AIで漫画を描こう
画像生成AI(Stable Diffusion)使って4コマ漫画を描いてみました。noteのマガジンにまとめています。
AI研究者のshi3zさんの以下note記事がきっかけです。
shi3zさんは、noteでAI漫画の連載をされています。インスパイアという名のもとに、完全に真似して漫画を描きました。
書き方は、shi3zさんの方法を大体トレースしていると思うのですが、4コマ漫画ということでの違いや、ちょっとしたテクニックもあったりするので、描き方を簡単にまとめておきます。これを読んだら誰でも漫画を描けるようになるのが目標です。
なお、AIにはStable Diffusionという話題の画像生成AIを使います。この記事ではStable Diffusionや画像生成AIの中身に関しては詳しく書きません。商業誌に特集記事書いたりしていますので、興味有る方は以下等参照ください。
主役キャラをカスタム学習(ファインチューニング)
Stable DiffusionAI作画の欠点として、同じキャラクタを出すのが難しいところです。サブキャラなら、似たようなキャラで誤魔化せばよいのですが、主役のキャラはやはり区別したいですね。
そのためのテクニックがファインチューニングです。お金を使わない方法としては。[npaka]さんの公開している以下の記事の方法があります(Google Colabの課金がないとちょっとつらいかも)。私も以前試したことがあります。
おすすめは、shi3zさんが公開しているサービスMemeplexのカスタム学習です。課金が必要ですが、手軽にファインチューニングできます。詳しくはshi3zさんの以下のnote記事参照ください。
今回は、手軽さからMemeplexを使うことにしました。これで自分の写真を使えば、自分を漫画の主人公にすることも可能です。私の場合は、飼っているネコちゃんの画像を使いました。
学習は、shi3zさんの記事の通りです。特に迷うことはないと思います。
今回はソラとウミの2匹のネコをそれぞれ学習させます。教師データとして、それぞれ約20枚画像を用意しました。
続いて学習です。今回はモデルとして使い慣れているStable Diffusionのバージョン1.4を選びました。学習時間は、一番短い500epochを選択しています。sksは、独自の単語(英単語辞書にないワード)にすることが重要みたいです。
ストーリー考案
ストーリーを考えましょう。思い浮かばなかったら、shi3zさんのようにAI(ChatGPT)に聞くのも良いでしょう。
例えば以下みたいな感じに聞くと4コマ漫画のストーリーを考えてくれます。
「ネコのソラとウミが主人公の日常系の4コマ漫画のストーリを教えて」
日常系の4コマ漫画というのは、日常生活を描いたものを指すと思われます。
それでは、仮にネコのソラとウミが主人公の日常系の4コマ漫画のストーリーを提案してみます。
【ストーリー展開の例】
第1コマ
ネコのソラとウミは、普段は寝ていることが多い二匹のネコです。今日も、床の上で寝ているところを見つけた主人が、餌をやるために起こしに来ます。
第2コマ
お腹をすかしたように、起き上がって餌をよそえると、主人からのおやつを楽しみます。そのあとは、また床の上で寝ていることが多い二匹のネコですが、今日は特別に外にお散歩をしてもらうことになりました。
第3コマ
外に出ると、二匹は楽しそうに自由に遊んでいます。お散歩中には、他のペットや野良猫たちとも出会います。お互いに気軽に遊んでいると、お散歩時間があっという間に過ぎてしまいます。
第4コマ
お散歩が終わり、家に戻ると、二匹はまた床の上で寝ているところを見つけられた主人から、おやすみの言葉をかけられます。そして、一日の終わりを迎える二匹のネコです。 このように、日常的な出来事を中心に、ネコのソラとウミが主人公として描かれる4コマ漫画のストーリーを想像してみました。
自分で考えたい場合は、とりあえずストーリーは置いておいて、次のキャラクターの画像生成をたくさん試すと、自然とキャラが動き出してストーリーが浮かぶかもしれません。
キャラクタ画像生成
プロンプトを練って好きな画像を生成します。
sora cat playing guitar
とかsora cat playing drum
とかで色々画像が出せます。
うまくいかない場合も結構あります。自分の場合だと人が出てきたりとかします。ネガティブプロンプトで出てきてほしくない単語を入れると少しマシになるかもですが、根気よく何度も試すのが良さそうです。
キャラクタの背景除去
背景を除去すると素材として使いやすくなります。Memeplexが透過PNG(背景除去機能)に対応してくださいました!。画像生成した後で、透過PNGボタンをクリックするだけで背景除去できます!
以下背景を除去した画像です。
以下は参考情報です。
背景画像生成
背景が必要そうだったら生成しましょう。
レイアウト
shi3zさんにならってKeynoteを使います。パワポでもGoogle Slideでも同じことできると思います。
スライドのサイズをカスタムでStable Diffusionの出力サイズ(512x512)に設定します。あとは、生成した画像を素材に貼り付けていくだけです。
セリフは、吹き出し図形でつけています。文字を「Ctrl+クリック」で「縦書きテキストをオン」にすると縦書きにもできますが、Keynoteだと縦書きはイマイチなのと、自分は特にこだわり無いので横書きにしています。
背景に関しては、なじませるために「表示」 -> 「イメージ調整」で背景のコントラストを落として調整しています。
その他のテクニック
Photoshopや漫画制作ソフトの「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」を組み合わせると更に高度なことができると思います。
shi3zさんは、粘土などを使って工作をしたものを撮影したものを学習の素材にするという「自分で描いたほうが速いのでは?」という領域にも入りつつあります。いや、でも発想面白いですね。さすがです。
まとめ
AIで4コマ漫画を描くことに関してまとめてみました。もはやAIで漫画を描くこと自体は何の目新しさも無くなって来ましたが、簡単な描き方のチュートリアルみたいなものはまだ見かけなかったので公開してみました。
過去、漫画自体は自分で描いてブログで公開していたのですが、やはり絵を描くのが大変で挫折していたのですよね。絵もうまくないので、テンションも上がらないんですよね。
それがAIを使うと結構楽に描けてしまうので、描いてて楽しいです。つい数年前、GANを使ってなんとか漫画が描けないかと考えていたのですが、あまりにハードル高くて挫折していたのですが、Stable Diffusionによって、あっさりAIによる漫画の作画が実現してしまったのはビックリですね。
どれだけ続けられるか分かりませんが、しばらくはAI漫画描き続けてみようかと思います。あと、興味ある人は是非AI漫画を描いて公開してみてください。私もいろんな漫画読んでみたいですし、何よりAIで漫画描くのは楽しいので。
というわけで、いつまで続くか分かりませんが、AIで描いた4コマ漫画、よろしければ読んでみてください。アドレスは以下です。
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変更履歴
- 2023/01/07 背景除去に関して追記