アンパンマンで知る「生きるよころびと続ける勇気」

やなせたかし先生は凄い人

 コテンラジオのやなせたかし回をきっかけに、やなせたかし先生とアンパンマン凄いなと思うようになりました。

 やなせたかし先生の本も購入してしまいました。

 コテンラジオを聞いてから読むと、理解が深まります。

やなせたかし先生の歴史

 長い間ずっと爆発的ヒットないまま売れなかったやなせたかし先生。なんとアンパンマンが大ヒットしたのはご本人が69歳。遅咲きも遅咲きですね。でも、ヒットにそれまでの戦争経験、多くの仕事の経験を経ていて、その経験の多くが活かされているのが「人生」って感じでよいですね。

 アンパンマンに、戦争で特攻隊として亡くなった弟さんを重ねていたり、ライバルキャラのドキンちゃんを奔放だった母親や、自分の奥様に似せていたり。

 仕事の経験も、なんとあの手塚治虫先生と仕事していたり「手のひらを太陽に」の歌詞というスマッシュヒットを放っていたり、詩集を作っていたりと、本人はかなり謙遜していますが、普通のレベルの人にはできないことばかりです。

やなせたかし先生の言葉たち

 以下は、やなせ先生の著書に出てくる本人の言葉です。何気ない言葉ながら本質を突いていますし、本人の人生を知るとより深みが増す気がします。私の心の琴線に触れたものをいくつか引用します。解説はなしです。引用ばっかりですみませんが、これでも良かったものから厳選したごく一部です。他にも多くの言葉がありますし、人によって、また読む時期によっても共感するところは様々だと思います。

何のために生まれてきたの?(やなせ たかし)より引用

自分がまったく傷つかないままで、 正義を行うことは難しい。

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僕は物語をつくる時も、歌をつくる時も、子ども向け、大人向けとかを区別したことはなくて。子どもも大人も、 一緒 に感動しなくちゃいけないと思っているから。だから歌詞が子ども向けにしては難しいと 指摘 されるのかもしれません。

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「運」は、自分でつかまなくちゃいけない。 このつかむということは、例えば 漫画 を描いているとすれば、仕事がこなくても、絶えず描いていなくちゃいけないんです。そうしないと、運は巡ってきません。やめてしまえば、そこで終わり。必ず続けていなくちゃいけない。

すると、何かしら運というのはやってくるんです。その時に、パッとつかむんです。ただ、つかむためには、自分がやり続けていないといけない。

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楽してお金をたくさん 儲けようとばかり考えるんじゃなくて、自分のやっていることが世間にどういう 影響 を 与えるか、ということを考えれば、やるべきことは 自ずと決まっていくと思う。そういう人間が少しずつでも増えていけば、いまの世の中を変えていくことは不可能ではないと思います。

やなせたかし 明日をひらく言葉 PHP文庫より引用

「なんのために生まれて なにをして生きるのか」というのは、ぼくの作詞した「アンパンマンのマーチ」の一節だが、実はこの言葉は自分自身への問いかけであった。

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売り出したい、流行児になりたい、異性にももてたいと思ったが、まるでダメだった。 「なんのために自分は生きているのか」と考えるのだが、よくわからない。C級の漫画家として、わけのわからない人生が終わるのだと思うと情けなかった。

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ぼくの歌の中で代表作のように言われている「てのひらを太陽に」の一節は、「生きているからかなしいんだ」である。よく「なぜ悲しいんですか」と聞かれる。悲しみがなければよろこびはない。不幸にならなければ幸福はわからない。空腹のときに食べるラーメンがどんなにおいしくて、幸福なのかは実感できない。ぼくらはこのさびしげな人生の中で悲喜こもごもに生きるのだ。そして一番うれしいのはひとをよろこばせることだ。

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だから、好きなことを見つけて、それを一生、やっていってほしい。  見つからないなんて言っていないで、とにかく必死で探すのだ。絶対に何かひとつはあるはずだ。

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花形はひとにぎりで、後はその他大勢、 名もない、売れないへのへのもへじ。 それを自覚するときのさびしさと屈辱は耐えがたいが、 口惜しければ 自分がスターになるより仕方がない。

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「良質な作品では読者がつかない」と言う人がいるが、間違いだ。読者がつかない原因は、ただおもしろくないからである。  良質であることと同時に、「売れるだろうか」ということを常に気にかけてきた。売れないのは、子どもにおもしろいと思ってもらえなかったことであり、作家として非良心的であると、深く反省すべきなのだ。 こうして、自分にうそをつかない仕事を続けてきたら、少しずつ収入も増えてきたのだから、世の中は意外に公平にできている。

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逆転しない正義とは 献身と愛だ。 それも決して大げさなことではなく、 眼の前で餓死しそうな人がいるとすれば、 その人に一片のパンを与えること。

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正義の味方は カッコよくない 傷つくことを 覚悟する

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アンパンマンには弟の面影があり、ドキンちゃんには母親の面影、そして性質は妻に似ている。アンパンマンはどこか自分史と重なるところがあるからかもしれない

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若いころは自信過剰になりがちで、ひた走りに走ることが多い。だが、できるだけ自分の力を正しく見つめて、実力に合わせた走り方で走るようにしよう。 才能がうすいならうすいなりに、ゆっくり、その代わり、息長く走り続けるという方法を選べばいい。  スポーツには短距離レースも長距離レースもある。だけど、人生はひたすらに長距離レースなんだ。

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楽しく生きていると、なぜか、お金のほうは困らないくらいには入ってくる。だから、お金にならないことも平気でやれる。そしてまたまた楽しくなる。  いつの間にやら時間は流れ、過ぎ去ったことは夢か幻か。だが、生きてきた足跡はしっかり心に刻まれている。

まとめ

 やなせたかし先生のコテンラジオでの配信、書籍と書籍でのやなせたかし先生の言葉を紹介しました。自分は、正直そこまでアンパンマンに多く触れていなかったので、アンパンマン自体に特別な思い入れはなかったのですが、コテンラジオをきっかけに、やなせ先生とアンパンマンに興味が湧いてしまいました。最新のアンパンマン映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』も、ばいきんまんが活躍すると話題ですし、来年の朝ドラもみてみたいですね。

 自分は、やなせたかし先生と比べるのはおこがましいですが、つくる側の人間として、色々なものに手を出しているけど大成していないという点ですごい共感しました。「やめてしまえば、そこで終わり。必ず続けていなくちゃいけない。」というやなせ先生の金言を大事にしたいと思います。

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 以下の記事にもやなせ先生追加したいですね。そして、遅咲きの人に共通するのは、やはり若いときの経験が実を結んでいるということですね。