インターフェースは身体に近いほどデファクトが強いのかも

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ピアノのインターフェースは優れているのか?

 ピアノに関して、以前以下のようなツイートをしたら、それなりに反応があったので少し掘り下げて書いてみたいと思います。

 自分も子供の頃にピアノを習っていて、その頃はあまり疑問に思ってなかったのですが、その後ギターとかを弾くようになったとき「あれ?ピアノって、めちゃ弾きづらくない?」と思ったことがあります。

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 例えば、半音上げたいとき、ギターだと1フレットずらすだけで良いのが、ピアノだと黒鍵と白鍵の関係が変わってしまい、凄い弾くのが難しくなるのです。バナナマンの日村さんがTM NETWORKの「Get Wild」を弾くときに、本来のキーより半音上げて弾きやすくしているのは、あまりにも有名(?)な話ですね。

 もちろん、ギターはギターで、同時に発音する音に制限があったり、右手と左手で動きが別々だったりと色々イケてない(?)ところはあるので、ピアノがギターより劣っているという話ではありません。言いたいのは、ピアノ自体は歴史ある素晴らしい楽器とは思うのですが、300年くらい前に作られた楽器ですし、更にインターフェースの部分で弾きやすくアップデートしたような楽器があっても良いのじゃないかなということです。

 実際同じようなことを考えたことある人は結構いるようで、いくつかピアノの進化版のような楽器を見たことがあるのですが、今ひとつ定着していないのが現実と思います。

 個人的には宇田さんが開発している、ウダーやインスタコードが面白そうだなと思っています。

 ただ、ピアノを置き換えるような楽器になるかというと、そもそもこれらの楽器は、そんなことは目指してないだろうなとは思います。逆に言うと、そのくらい楽器におけるピアノのデファクトとしての位置付けが大きいのだと思います。

身体に近いインターフェースはデファクトが強い

 思ったのは、身体に密接に関わるようなインターフェースはデファクトが強いのかも、ということです。例えばPCのキーボードです。

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 このキーボードの配列、なぜこのような配列(QWERTY配列)になっているかは諸説あるようですが、自分が聞いて衝撃的だったのは、昔のタイプライターがあんまり早くキーを打たれると、ハンマーが絡まってしまうので、ワザとうちにくい配列にしているという説です。

 確かに、決して打ちやすいとは思っていませんでしたが、実は人間にとって打ちにくい配列で、それが物理的な制約がなくなった今でもデファクトスタンダードとして続いている(かもしれない)ということは、ちょっと驚きですね。打ちやすさを目指した「Dvorak配列」なるものもあるらしいですが、全然普及してなさそうです(少なくとも、私はみたことがないです)。

 確かに身体の慣れとかに密接に関わるものは、一度広まったらもっと良いものがあってもなかなか変えるの難しいのは想像できます。なので、ピアノもこれが完璧なものというよりは、もうデファクトになっちゃったから仕方ないよねというものなのかなと自分は考えています。

デファクトを乗り越えたインターフェース

 そう考えると、スマホのインターフェースがデファクトを乗り越えたのは凄いなと思います。それほど学習コストが高くないということはあるのかもしれませんが、これだけ多くの人が乗り換えられているのは、やはり革命的なのかなと思います。

 もっとも、乗り越えられない人もいないわけではないようです。以下は、少し古い話の記事ですが、色々考えさせられます。

新技術はなぜ浸透しないか?PSVR発売日とタクシー運転手さん - GOROman - Medium

まとめ

 インターフェースは、(PCでも音楽でも)キーボードのように身体に近いほどデファクトになったものが、強いのではないかという当たり前っぽい話でした。

 言いたいのは、今普及しているものが、必ずしも完璧なものだったり人間にとって最適なものではないということです。当たり前と思ってた身近なインターフェースを再定義して、自分にとって最適なものを探求するというのも面白い試みなのではないかと思います。

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