Mac Book ProのWiFiが繋がらない問題で考えるノイズの話

MacのWiFiが繋がらないトラブルの原因はノイズでした

 一ヶ月くらい前に以下のようなツイートをしたら、結構拡散されました。

 同じ問題を経験した方や、まさに同じ問題で悩んでいるという人も多かったようで、何人か「悩んでいたのが解決しました!」とお礼のリプライをいただいたりしました。

 この問題、結構有名な問題みたいで、インテルからホワイトペーパーも出ていると教えていただきました。 

 興味ある方は読んでいただければよいのですが、基本的には開発者向けで、普通のユーザーができることはほとんどないなという印象ですね。

 一般ユーザー向けには、ツクモさんが分かりやすい記事を書いています。

 といっても、気休めレベルの対策ですね…

 自分も昔、電子系のハードウェア設計をしていたので、ノイズには何度も悩まされました。「プロなのにUSB3.0とWiFiの問題も知らないのかよ!」ってツッコミはご容赦下さい。ハード設計していたのはずっと昔で現役ではないのと、自分が設計したことある製品にUSB3.0なんて高尚なものは載っていなかったので…

 そんなショボショボの元ハードウェアエンジニアですが、折角なのでノイズに関して問題にならない程度(自分が業務時間外で勉強して得た、一般的な内容の知識)の話を少し書いてみようかなと思います。

製品のノイズ(EMC)の話

 いわゆる、一般的に販売される製品のノイズ問題はEMC(Electro-Magnetic Compatibility)と呼ばれます。日本語にすると電磁両立性で、これまた名前からは想像がしづらいですが、要は製品から出てくるノイズは抑えて、入ってくるノイズに対してはちゃんと耐えてね(リセットしないとか、画面が乱れないでね)ということです。

 EMCは、一般に販売する製品の場合は、その発売される国の法律だったり、製品独自の規格だったりといった守るべき目標があるのが常で、メーカーはその目標を達成するように設計します。そう、設計するのですが、これがなかなか難しいです。ハードウェア設計の中では、一番難しいといっても過言ではないかもしれません(個人の感想です)。

 難しい理由はいくつかありますが、主に以下でしょうか。

  • ノイズの測定が難しい(専用の設備、ノウハウが必要)
  • とりあえず動くものを作ることが優先されてノイズ対策は後回しにされがち
  • 設計にノウハウが必要

 ハードウェアって、実は動くものをつくるのはプロにとっては当たり前で、こういったEMCに配慮した製品を、キチンと仕上げられるのが技術力の高さを意味していたりします。なので、この辺りのノウハウは基本的には、メーカーのトップシークレットで外には出てこない情報ですね。教科書では、理想化されて無視されてしまうようなところでもありますし。私も、当然具体的な内容は書けません。まぁ、そもそもほとんど忘れてしまいましたが(笑)

 そして、プロは動くものを作るのが当たり前とドヤ顔で言いつつ、発売される製品を開けてみると、ジャンパ線が飛び交っていたりすることがあるのが世の常だったりします(うっ、頭が…)

だんだんノイズ設計が難しくなってくる

 そんな設計が難しいノイズですが、世の中のトレンドは、一昔前はkHzのオーダーだったものが、MHz、GHzとどんどん高速化に向かっています。私が経験したのは、基本的にkHz〜MHz(ごくまれにGHz帯)だったので、今のGHzが当たり前の世界は、設計難しいだろうなーと思います。ユーザーの使い勝手や製品デザインとトレードオフになるケースも結構ありますからね。

 特に周辺機器を含めた時のノイズは、各メーカーでOKでも、組み合わせたらダメになるってことは普通にあるので、今のMac Bookのように周辺機器にUSB3.0の変換が必要になるような製品は、特にこういう問題が起きやすいのかなと思います。

 今後インターフェースが、USB-Cに統一されていくと多少は問題も減るのかもしれませんが、結局はイタチごっこになるのかもしれませんね。そもそもUSB-C自体複雑怪奇ですし…

 そして、このあたりの技術は一昔前は日本が優れているという印象でした(昔、中国製品を分解分析したことありますが、メタメタでした)。しかし、今はどうなのでしょうね。結局トライアンドエラーがものをいう世界なので、今の中国の恐ろしい勢いの開発スピードだと、このあたりの技術の進歩も速そうだなと感じています。

まとめ

 ノイズの話をハードウェアエンジニアとしての経験をもとにツラツラと書いてみました。あまり具体例がなく、退屈な内容になってしまいましたね。もうちょっと具体例を出すと面白いのですが、書けない事情はお察し下さい。ここらへんの話は、世に出ないドラマが数多くあるのだろうなーと想像します。世の中の製品を見ながら、そんなドラマを妄想できるのは、ハードウェアエンジニアならではの性癖(?)かもしれませんね。

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