ドラえもんの「のび太が月まで歩いて行こうとする話」が好き

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ドラえもんの好きな話

 突然ですが、私はドラえもんの「のび太が月まで歩いて行こうとする話」が好きです。数あるドラえもんの話の中でも1,2を争うくらい好きかもしれません。今日はその話をしてみたいなと思います。

 そもそも「のび太が月まで歩いて行こうとする話」とは、どういう話かを説明します。正確には漫画ドラえもん26巻132ページからの「歩け歩け月までも」というタイトルの話です。

 あらすじだけかいつまんで説明すると、以下のような内容です。

 朝寝坊して遅刻してしまいそうなのび太。いつものようにドラえもんに泣きつくと、どこでも直進できる道具「道路光線」を出してもらい事なきを得ます。その後のび太は、なんと「道路光線」を使って月まで歩いていくという壮大な計画を思いつきます。さてどうなるか…

 話自体は8ページ程度の短いものですし、ものすごい感動したりオチが衝撃的というわけでもないので、記憶にない人も多いかもしれません。

 私がこの話を好きな理由はのび太の「月まで70年かければ歩いて到達できる」というその壮大な発想ですね。38万キロを1日15km歩くとして計算すれば、たしかにその通りなのですが、その発想にいきつくことが常人にはできないと思います。

 初めてこの話を読んだとき、子供ながらにその発想のスケールに度肝を抜かれて、初めてのび太を「こいつ、まじでやべぇな」と尊敬した覚えがあります。

登山タイプの人間・トレッキングタイプの人間

 話は変わりますが、キャリアを考えるとき、人のタイプを表すのに使われる言葉として、登山に例えて「登山タイプ」と「トレッキングタイプ」があります。逆算型と積み上げ型と言い換えても良いかもしれませんね、以下のようなイメージです。

f:id:karaage:20210903000508p:plain:w640  「ゼロから始める情報発信」より引用

 例えば月に行きたいと考えたとき、登山型の人間はどう考えるかというと、例えば以下のように逆算の思考をして、最短のパスを計画し実行していきます(宇宙飛行士目指したことないので、めっちゃ適当です)。

月に到達 → 宇宙飛行士になる → NASAに入る → 海外の有名大学を卒業する → 良い高校でめっちゃ勉強する → 今日からめっちゃ勉強する

 それに対して、トレッキングタイプはどうするかというと

「とりあえず月に向かって歩いていく。困ったらその場で考える。」

 となるわけです。つまり、のび太の発想は、典型的なトレッキングタイプのそれですね。

 直感的にわかると思いますが、優秀な人はたいてい登山タイプです。すごくストイックな人が多いと思います。イチローさんとかもそうでしょう。

 ただ、これはあくまで傾向なのでそれぞれ一長一短があります。トレッキングタイプの人は、周り道する分さまざまな楽しみを得られるという考え方もできます。スティーブ・ジョブズのConnecting Dotsも、そのような感じですね。

 もちろん、両方の要素を持ち合わせていたり、時と場合によって使い分けている人もいると思います(というか、そういう人が普通でしょう)。私も、仕事だと(やむを得ず)登山タイプの振る舞いをしますが、基本的にはトレッキングタイプですね。

 あれも面白そう、これも面白そうとふらふらしているうちに、いつの間にかとんでもないところに来てしまった!という方が、ワクワクして良いかなと思ったりします。

まとめ

 「のび太が月まで歩いて行こうとする話」について語りました。

 結局、この話ではのび太は月には行けずに終わりますし、その後も原作漫画ではのび太が月に行くことはありませんでした(自分の記憶の限りでは)。ただ、ドラえもんの作者の藤子・F・不二雄先生が亡くなり連載終わって20年以上たってから『映画ドラえもん のび太の月面探査記』で、のび太は月に行くことになるのですよね。

 のび太が、そんな形で月に行くとは、作者の藤子先生ですら、夢にも思わなかったんじゃないかなと思います。科学技術の分野で、凄い目標のことをムーンショット(月への到達)と言ったりしますが、月に届く一番の近道は、案外まずは一歩ずつあるいてみることだったりするのかもしれません。

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