをそれだけ活用できる未来は、どちらかというとかなり理想的な未来のはずです。もしそれすらできないなら、もっと悲惨な未来が私たちを待ってことでしょう。

 なので、私自身は1人のロボット好きとして、少しでもロボットが私たちの生活に入って来てくれることを切に願っています。 

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