直筆の手紙で営業をかけること

直筆の手紙は時代遅れか?

 「直筆の手紙で営業」と聞くとどんな印象を持つでしょうか?若い人なら「そんな前時代的な(笑)」と一笑に付すかもしれませんね。

 私も、そこまで若くはないですが、正直そんな印象を持っています。

「直筆の手紙を送るような非効率な会社と仕事したくないな」

 と、逆に悪印象すら持つかもしれません。

直筆の手紙で営業を受けたこと

 実は、もう1年以上前になりますが、仕事関係で直筆の手紙で個人宛の営業を受けたことがあります。最初読んだとき、笑いながらビリビリに破って捨てようと思ったのですが、そのときふと手を止めて考えたのです。

「そもそも、何でわざわざ手紙を書いて送ってきたのだろう?」

 考えて思い当たったのが、私に電子的にコンタクトをとる手段が無かったということです(事情は仕事関係なので内緒です)。連絡先が分らなかったので、苦肉の策で唯一分かる情報だった、会社名と私の個人名を頼りに手紙を送ってきたのでしょう。そう思うと、手紙の宛先の書き方からもなんとなくその事情がみてとれました。

 そのように、相手の立場になって考えると本気で自分のために営業をかけてくれたのだろうなということに気づきます。悪い気はしません。もちろん、手書きである必要はないのですが、まあそれはダメ押しですね。

 結局、私はその手紙をきっかけにその会社とコンタクトをとり、最終的には数百万円規模の契約を結ぶことになりました。直筆の手紙一本で数百万、相手にとっては最高のコストパフォーマンスの営業だったかもしれませんね(もちろん、自分にとっても悪い話では無かったです)。

 そういえば、以前読んだ世界のTAMIYAを築いた創始者である田宮俊作さんの書籍にも、有名なイラストレータさんにダメ元で熱のこもった直筆の手紙を送り訴えかけるエピソードが出てきました(結局口説き落としたらしい)。

 やっぱり情熱は大事ですね。

まとめ

 直筆の手紙の営業効果の一例を紹介しました。勘違いしてほしくないのは「デジタルツールで効率を追い求めることなんてやめて、心を込めて一人一人に直筆の手紙を書くべきだ!」という根性論を訴えたいわけではないことです。

 あくまで、大事なのは「相手のことを考える」という基本的なことで、デジタル・アナログはあくまで手段です。それは営業をかける方にとっても、受ける方にとっても同じことではないかと思います。

 自分もなかなかできていないことが多いですが、相手の立場にたって考えてみると、思わぬ良いビジネスに繋がることがあるかもしれませんよ、というお話でした。

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