芸術的過ぎるタイムスタックフォトの撮影方法が分かったので解説します

timestackphoto

タイムスタックフォト

http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51824010.html
 以前ネットで芸術過ぎると話題になったタイムスタックフォト。どうやって撮るのかなと思い、色々検索していたら海外サイトで撮影方法記載した記事を発見しました。

The Art Of Time-Lapse Photography - Digital Photo Magazine
 どうも読む限り、微速度撮影(コマ撮り)した写真をコンポジット合成して加工しただけのようです。微速度撮影は前にやったことあるので、これなら自分にも出来そうだなと思いやってみようと思ったのがきっかけです。

完成した自作タイムスタックフォト

 社会人なので結論から言います。社会人はいやですね、子どもに還りたいです。バブーバブー。一応それっぽいものをつくることができました。

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 どうでしょうか、最初のリンク先の写真に比べるとインパクトは劣りますが、そこそこ良い感じではないかなと勝手に自負しています。

撮影方法

 大きく分けて以下の2つのプロセスで完成します。

  1. 微速度撮影
  2. コンポジット合成
  3. 加工

 1つずつ解説していきます。

微速度撮影

 微速度撮影(コマ撮り撮影)は、昔やっているので以下参照下さい。三脚とカメラとインターバルシャッタがあれば誰にでもできます。最近はインターバルシャッタ機能を搭載したカメラも増えているので、その場合はカメラと三脚だけでOKですね。
 私の場合は、インターバルシャッター機能無いデジカメで、お金も無かったのでArduinoというマイコンを使って一眼レフ用のインターバルシャッタを自作しました。

大人の科学の付録8bitマイコン「Japanino」とデジタル一眼レフを使って微速度撮影に挑戦してみよう(後編) - karaage. [からあげ]
「Japanino」とデジタル一眼レフで微速度撮影 その3 - karaage. [からあげ]

 このときは、4時間半くらいかけて2600枚程度の写真を撮っています。動画にすると以下のような感じです。タイムスタックフォトはこの動画を1枚の静止画に納めた写真という理解が一番近いかなと思います。


コンポジット合成

 よく天体写真で使われるテクニックです、複数の写真を、画素毎に比較し一番明るい部分のみを合成する撮影手法です。よく、理科の教科書で月の軌跡を描いた写真がありますが、あれはコンポジット合成を使って作成しています。あんな感じに明るい部分のみが重なって行くイメージを持ってもらえばよいかと思います。
 海外のサイトを見ると、結構Photoshopで頑張って加工しながら合成しているチュートリアルが見つかったのですがそんな面倒くさいことしたくないし、そもそもPhotoshopなんて高価なものは持っていません。そんなわけで、最初はこの前作った多重露光のソフトベースに自分でソフト組もうかなと思っていたのですが、よく考えたらコンポジット合成できるフリーのソフトって結構あるんじゃないかなと検索したらありました。

StarStaX - www.starstax.net

 というわけで、今回はありもののソフトを使ってみます。リンク先でダウンロードして起動してドラッグ&ドロップ&ロックンロールだけの簡単操作です。Win用もMac用もありますし、使いやすい良いソフトだと思います。マル。サイトもソフトも英語だけど、勘で操作できると思います、私もほとんど意味はわかってません。

 2600枚の写真を合成すると以下のような写真になります。

140111_TimeStackPhoto

加工

 ちょっとまだイマイチな感じなので、ちょっと加工してやります。自分はApertureというRAW現像ソフトを使いましたが、他の加工ソフトでも良いと思います(Lightroom、Photoshop等)。露出と彩度を上げて、少しコントラストとトーンカーブを弄ったくらいです。結構色が残っていて、少し加工すると鮮やかな色が浮かび上がり、最初の完成写真のようになりましたとさ、めでたしめでたし。

所感

 意外にそれっぽくできてしまいました。一枚ずつRAW現像してから合成するとか、微速度撮影するときのインターバルの時間を変えてやる等するともっと良い写真もできるのかなと思います。微速度撮影が趣味の方(数千人に1人くらいだと思いますが)は、ついでにタイムスタックフォト作ってみるのもよいかもしれませんね。微速度撮影は結構大変なので、私自身は今後やる予定は今のところないですが。
 やっぱりこういうの見て一番凄いなと思うのは、最初にこの手法を思いつく発想力ですね。こうしてやってみると、なんで思いつかなかったんだろうというくらい単純な組み合わせなんですけどね。
 撮影テクニックや加工テクニックだけだと、既に色々やりつくされている感はありますが、それらの組み合わせで考えればまだまだ新しい撮影方法は出てきそうですね。私もいつか自分独自の撮影テクニックを生み出してやりたいなと思いました。まる!