3Dデータの設計から自家製3Dプリント成功までの悪戦苦闘の軌跡

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自作した3Dデータをプリントしたい

 去年入手した3Dプリンタ(Bonsai Lab BS01)を使って、いよいよ自作3Dデータの自家製プリントにチャレンジしました。

 結構苦労したのでやったことなどメモとして残しておきます。ちなみに、過去外注(DMM.makeさん)やFABスペース(Cre8 Base Kanayamaさん)では自作データを3Dプリントしたことあるのですが、自宅でのプリントは今回が初めてです。

3D CADで設計

 Fusion 360という3D CADを使います。セットアップ方法や使い方などは以下参照下さい。

 いきなりCADいじってもよいのですが、すぐ分からなくなってしまったので、一回ノートに手書きで図面を書いてからにしました。

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 秘密の図面

 ちなみにメカは専門じゃないので、図面の書き方デタラメなのはご容赦下さい…

 あとは、ちょいちょいと3D CAD設計します。といっても結構大変でしたが(簡単な図形なのに…)。

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 最後にSTLで書き出ししてやりましょう。以下を参照しました(最初STL書き出しできないかと思いあせりました)。

3Dプリントの失敗の数々

 STLデータが出力できたらあとは3Dプリントするだけ!と思いきや、失敗の山!!

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 壁が完全にずれてる

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 サポート材を剥がせない

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 バラバラ

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 失敗作の山

 難しいですね。失敗を繰り返すうちに気づいた問題点は大きく以下の4つでした。

  • フィーダがうまくフィラメントを送り出せない
  • ABSが反っている
  • サポート材が剥がせない
  • 設計が間違っている(左右が逆・穴のサイズが少し小さい)

 それぞれ対策を実施していくことにしました。

フィーダがうまくフィラメントを送り出せない

 主に以下3つの対策をしました。

  • フィラメントのリールの回る抵抗を下げる
  • フィラメントのカス掃除
  • ノズルの温度調整
  • フィラメントの交換
フィラメントのリールの回る抵抗を下げる

 途中で止まっているときがあったので、ひょっとしたらリールの抵抗が大きいのかなと思って調べると、以下のようにホルダを作って改善している例がありました。

 なるほど!ホルダも3Dプリンタで作ればよいのね。「でもそのホルダを出力することがそもそもできないのですけど!」という卵が先か鶏が先か見たいなことになってしまいました。何か身近で代用できないものは無いか、うーんうーんとトイレで唸っていたら…

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 あった!

 トイレットペーパーの芯で事なきを得ました。  

フィラメントのカス掃除

 フィーダにフィラメントのカスが詰まりやすいので、公式で推奨されている、GUMの歯間ブラシでカスを取り除いてやります。

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ノズルの温度調整

 ノズルの温度も220度とABSにしてはちょっと低めだったので、230度に変更しました。

 最初、2層目になってから良く失敗するからなんでだろと思っていたら、1層目と2層目で設定温度が違うというオチが一度ありました。気をつけましょう(あんまり細かく設定ができるのも考えものですね…)。

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 温度設定大事

フィラメントの交換

 止まった時、フィラメントが折れているときがあったのでフィラメントの劣化を疑っています。そもそも、今使っているフィラメントが貰い物でいつのものかも分からないという状態です。調べたら年数経つと加水分解してしまうこともあるようですね。ちょっと曲げたらポキポキ折れるので、これは確かにまずそうです。

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 というわけで新しいフィラメントを購入してみることにしました。ついでに材質も温度管理が難しいABSからPLAに変えることにしました。これはABSの匂いと少し健康被害も気にしてです(ABSはあんまり身体に良くないという話もあるようです)。買ったのは安くて入手性の良い以下のフィラメントです。

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 きた

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 早速装着

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 テストするも、全然定着しない

 PLA、1層目への定着がめちゃくちゃ悪いですね…ABSより悪いとは思っていなかったです。素人でしたね。

 調べてみると、ヘアスプレーを使うとか、糊使うとか色々テクニックがあったのですが、一番手軽そうなシートを使うことにしてみました。以下の3Mのシートが評判よかったので発注しました。

 これに関してはまだ試せていないので、入手して試したら追記しようと思います。

ABSが反っている

 調べたら原因がいくつかあるようですが、怪しいのは以下かなと感じました。

  • ベッドの水平の調整(キャリブレーション)が甘い
  • ベッドのプリヒーティング(余熱)をしていない
  • 部屋の温度が低い
  • Brim(ブリム)が無い

 色々試してみたのですが、結局有効だったのは、上2つのベッドのキャリブレションとプリーヒーティングが一番効果あったようでした。下2つは、私の環境では目立った効果はありませんでした。

 プリヒーティングというのは、ベッドの温度が上がってから暫く(10分程度)待つというだけのことです。

サポート材が剥がせない

 サポート材をMeshMixerというソフトで作る方法がいくつかのサイトで紹介されていました。ただ、そもそも今回の形状ならサポート材を使わなくてもプリントできそうなので、下面のサポート材を無くすことにしました。

 具体的にはラフト(Raft)という設定を0にするだけです。

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 これだけ

設計が間違っている(左右が逆)

 これは、アホですね…まあこういう間違いがすぐ分かるのが3Dプリンタの良いところです(と前向きに捉える)。

試行錯誤の結果

 ついに1パーツが無事3Dプリントできました!

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 できた!

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 ついに完成

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 ひっくり返したところ

 本当は、終わる直前でノズルが詰まってしまったので、側面の壁の高さ設計より多少低いのですがほぼ成功ということで…

まとめ

 自作した3Dデータをの設計から3Dプリント成功まで軌跡をまとめました。単にケースをプリントするだけなのにかなり大変でした。会社で使っている3Dプリンタ(UP Plus2)だとほぼ失敗しないので、やっぱり高いやつ(20万近く)は高いだけの理由があるのだなと感じました(BS01が若干古いというのもありますが)。

 ただ、試行錯誤してBS01のクセも分かってきたので、もうちょっと試行錯誤してみようかなと思います。こうやって試行錯誤しながら、現象を見て一つ一つ対策していくというのもそれはそれで楽しい部分もあるのですが、そもそも本当にやりたいことでは無いのであんまりにも歩留まり上がらないようだったら高級3Dプリンタへの買い替え考えようかなと思います。UP Plus2買えば間違いないのは分かっているのですが、お、お金…

 ちなみに、今回プリントしたものが何かは内緒です。また見せれる段階になったら、このブログで紹介するかもしれません。多分今の段階だと、天才か超能力者にしか分からないと思います。もし分かった人はコメント下さい。当たっても何もプレゼントはありませんが(笑)

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