「素人発想、素人実行」から「素人発想、玄人実行」へ

「素人発想、玄人実行」の法則・考える術を読みました

 最近読んだアイディア発想のヒントとなるような本の紹介です。

 一冊は、カーネギーメロン大学教授の金出先生の著名な本『独創はひらめかないー「素人発想、玄人実行」』です。

 もう一冊は、無駄づくりで有名な、藤原 麻里奈さんの「考える術」です。

独創はひらめかないー「素人発想、玄人実行」

 有名な書籍ですね。タイトルと「素人発想、玄人実行」の言葉だけは知っていたのですが、ずっと読んでいなかったので今更ながら読んでみました。著者の金出先生に関しては以前、以下の記事でも取り上げましたが、世界で初めてコンピュータを用いた顔の認識技術を開発した人(諸説はありそう)になります。

 書籍には、金出先生の考え方・成功哲学が詰め込まれています。流石に世界一流の研究者だけあり、その内容は「アイディアをオープンにすることで盗まれる心配なんてしても仕方ない」、「日本独自をかくれみのにしてはいけない」、「リーダーシップ・問題解決の重要性」など、説得力があり、納得のものでした。

 「素人発想、玄人実行」という言葉だけ聞くと、なんとなくわかった気になってしまいますが、書籍の多くのケーススタディーを通じて、その真髄により近づけた気がします。

 一方、この書籍は金出先生という超天才が書いていることは意識した方が良い気がします。特に、「発表はあまり準備しないほうがよい」と書かれているところは、普通の人が真似すると痛い目を見ると思います。そもそも金出先生は、研究活動とは別に年間おそらく100回近いプレゼン・講演をしている方なので、毎回準備なんてそもそも不可能という前提もあるのと、もうプレゼン練習なんて飽き飽きなのでしょう。

 実は、金出先生のプレゼンは、2回ほどみたことあります。そして、1回は同じ発表者側だったことがあるのですが、私が準備万端で緊張して待っている間、金出先生は猛スピードで発表資料を作っていて、完成とほぼ同時に堂々とプレゼンを開始して「さすが…」と圧倒された記憶があります。

考える術

 こちらは、無駄づくりやライター活動、YouTubeなどで、変な発明を作って公開し続けている藤原さんの書籍です。

 研究者でなく、野生の開発者である藤原さん、金出先生の「素人発想、玄人実行」と比較すると、失礼ながら「素人発想、素人実行」と言っても良いかもしれません。締め切りに追われながら、着実にモノづくりをしてきた藤原さんならではのアイデアの発想方が、かなり体型立てて書かれています。その数なんと71です!

 読んでいると、結構発想が湧いてくるので、アイデア出しに困っている人は、リアルに参考になると思います。そして、最近藤原さんの発明をみたところ、めちゃくちゃクオリティが上がっていてビックリしました。  

 大量に作り続けるうちに、「素人発想、素人実行」から「素人発想、玄人実行」にグングン近づいていますね。漫画家の手塚治虫先生や画家のピカソが非常に多作だったことはよく知られていますが、多く作ることの大切さとそのために必要な発想術、「考える術」の大切さを身を持って教えてくれていますね。

まとめ

 アイデアの発想方に関する対照的な2冊の書籍『独創はひらめかないー「素人発想、玄人実行」』と「考える術」を紹介しました。恐らくこの2冊を並べて紹介したのは私が初めてではないでしょうか(笑)この2冊を読んだおかげで閃きました。

 藤原さんは、他にも「無駄なことをつづけるために」という書籍を出していて、こちらもおすすめです。レビューを以前書いているので、興味ある方はこちらもどうぞ

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