ラズパイノートPCを子供用のパソコンに仕立ててみる
最近、3歳になる娘がパソコンに興味津々です。私が、よくパソコンを触っているので興味を示しているのでしょう。私がたまに家でパソコンで仕事をしていると、「私もパソコンやる!」と言って、おもちゃ代わりにあげたラズパイ2と、断線したキーボードで真似してカタカタしています。非常に可愛らしいのですが、冷静に考えるとだいぶ不憫な子供です。
ちょっとしたパソコン的なものを買い与えても良いかなと思っています。候補としては、娘がTVドラえもんのCMの影響により、興味津々のドラえもんステップアップパソコンです。
レビューをみると、中々良く出来てはいそうなのですが、文字が読めること前提のため少し娘には時期が早そうなのと、ソフトも拡張性がないのが気になりました。1万円以上するものなら、長く使えて教育要素もある方が良い気がします。
といっても、そんな都合の良いものは世の中にありません。「無いものは作ろう」というわけで、以前「pi-top」で作ったラズパイノートパソコン(詳細は以下記事参照)の登場です。
どうせ使い道が無かったので子供の教育用途にぴったりなので、娘の誕生日プレゼントにすることにしました
ラズパイノートPCを子供用パソコンに仕立てる
ラズパイノートPCを子供が使うにあたり、問題になりそうな点が2点ありました。
- 音が出ない
- 小さい子供が使えるソフトが無い
というわけで、それぞれ対応していくことにしました。
音が出るように改造する
私の持っている「pi-top」ではそのままでは音が出ません。音を出すための「pi-top」用のモジュールもあるようですが、私の初期型の「pi-top」には対応しているか不明だったのと、値段も高く入手性も悪かったので、大人しく自分でなんとかすることにしました。
具体的には、以前ラズパイ用の小型アクティブスピーカーを作ったことがあったので、こちらを活用することとします。
しかし、このスピーカーは小型とはいえ「pi-top」に入れるには少し大きいです。
スピーカー部分を小さくすれば、なんとか入りそうなので、小型のスピーカーを探そうと思いました。ただ、わざわざ買うのも勿体ないし時間もかかります。その時、ふと目に入ったのが100円均一で買ったスマホ用のスピーカー。良いものがあるじゃないですか。というわけで、早速分解します。
ちょいちょいと切断、半田付けして超小型アクティブスピーカーの出来上がりです。
完成した超小型アクティブスピーカーを「pi-top」に仕込みます。
改造が完了したら、音声をチェックします。「pi-top」を起動して、ターミナルから以下コマンドを実行して、音声をアナログ出力にします。
$ amixer cset numid=3 1
追記:新しいRaspberry Pi OSでは上記コマンドでCannot find the given element from control default
とエラーがでます。その場合は、Desktop上のメニューバーの右端にあるスピーカーアイコンを右クリックして、HDMIからAV Jackに切り替えてください。
あとは、以下コマンドを実行して音声をチェックします。
$ aplay /usr/share/sounds/alsa/*
以下のような音声が聞こえたらOKです。
「Front Center”,”Front Left”, “Front Right” ... 」
小さい子供が使えるソフトを作る
次に、娘が使えるようなソフトを作ることにします。
Raspberry Piだと、子供の教育用にKano OSといったものもあったりするのですが、小学生の子供くらいじゃないと難しいレベルです。
3歳の娘がおもちゃで遊ぶ様子から、ボタンを押して反応を楽しんだり、数種類のボタンで何かのキャラクターを操作することくらいはできそうです。というわけで、まずは手始めにアルファベットを押すと、そのアルファベットに関連する言葉を発声してくれるソフトを作ることにしました。
例えば「A」を押したら「Alligator」、「B」を押したら「Bear」という具合です。これらの単語に関しては、以下のドラえもんの幼児英語教育DVDのABCシリーズを参考にしました。
作るものが決まったら、後は適当にサクッと作ってGitHubで公開しました。
上記リポジトリのREADMEにセットアップ方法は書いてありますが、GitHubがよく分からない人のために簡単にセットアップ方法を記載しておきます。
まずは、Raspberry Piを起動して、ターミナルで以下コマンド実行してespeakという音声合成ソフトをインストールします。
$ sudo apt-get install -y espeak
インストールしたら、以下コマンドで音声テストをします。「Hello World」と流暢な英語が聞こえたらOKです。
$ espeak "Hello World" 2>/dev/null
あとは、以下コマンドでGitHubからソフトをクローン(ダウンロード)します。
$ cd && git clone https://github.com/karaage0703/alphabet-game
ゲームを起動したいときは、以下コマンド実行して下さい。
$ cd ~/alphabet-game
$ python alphabet_game.py
以下のような画面が表示されたらOKです。
「pi-top」でゲームを動かした様子
ゲームを試してみた様子です。以下の動画のように、ボタンを押すとボタンに合わせた音声が流れます。
早速妻に見せたところ「アルファベットのスペルが違う」「アルファベットに合わせて絵を出して欲しい」という貴重なフィードバックをいただきました。
まとめ
ラズパイノートパソコン「pi-top」を子供用のパソコンに仕立ててみました。
出来合いのおもちゃを渡すのも良いですが、折角なら娘の成長に合わせてカスタマイズしたいですし。娘にゲームに使う絵を描いてもらって、一緒にゲームを作るという体験ができたら、面白そうだなと思っています。
あとは、娘の誕生日にプレゼントしようと目論んでいるのですのが、娘のおもちゃの扱いが乱雑なのが気になるポイントですね。もうちょっと丁寧に扱ってもらわないと一瞬で破壊されてしまいそうです。そんなわけで、プレゼントできるときは、娘の成長をみつつタイミングを測ろうかなと考えています。
参考リンク
How to Make your Raspberry Pi Speak Out Loud: Give It a Voice!
オーディオ設定 - Raspberry Pi公式ドキュメントを日本語訳
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2019/03/12 関連記事追加