100人規模の勉強会を開催するための方法(マニュアル付き)

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勉強会を開催しました

 この前、個人で100人規模の勉強会を主催しました(詳細は以下記事参照下さい)。この規模のイベントを開催するのは、生まれて初めてでした。というか、今までイベントを主催したことあるの飲み会とBBQくらいです(最大でも10人くらい)。結婚式は、企画プランナーさんまかせだったので除きます。

 自分の場合は、あんまり調べもせず企画から開催までやってしまいましたが、忘れないうちにやったことやノウハウ(というほどのものでもないですが)を残しておくと良いかなと思ったので、まとめておくことにします。

 これをみて、勉強会開催する人が増えてくれると嬉しく思います(私が)。

本記事が対象としている人

 最初に、本記事の対象者です。

  • 個人で勉強会を開こうと考えている人・興味がある人
  • 地方(特に愛知)に住んでいる人
  • 勉強会を開催するために、何をしてよいか分からない人

 あくまで個人が対象です。会社でやりたいという人は、あんまり参考にならないと思います。経験ないので想像ですが、会社の場合は個人の勉強会とは(多分)目的が変わりますし、承認等の根回しが一番大変だと思うので。

 その他のイベント等にも、ある程度参考になるような気もしますが、飲み会やBBQの幹事くらいしか経験ないので定かではないです。

勉強会開催までの流れ

 以下は私の例です。

時期 内容
3ヶ月以上前 勉強会を知る・参加する
3ヶ月前 コンセプトを決める
3ヶ月前 運営する人・登壇者を決める
2.5ヶ月前 開催日時・会場を決める
2ヶ月前 勉強会支援プラットフォームに登録する
2ヶ月前 告知・参加者を募る
2週間前 マニュアルを作成して配布する
1週間前 事前準備する
当日 当日開催する
当日 懇親会する
後日 発表資料をまとめる

 一つずつ順に説明していきます。また、開催するまで結構期間ありますが、これは主にメインの登壇者のスケジュール的な都合で、初回の開催でも1ヶ月くらいの準備期間で問題ないと思います。

勉強会を知る・参加する

 最初に、いくつか勉強会に参加した方が良いと思います。自分がやりたいなと思う規模に近いものがイメージがつかみやすくて良いと思います。勉強会の会場を知る機会にもなります。その場で会場の人と繋がると、後で場所の候補として相談できるかもしれません。登壇の経験は、どちらでも良いのじゃないかなと思います。

 今回は、過去に参加した勉強会の良かったところなどを、色々取り入れて運営しました。自分の場合は、企画時点で勉強会に2,3回参加経験ありという感じでした。

コンセプトを決める

 目的やターゲットを明確化します。これはとても大事だなと後で気づきました。特に勉強会の規模(参加人数)は、このターゲットに大きく左右されます。あまりにもマニアックなテーマだと、なかなか人は集まらないと思います。

 ただ、参加人数が多ければ良い勉強会かというと、特にそんなこともない気がします。それこそ目的次第で、沢山の人に知ってもらいたいならたくさんの人に参加してもらう必要がありますが、マニアックな少数の人と繋がりたいなら、マニアックで小規模な勉強会の方が良いものになると思います。その勉強会で何をしたいか、どうなってほしいかを明確にするのが大切だと思います。

 といいながら、自分はコンセプト結構フワッとしたまま勢いで動き出してしまいました。勢いも大切ですね(どっちやねん)。

 コンセプトにあった勉強会のネーミングも重要です。今回は、ほけきよ(id:imslotter)さんが「AIchi勉強会」という最高のネーミングをしてくれたのがとても良かったと思っています。

 人を集めたいなら、バズワードを入れておくのも良いですね。今ならAIとかIoTとかVRでしょうか。昔はそういうことするの最低な大人だと思っていましたが、気づいたらそんな最低な大人になっていました。自分のポリシーに従って決めましょう。

運営する人・登壇者を決める

 一緒に手伝ってくれる人がいると心強いですね。でも主催するのであれば「最後は一人でもやってやる!」というくらいの気概が大切だと思います。でも、困ったたらみんなに助けてもらいましょう。

 メインの登壇者も決めておけると良いですね。登壇者でその勉強会のクオリティと規模は大きく変わると思います。特に、著名な登壇者は、優良な参加者の方々を引き連れてきてくれるので。

 私の場合は、たまたま周りに登壇したいと言ってくださる人がたくさんいたので助かりました。いない人は、自分が頑張って登壇するか、思い切って登壇してほしい人に声をかけてみるのが良いと思います。私も思い切って業界の超有名人の u++ (id:upura)さんに声をかけたら快く引き受けていただけました。法律の範囲内で思い切っていきましょう。

開催日時・場所を決める

 日時と会場を決めます。日程はメイン登壇者(含む自分)の都合でエイヤーと決めてしまいましょう。会場は参加人数に合わせて決めましょう。といっても普通何人くるかなんてわかりませんね。私もそうでした。

 なので、私の場合はTwitterのアンケートを使って聞いてみました。

 アンケートでは、70人くらいの人が参加・登壇したいと言ってくれました。「本当にそんなに来るの?」と思っていたのですが、結果的には参加者の希望は最大で170人くらいになってました。今回は、他の登壇者目当ての人も多かったので、ここまで増えのだと思いますが、Twitterのアンケートは「少なくともこのくらいは来そう」というミニマムの線を探るには使えるのではないかと思います。

 私の場合は、できれば希望者は全員参加してもらいたかったので、名古屋で個人が無料で使用できる中では、最大規模の会場となる「ヤフー名古屋」さんにしました。というか「大きい会場無くて困ったよー」とTwitterでマゴマゴしていたら、フォロワーのなつおさんがヤフーさんを紹介してくれました。

 会場には、できるだけ下見に行った方が良いと思います。無料で使わせてもらうような会場には、きちんと勉強会のコンセプトも伝えた方がよいでしょう。私は、何も決まっていなかったので、とりあえず「やってみたいと思った!」という熱い想いを伝えたような記憶があります。熱い想い大事です。

 他は、名古屋だと、レンタル会議室が多いので、そういったものを利用するのも手です。

勉強会支援プラットフォームに登録する

 ずばりconnpassを使いました。勉強会を主催するなら、とりあえずconnpassで良いかと思います(他にこだわりがあればもちろん他でもよいです)。以下がconnpassページです。

 説明のフォーマットは、コンセプト、スケジュール、参加費、諸注意等、大体書くこと決まっていると思うので、他の勉強会のものを参考にすればよいと思います。私の場合は以下です。

 説明はMarkdown形式で書けます。よく分からない人は、とりあえず以下の私のフォーマットをコピペして使っても大丈夫です。

## イベント概要
 イベントのコンセプトとかを書く

## 参加者の募集に関して
 想定しているターゲットや条件を記載。

## スケジュール

### xx:xx 開場
人数多めなので、受付の関係上、早めにお越しいただけると助かります

受付は xx:xxで締め切ります

### xx:xx 〜 xx:xx 「タイトル」(発表者)
※ 発表者敬称略


## 注意事項
### イベントに関して
- 参加費

### 機材に関して

### 会場について

 その他、気にした点や迷った点は以下です。

アイキャッチのイベント画像

 画像は、SNSで拡散した時など、結構目を引きそうなので設定しておいた方が良いと思います。

 デザインセンスがある人に作ってもらうのが一番ですが、私はそんなもの無かったので、Adobe Spark Postというスマホアプリを使いました。ソフトの概要や使い方は、以下の深津さんのnote記事を参考にしてみて下さい。アイキャッチ画像で困ったらとりあえずこれ使っています。

Adobe Spark Post

Adobe Spark Post

  • Adobe Inc.
  • 写真/ビデオ
  • 無料

受付票の発行

 とりあえず発行するにチェックしましたが、受付は結局名前順でチェックしたので、特に活用しませんでした。悩んだらとりあえずチェックしておいても良いと思います。

先着順か抽選・指名か

 人数オーバーするほど参加者がいると思っていなかったので、深く考えず先着順にしてしまいましたが、先着順だととりあえず参加を入れる人がいたりするらしいので、抽選・指名の方が良かったかもと思ったりしました。あと、絶対来てほしい人が後から参加希望してきたときに、優先して指名できるのも良い点です(不平等に感じる人もいるかもしれませんが)。

 あと、先着順と抽選・指名は混在させない方が良いです。今回LT参加の人だけ抽選にしたのですが、先着順の枠が一瞬で埋まってしまい、LT参加希望の人は、抽選・指名の人が抽選漏れたら参加できなくなるという事態になってしまいました。

ハッシュタグの設定

 被らないハッシュタグをつけた方がよいので、事前に検索しておきましょう。

参加人数設定

 いきなり100人で募集して、参加者5人くらいだったら寂しいので、40人から始めて一杯になるたびに増枠しました。

告知・参加者を募る

 connpassページが完成したら、公開して告知しましょう。ブログやTwitterなどをしていたら、そちらにも情報を載せた方が良いと思います。大体、こういうイベントはほぼ初動で決まるようです。

 以下がconnpassの統計ページです。最終的には170人近くまでいったのですが、最初の2日で100人以上が申し込んでいるという状態です。

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 あと、主要なリンク元は以下です。Twitterやブログをみた人が結構来てくれているようです。

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マニュアルを作成して配布する

 告知してから、本番前まで暫く間があきます。この間は特にやることはないです。自分が登壇する場合は資料を作っておきましょう。

 本番2週間前になって、あまりに何もやってなくて、このまま本番になったら大変なことになりそうな気がしてきたので、とりあえずマニュアルを作ることにしました(マニュアル人間なので)。といっても、当日の流れを想像しながら、必要そうなものなどを書きなぐっただけです。参考までに私が作成したものから個人情報を抜いたものを公開します。もっとちゃんとしたもの作った方が良いと思いますが、無いよりはマシです。

事前準備する

 マニュアルのチェックシートを元に準備します。自分の場合は、注意すべきと思った点は以下です。

お菓子・飲み物の量

 100人規模でも1万円分くらいで十分でした。1万4千円分くらい買ったのですが、買いすぎでした。

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 どうみても買いすぎです。本当にありがとうございました

受付の人は必要

 受付は結構重要です(特にお金を扱う場合)。今回は、妻とその友人が手伝ってくれました。妻の友人には、開始30分後まで受付に残っていただきました。

 ヤフーさんによると、勉強会始まると受付が誰もいなくなって、その後に来た人の対応で困ってしまうケースが多いということでした。でも、勉強会に来ている人は、基本発表見たい人ばかりだと思うので、人の確保はなかなか難しいですよね。

お釣りは必要

 参加費500円だったのですが、最初は結構おつりが必要でした。勉強会前日にATMで500円玉を10回以上引き出すというアホなことをしていましたが、時間を見つけて銀行で両替してもらうのが賢いでしょう。15枚もあれば十分でした。

領収書はあればベター

 領収証欲しいという人は、若干名いました。できれば用意しておけるとベターかなと思います。非営利の勉強会なら、個人的には必須ではないと思いますし、怒り出す人もいないとは思います。念のため、connpassに「領収書出ません」と買いておくと良いかもですね。

プレゼンのベル

 あった方が良いかなと思い買おうか迷ったのですが、アプリがあったので落としました。ただ、当日は結局使わなかったです(みんな時間ぴったりでした)。

プレゼンタイマー

プレゼンタイマー

  • Takuya Murakami
  • ユーティリティ
  • 無料

発表者・スタッフとのコミュニケーション

 発表者、スタッフに関しては、全員何らかの形でコミュニケーションをとっておくと良いと思います。積極的に質問あったりする場合は心配ないですが、あまり反応がない人には一声かけておくと良いです。

 実際、発表者に勉強会の開催日を1週間勘違いしている人が約1名いました。

当日開催する

 開催します。会場の「ヤフー名古屋」さんのスタッフさんが勉強会慣れしていたということもあり、登壇・司会・タイムキープをなんとかこなすことができました。参加費などは当日の休憩時間などを活用して精算したかったので、休憩中とかは結構バタバタしてましたが、基本的には他の人の発表や懇親会も含めて勉強会を十分楽しむことができました。

 ただ、何かあると主催の人が判断することになるので、万全を期したい場合や、さらに大規模な勉強会の場合は、役割の分担を考えた方がよいかもしれません。今回も、大きくはないですがちょこちょことしたトラブル(というほどではない出来事)はありました。

 以下は反省など含めたメモです。

  • 受付に関しては、当日は念のため受付開始を勉強会開始の1時間前に設定したのですが、その更に30分前から参加者が来始めて結構焦りました。無理して受付しましたが、今思うと受付開始時間まで待ってもらった方が良かったかもしれません。

  • 当日の参加率は驚異の95%でした。東京だと30〜40%キャンセルがあるのが普通らしいのですが、名古屋は結構参加率高めのようです

  • 100人規模の飲み物・食べ物の運搬はめっちゃ大変でした。4名で力づくで運びましたが、もっとちゃんと考えた方が良かったです。運搬で力を使い切って勉強会諦めそうになりました

  • ヤフーさんなら自販機も充実しているし、お金は集めずに、各自の自主性にまかせた持ち寄りとかにするのも有りかなと思いました(そうすると、かなり運営は楽です)

懇親会をする

 当日の勉強会後での懇親会とは別に、発表者・スタッフ同士での懇親会をしました。以前参加した「ディープラーニングガジェット品評会」での、発表者同士の懇親会がとても楽しく有意義だったので取り入れてみました。

 やはり発表者や一緒に運営したスタッフ同士だと、とても濃い話ができて楽しいです。個人的にはオススメです。

発表資料をまとめる

 勉強会後は、勉強会の発表資料やブログ記事をConnpassページにまとめておくと良いと思います。後から見返すときや、当日参加できなかった人のためになります。以下のような感じで、簡単に資料やブログにConnpassページからリンクできます。

 Togetterなどで当日のハッシュタグを拾ってまとめるのも良いと思います。

まとめ

 勉強会を開催するまでにやったことをマニュアル付きでまとめてみました。基本的には、やりたい人が好きにやれば良いと思いますし、勢いでやってしまっても全然大丈夫と思いますが、少しでも誰かの参考になれば幸いです。

 勉強会の主催って結構大変なのかな?とも思っていましたが、周りにイベント慣れた人が多かったので、自分はそれほど大変というわけでも無かったです。特に中心的に動いてくださった しーちょーさんに感謝です。参加者のみなさんも、とても礼儀正しく協力的だったので助かりました。

 もともと自分は、コミュ障気味なのでこういったイベントの企画とか向いてない人間だと思っていたのですが、意外とやってみたらなんとか形になりましたし、結構楽しかったです。やってみないと分からないものですね。イベントやコミュニティってある意味モノづくりなので、モノづくり好きな人なら結構いける人は多いのかもしれません。Apple創業者のスティーブ・ウォズニアックも「USフェスティバル」ってロックフェス開催したりしてますしね。

 勉強会自体には、成功も失敗もないと思っているのですが、自分としては誰か一人でも「来て良かったな」と思ってもらえれば十分ですし、もし勉強会やこの記事をきっかけに勉強会開催する人が1人でも出てこれば大成功だと思っています。いつかそんな勉強会に自分が参加できたら良いなと思います。

 というわけで、もし興味湧いた方は是非勉強会開催してみて下さい。意外に楽しいかもしれませんよ。

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