「トリフィド時代」についてふと思い出した
何がキッカケか忘れてしまったのですが、ちょっと前に子供の頃に読んだ「トリフィド時代」というSF小説のことをふと思い出しました。
トリフィド時代 (食人植物の恐怖)【新訳版】 (創元SF文庫)
- 作者:ジョン・ウィンダム
- 発売日: 2018/07/30
- メディア: 文庫
正確に言うと、本のタイトルや正確なストーリーは思い出せなくて、思い出したのは以下のような物語の設定だけでした。
- ある日正体不明の彗星が落ちてきたとき、その彗星を見た人類の大半が、次の日何故か失明してしまう
- 管理されていた歩行する食用植物が人を襲い出す
- 謎の疫病が流行ったりして更に大変
Googleに、これらのキーワードを入れたら、ずばり「トリフィド時代」というタイトルが出てきました。トリフィドというのは、人を襲う食用植物の名前のようです(すっかり忘れてました)。なんと1951年の作品らしいですね。当時は、そんな古い作品とは全く知らずに読んでいました。
このトリフィド時代では、たまたま彗星を見なかった少数の人に加えて、元々目が見えなかった人が活躍します。ある日突然世界が変わってしまったり、その日以降、必要とされる能力が変わったり、今まで力を発揮できてなかった人が発揮する点が、今の新型コロナ以降の世界に共通するところがあったので思い出したのかもしれません。
全然知らなかったのですが、トリフィド時代、実はゾンビ映画を生み出したジョージ・A・ロメロ監督に大きく影響を与えた、ゾンビ映画の元祖とでもいうべき作品のようです。よく考えると、ゾンビって新型コロナをはじめとしたウイルス性の感染症のメタファーとしても考えられますね(バイオハザートかはもろにそんな描かれ方ですね)。
「トリフィド時代」と「今の時代」を比べて思うこと
昔読んだ「トリフィド時代」というSF小説をふと思い出したという話でした。
今は、数々のゾンビ・アポカリプス(ゾンビが突然現れて、増殖し続けて地球が滅亡しかける)を描いた作品が流行っています。多くの作品で、ゾンビを恐れて人がパニックになり人同士が傷つけ合う姿が描かれているという認識です(怖がりなので、あんまりたくさんの作品は知らないです)。一番怖いのは実はゾンビではなく、内なるゾンビを恐れてパニックになる人間というのも、多くの作品に共通するテーマではないでしょうか。
新型コロナウイルスに関してはどうでしょう。恐ろしいのは、ウイルスだけでしょうか?ひょっとしたら、本当に恐ろしいのは内なるゾンビに怯えてパニックになる人の方かもしれません。
「トリフィド時代」、今にこそ、もう一度読んだら新しい発見があって面白い本かもしれません。
トリフィド時代 (食人植物の恐怖)【新訳版】 (創元SF文庫)
- 作者:ジョン・ウィンダム
- 発売日: 2018/07/30
- メディア: 文庫