印象深い大企業・ベンチャーの経営理念・社是・Values

会社の経営理念・社是・Valuesに注目せよ

 私は、仕事で関係する会社の経営理念(最近のベンチャーだとValuesといったりしますね)を確認するようにしています。単純に色々バリエーションがあって面白いというのもありますし、企業を知る上でも、参考になるんですよね。

「経営理念なんて、実態とかけ離れた綺麗事が書いてあるだけでしょ?」

 と思う人も多いかもしれませんが。会社のトップが掲げている方向性というのは、何かしら会社のキャラクターを示していると思います。また、そこで働く社員の仕事ぶりに、経営理念がどれだけ浸透しているかは、その会社のレベルを示すバロメータであると思い、自分はわりと重視して見ています。

 その中で、自分が今までみて、興味をひかれた会社の経営理念をいくつか紹介していきたいと思います。ちなみに、仕事で関わった会社とは限りませんし、その会社を好きか嫌いかはあまり関係なく選んでいます。

インテル「リスク・テイキング」

 最初は、半導体の王者「インテル(Intel)」です。「インテル入ってる」であまりにも有名ですね(古いか?)

 インテルには、かつてEleven Valuesという社是に近い位置付けの11のルールがあり、今はSix Valuesとして引き継がれています(参考: インテルの歩み)。その両方に共通して掲げられているのが、Risk Takingです。

 「スティーブズ」というAppleの創業者の2人のスティーブ(ジョブズとウォズ)を主人公にした漫画にも、このリスク・テイキングという言葉が出てきます。

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スティーブズ(STEVES)」 1巻 うめ より引用

 私は、昔の仕事でインテルの人と一緒に仕事をしたことがあるのですが、そのとき一緒に仕事をした社員の方も「リスク・テイキング」という言葉をよく使っていて、社員までそのルールが深く浸透していることを実感し、そのチャレンジングなルールに驚きました。

 普通の会社だと、リスクを回避(ヘッジ)することを考えると思うのですが、あえて取る(テイク)とするベンチャースピリッツ溢れるルールを、世界一の半導体メーカとなった今でも残しているところに、インテルの強さを感じます。

 リスクって「危険」という意味で、避けるべきものと捉えている人も多いのですが、リスクの本質的な意味は「不確実性」なのですよね。大きなリターンが得られる可能性がある一方で、何も得られなかったり、何かを失うかもしれない。それでも果敢にベットし続ける。それが「リスク・テイキング」の本質なのではないかと思っています。

 自分の会社の風土とは正反対(笑)でもあるのですが、自分は個人的に仕事でもプライベートでも、必要に応じて「リスク・テイキング」することを意識するようにしています。

Preferred Networks 「Learn or Die」

 日本のAIベンチャーの雄、Preferred NetworksことPFNさんです。PFNさんは、PFN ValuesとしてPFNの4つの行動指針をサイトで公開しています。

 その中でも、私が最もPFNという組織を表していると感じるのが「Learn or Die(死ぬ気で学べ)」というルールです。PFNに関しては、創業者の西川さん、岡野原さんの書いた同名の書籍「Learn or Die」を読むのが良いかと思います。以前書籍のレビュー記事も書いているので、興味ある方はこちらをご覧ください。

ソニー 「開発18カ条」

 続いては誰もが知る日本の大企業、ソニーです。ソニーに関しては、現在の社是ではなく、ウォークマン開発時代に社内で唱えられていたという「開発18カ条」を紹介します。

 こちらは、ネットでは多く紹介されているのですが、大元の情報が見つからず、真贋が少し怪しい情報です。もしガセネタでしたらすみません。追記:コメントで、引用元を紹介いただきました。ありがとうございます!

印象深い大企業・ベンチャーの経営理念・社是・Values - karaage. [からあげ]

ソニーの「開発18か条」は、超・箇条書き―「10倍速く、魅力的に」伝える技術 杉野 幹人【著】に書かれていたようです。https://www.kinokuniya.co.jp/c/20160902141057.html

2021/04/14 18:10

 尖った商品を出していたソニーらしい標語だと感じますし、エンジニアなら納得する項目多いのではないでしょうか。特に16,17,18は痺れますね。

第1条:客の欲しがっているものではなく客のためになるものをつくれ。
第2条:客の目線ではなく自分の目線でモノをつくれ。
第3条:サイズやコストは可能性で決めるな。必要性・必然性で決めろ。
第4条:市場は成熟しているかもしれないが商品は成熟などしていない。
第5条:できない理由はできることの証拠だ。できない理由を解決すればよい。
第6条:よいものを安く、より新しいものを早く。
第7条:商品の弱点を解決すると新しい市場が生まれ、利点を改良すると今ある市場が広がる。
第8条:絞った知恵の量だけ付加価値が得られる。
第9条:企画の知恵に勝るコストダウンはない。
第10条:後発での失敗は再起不能と思え。
第11条:ものが売れないのは高いか悪いのかのどちらかだ。
第12条:新しい種(商品)は育つ畑に蒔け。
第13条:他社の動きを気にし始めるのは負けの始まりだ。
第14条:可能と困難は可能のうち。
第15条:無謀はいけないが多少の無理はさせろ、無理を通せば、発想が変わる。
第16条:新しい技術は、必ず次の技術によって置き換わる宿命を持っている。それをまた自分の手でやってこそ技術屋冥利に尽きる。自分がやらなければ他社がやるだけのこと。商品のコストもまったく同じ。
第17条:市場は調査するものではなく創造するものだ。世界初の商品を出すのに、調査のしようがないし、調査してもあてにならない。
第18条:不幸にして意気地のない上司についたときは新しいアイデアは上司に黙って、まず、ものをつくれ。

任天堂「無し」

 最後に、誰もが知る「任天堂」。なんと社是は「無し」です。

 以下は、任天堂の山内会長と岩田元社長の言葉を引用します。

企業理念という言葉は僕は嫌いだから、そういう言葉に対しては抵抗があります。評論家か経営者かわからんような経営者が増えてきて、そういう人たちの本も出ている。しかし、それを読んでいったい何になるんです。参考になるかもしれないが、それでは経営者として大成しないと思う。 (山内会長)

社是、社訓がないことが、任天堂イズムなんですね。だって、社是、社訓の通りに動いていたら人々(お客さん)は飽きてしまう (岩田社長)

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

任天堂“驚き”を生む方程式 (日本経済新聞出版)

  • 作者:井上理
  • 発売日: 2013/06/07
  • メディア: Kindle版
任天堂"驚き”を生む方程式(日経BP)より引用

 社是がないというのは、独創的な製品を生み出し続ける任天堂らしさをよく表していますね。ただ、任天堂に息づいているカルチャーは多くあるように思います。そのうちの1つが、ゲームボーイを生み出した横井軍平さんの言葉「枯れた技術の水平思考」です。この言葉に関しては、以前いくつか記事を書いているので、よろしければこちらもご覧ください。

まとめ

 いくつかの企業の経営理念・社是を紹介してみました。みなさんの気になった社是はあったでしょうか?もちろん、どんな立派な社是を掲げている会社でも、そこで働く人たちがその社是を体現できていなければ絵に描いた餅となります。「企業は人なり」ですからね。そのことも含めて、自分の身の回りの会社の社是やそこで働く人の姿勢を見てみると、ひょっとしたら新たな発見があるかもしれません。

 私のブログもValueを掲げたいなと思いました。最近はモノづくりの世界では「競争」でなく「協創」(共に創る)することでイノベーションを起こす、というようなことがよく言われます。良い言葉だなとは思いますが、綺麗すぎて好みじゃ無いので、私はそこからさらに1文字変えて「狂創」をこのkaraage. のValueとしたいと思います。

 スローガンは「狂ったものを創る」「狂ったように創る」「触れるもの皆狂う」です。

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変更履歴

  • 2021/04/14 ソニーの開発18ヶ条、引用元に関するコメントを追記