Makers(メイカーズ)注目の大企業(メーカー)の放課後活動

ハードウェアスタートアップはベンチャだけじゃない

 以前下記のような記事を書きました。

 勢いのあるベンチャー企業を中心に紹介したのですが、最後に

最近大企業でも少し面白い動きをしている事例があったりします。次はその事例を紹介してみたいと思います。

 みたいなことを書きました。書いたっきり既に半年が経過しようとしていて、このまま無かったことにしても誰も気づかないかとも思ったのですが、一度言った以上多少の責任感を感じているので、書いてみようかと思います。私の場合、似たようなケースであまり責任を感じずに放置することもよくあるので、今回はかなり運がよいレアケースです。ラッキーでしたね(宛先不明のメッセージ)

大企業での放課後活動

 個人的に注目している、大企業でやっている大企業らしからぬ、尖った製品だったり、自社以外を巻き込んだオープンな活動(最近はオープンイノベーションとか呼ばれたりしますね)。あんまり儲かりそうもないけど面白そうな活動等を紹介しています。こういう活動を個人的に放課後活動と呼んでいます。サービス残業ではないところが重要。

東芝 FlashAir Developers

 いわゆるWiFi対応のSDカードなのですが、面白いのがその広げ方で、Maker Faire Tokyo 2014で同人誌を配っていたりしています。

 以下の歴史とかを読むと面白いです。

 製品として面白いのはSDカードの端子をGPIOとしても使えること。うまいこと考えたら面白いことできそうだなと思っています。価格も安めなので何か面白い使い道を思いついたら買おうかなと思っていますが、一向に思いつかないまま時間のみが過ぎ去ってしまっています。

ソニー SAP Creative Lounge

 ソニーさんの新しいMakers的活動。こういうの素晴らしいなと思います。MESHというデバイスもここから生まれてきたらしいです。

MESH Bundle 4

MESH Bundle 4


 つい最近MESHとOlympus Airのコラボが話題になりました。
オリンパスとソニー、共同コラボの衝撃 - デジカメ Watch Watch

 オリンパスさんも、少しやり方は異なりますが似たようなオープンな活動をしていたので、このようなコラボが生まれたようですね。

 下記記事でも、SAP Creative Loungeの様子が紹介されています。こういうところ自分の会社にも欲しいな

リコー つくる〜む新横


深センではSeeedStudioやHAXLR8Rなど気鋭のスタートアップやアクセラレーターを見学。そこではエンジニアだけでなくマーケティングや企画職の人も試作品開発にいそしむ姿があった。

「大量の試作品を手にしながら『これは試作したけど駄目だったからやめた』みたいなことを言っていて、とにかく早く試作して駄目だったら別の試作をやるみたいな感じですごく面白かった。
上司も『リコーも昔はこうやってたけど、何で今はしないんだろう』と言ってくれて、私がやりたいことを理解してもらえました」

 これもソニーと似たような活動ですね。こういう例が増えていくと色々面白いものが生まれてきそうですよね。

ローランド R-MONO Lab

 ここは、部活という名目で、定時後に社員が、会社の資産を一部使い自主的に活動しているようです。いわゆるブラック企業の、強制的な自主的教育ではなくて、本当に楽しんでモノ作りしている様子がネット越しでも伝わってくるよい活動です。
 代表的な製品は、リコーダー・パイプオルガンで回路図・ソフト共に公開されていて、誰でも(能力があれば)真似して作ることができます。これらの製品を展示した様々なイベントにも出展しているようです。

 社員によっては、何より楽しいし教育にもなりますね。会社にとっても、社員の教育や、社員同士の交流、新しい商品開発のヒントになるとまさに理想的な企業と社員のWin-Win活動といえるんじゃないかと思います。こういう風土の会社が増えると面白そうですね。

OLYMPUS Open Platform Camera

 OLYMPUSのAir 01というレンズ型のカメラ。ユーザにソフトウェアのAPIや筐体の3Dデータをオープンにしているのが特徴で、ユーザが好きに使い道を考えたり、カスタマイズしたりできます。

 MITメディアラボ、ロフトワークさんとコラボしているようです。

 ソニーさんとは、ロフトワークスさん経由して繋がっているようですね。ソニーさんも似たようなレンズスタイルカメラ出しているのにいいのか?という気はしますが、自社に拘るということが、もう時代遅れの発想になりつつあるのかもしれませんね。

まとめ

 最近色々なところで聞くのが、これからのモノ作りは、理詰めで100億とか稼ぐのは難しくてリスクが大き過ぎるので、トライアンドエラーを早いサイクルで検証できるモノ作りの仕組みが重要という話です。そのために、ハードウェアもどんどんオープンにして、プロトタイプを素早く作るのが一つの新しい大きな流れになりつつあるのかなと思います。大企業だとなかなか難しそうな活動ですが、そのような殻を破る一つのきっかけになるのが、今回紹介したような活動なのじゃないかなと勝手に思っていたりします。

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