ゲームボーイを大画面化したくなった
リサイクルショップで買った初代ゲームボーイで、Switchでリバイバルされると噂の「ゼルダの伝説 夢をみる島」をちょこちょこ遊んでいる今日この頃です。
昔のゲームながら今プレイしても楽しめるのですが、不満なのは画面が小さいことです。「Nintendo Switchみたいに大画面でプレイできないかなー」と調べてみたら「HDMIboy」なるプロジェクトがクラウドファンディングで立ち上がっているとのニュース。
「めちゃめちゃ良いじゃん!」と興奮していたのですが、よく読むと既に5年以上前の話で、どうもクラウドファンディングは失敗してしまい、プロジェクトはたちきえになってしまったようです。
ショボーンとしてしまったのですが、かのマリー・アントワネットも「HDMIboyがなければ作ればいいじゃない」と言っていたらしいので、自分で作ることにしました。
枯れた技術の水平思考で「HDMIboy」をリバイバル
といっても「HDMIboy」はかなりレベル高いことしているので、私の技術力ではそのままのものは作れませんし、恐らくお金の問題でクラウドファンディングと同じく頓挫してしまうでしょう。発想の転換が必要です。
任天堂流に「枯れた技術の水平思考」をしてみることにしました(枯れた技術の水平思考に関しては以下記事参照下さい)。
そこで、ヒントにしたのが任天堂が作ったライトボーイ。
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ゲームボーイの上にライトとルーペをつけて、ゲームボーイを大画面化するという意欲的な製品です。当時、私も子供心に「そんなのあり!?」と思ったものです。
ライトボーイと机の上に大量に転がっているラズパイを見ているうちに「これだっ!」と閃きました!そうです、ゲームボーイの画面をラズパイのカメラで写したものをそのままテレビにHDMI出力すれば良いのです。
理論上完成しました。後は作るだけです。
「HDMIboy」原理試作制作
ゲームボーイの画面をラズパイのカメラで写してリアルタイムにHDMI出力するというコンセプトが決まったので、まずは本当にそんなことが可能を検証するため、チームkaraage全員の力を結集して原理試作を作っていきます。まぁ、チームといっても1人なんですけど。
メカ設計・製造
3D CADでケースを作ります。
完成です
あとは、今や1家庭に1台はあると言われている3Dプリンタで3Dプリントします。
3D CADと3Dプリンタに関しては以下記事参照下さい。
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回路設計・実装
回路設計をします。
ケースの中を照らすために、白色LEDを使います。電源は5VでLEDのVfが3V程度なので、100Ω抵抗を使って20mA程度の電流で光らせます。完璧な回路図を書きます。
完璧な回路図
実装は、ブレッドボードとジャンパワイヤで適当に組みます。
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ソフトウェア設計
以前使ったラズパイカメラのソフトをサクッといじって、リアルタイムプレビューするソフトを作ってGitHubにアップしました。
使い方は、ラズパイを以下の記事を参考にセットアップします。ラズパイカメラも使えるようにしておいて下さい。
あとは、ターミナル画面で、以下実行すればOKです。カメラ画像が出力され続けます。
$ git clone https://github.com/karaage0703/raspberry-pi-example $ cd raspberry-pi-example $ python camera_preview.py
組み付け
ゲームボーイとラズパイとカメラと回路を組み付けます。
完璧
テスト
早速テストしてみます。
実際に試した動画が以下です。
まとめ
ラズパイでゲームボーイを大画面化する「HDMIgamepi」の原理試作を作ってみました。画面をラズパイのカメラで撮影するっていうのは、中判フィルムカメラをデジタルカメラ化する「ZANGI BRONICA(ザンギブロニカ)」と一緒ですね。良く言えば、経験を活かしていますが、悪く言えば進歩がないという…
画面の遅延でゲームでは使い物にならないかなと懸念していたのですが、思いの外反応良く、少なくとも私のレベルだとほとんど違和感ありませんでした。
あとの問題は、サイズ、電源、LEDのムラ、デザインのショボさあたりですね。これらを解決するには基板起こすしかなさそうですね。原理試作が思いのほか良い感じでしたし「HDMIboy」の無念(?)を晴らすために、とりあえず次の試作を作ってみようかなと思います。
というわけで、ゆるゆると基板作りでもしようかと思っています。目標は夏くらいですかね。期待せず気長に待っていて下さい。
参考リンク
生誕30周年を迎える世界で1億台以上売れた伝説の名機「ゲームボーイ」の歴史 - GIGAZINE