Maker Faire Tokyo2018レポート(AI・ディープラーニング・機械学習編)

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MFT2018レポート(AI・ディープラーニング・機械学習編)

 MFT2018のレポート。ディープラーニングや機械学習関係のものも多かったので、いくつか気になったものを紹介します。

Raspberry Piでのディープラーニング

 Raspberry Piでディープラーニングしている展示が結構ありました。凄いなと思ったのがIdein Incさん。Raspberry PiのGPUを使って、リアルタイムで骨格検出(ボーン検出)していました。

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 ラズパイでリアルタイムで動いてる

 このボーン検出、私も以前にボーン検出を利用した楽器アプリを作ったりしてました(詳細は以下記事参照ください)

 上記のアプリは、単純にiMacのCPUで動かしているのですが、実はRaspberry Piでも試していました。ただ、そのままCPUで動かしたら動くには動いたのですが、あまりに重くて使い物にならなかったのですよね。それをここまでサクサク動かすとは衝撃でした。

 Idein Incさんは、前からたまにネットでみかけてめちゃ技術力高い会社だなと思っていたので、今後の動きが気になりますね。ブログがTumblrというのもらしくて良いですw ちなみに、ブログだと以下の記事が面白かったです。

Idein Ideas — FRISKをスマートにする

 他、同様にRaspberry Piでディープラーニングを使って、ロボットを動かしている例がありました。笑顔だと尻尾振って近づいてくるという可愛いやつです。

 こちらは、Idein Incさんと違い、ラズパイのGPUは使わず画像サイズや使用するネットワークを工夫して、リアルタイムでRaspberry Piでディープラーニングによる認識をしているとのことでした。ロボットの可愛い動きを含めた見せ方が上手だなと思いました。高い技術力をみせつける展示も、もちろん凄いですが、こうやってハードウェアもソフトウェアも汎用品をうまく工夫して組み合わせて面白いことをやるのも良いですよね。私もどちらかというこちらの方向ですね(GPUを使うプログラミングとかそもそもできないのもあるけど)。

 そして、このロボット作った方のはてなブログの読者だったことにたまたま気づきました。世間は狭いですね(笑)

 あとは、GoogleさんのVision Kitも多く見かけました。Raspberry Pi ZeroとIntel Movidius相当の基板でディープラーニングを動かせるキットです。こちらに関しては、実は既に手元にあったりします。

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 Vision Kitに関しては、また別途紹介予定です。非常に面白いキットでオススメです。KSYさんで購入できます(Amazonのは現状ぼったくり価格なので、やめておいた方がよいです。ここからはリンクも貼りません)。

第2弾 Google AIY 製品販売のお知らせ - Raspberry Pi Shop by KSY

 Raspberry Piでのディープラーニングに関しては、環境構築など記事書いているので、すぐにでも試したい人は以下参考にしてみて下さい。

ダーツ自由形評価システム

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 ダーツを投げる時のグローブの圧力や骨格検出(ボーン検出)情報を使って、評価をしてくれるシステムです。

 ダーツというスポーツにデータサイエンスを取り入れるという着眼点のユニークのみならず、センサデータの可視化にROS(Robot Operating System)を使っていたり、得られたセンサデータの評価関数の設計にディープラーニングを使っていたりと、さりげなく技術的にレベル高いなと感じました。ボーン検出に関しては、ディープラーニングでなくて3Dカメラ(Xtion)を使った方式です。私もこの方式でのボーン検出は以前に試したことがあります。詳細は以下記事参照下さい。

 そして、システム名で検索したら、開発者の方のはてなブログ発見しました!当日までの試行錯誤(なんと前日までまともに動いてなかったらしいです)が詳しく書いてあり、技術的にもストリー的にも面白かったです。

きゅうりのディープラーニング

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 もはや有名人となった小池さんのディープラーニングによるきゅうりの判別。なんと、静岡大学と共同研究を始めたらしく、学生さんがお手伝いとしてブースにいらっしゃいました。トマトのしおれ具合だったり、キュウリの物体検出をやっているようです。物体検出はYoloベースとのこと。物体検出に関して興味ある方は、以下記事も参照してみて下さい。

 小池さんの取り組みの技術的な内容は、私が知る限り以下の本が一番まとまって詳しく書かれています。ディープラーニングを農業に活用するにあたり、どういうところに着目して、どういうデータをどうやって集めるかという教科書にはなかなか載らないけどビジネスとして重要な要素が書かれているので、なかなか貴重な内容かと思います。

深層学習による物体検出を使ったMIDIコントローラー

 電脳カウボーイのシン石丸さんによる、ディープラーニングを使って音楽のエフェクトを動的に変化させる展示。物体検出は、Yoloを改造して使っているそうです。Yolo大人気ですね。展示内容の詳細説明は、シン石丸さんのブログ(はてなブログです)を参照下さい。

 私もボーン検出利用して、音楽を生成しているので勝手ながら結構近いものを感じてしまいました。

 実際にやっていて、ディープラーニングは音楽やゲーム等のエンタメに使うのが相性良いのかなと思ったりします。ディープラーニングのブラックボックス的要素が、エンタメとしては逆に面白かったりしますし。そして、初めてシン石丸さんにお会いできて光栄でした!

まとめ

 MFT2018のAI(ディープラーニング・機械学習)関係の展示で気になったものをまとめてみました。年を追うごとにAI関連の展示が増えているなという印象を受けました。この分野は、技術はもちろん重要なのですが、その技術をどういうアプリケーションに適用するのかという着眼点と、そのためにどういうデータを集めて、どういう結果を出すかというビジネス含めた設計がより重要だなと感じました。

 AIに関しては、私のブログでも色々情報を公開していますし、noteで初心者向けに実際に手を動かしながら学べるチュートリアルを販売していたりするので、もし興味がある方は見ていただけましたら幸いです。

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