優れたリーダーの条件

炎上プロジェクトを火消しする優れたリーダー

 少し前ですが、「プロジェクトのトラブル解決大全」(以下トラブル解決大全)という炎上プロジェクトの火消しマニュアル的な書籍がネットで話題になっていたので買って読んでみました。

 なるほど、どこかで見聞きしたような…というか体験したような話が、リアリティを持って描かれていました。なんといいますか、読んでいて過去がフラッシュバックして胃が痛くなるような人が多そうな本でした。自分もマネージャとしての立場ではないですが、一人の担当者として身につまされる内容でした。

 そして、この本の作者。とても優秀なプロジェクトマネージャなんだろうなというのがひしひしと伝わってくる本でした。プロジェクトに対する責任感、メンバーへのメンタル面含めた気配り、マネジメントの手法等、実践的かつお手本になるような内容でした。

理想のリーダーとはどんな人だろう?

 書籍の内容自体は、基本的に納得だったのですが、ふと思ったのが自分にとって理想のリーダーってどんな人なんだろうな?ということです。もちろん、トラブル解決大全の著者、とても優秀なマネージャーで、炎上プロジェクトに来たら非常に心強い人だと思います。でも、自分がそういう人になれるかと言われると、全くそうなれる気がしません。もう少し言うと、ちょっとなりなくないなという気にすらなります。

 そう考えたとき、ふと思っったのが最近ハマっている古代中国を描いた漫画のエピソードです。始皇帝の死後と三国志の間くらいの時期に、項羽と劉邦という2人のリーダーが中国統一をかけて激突する時代があります。この2人は漫画ではかなり対照的に描かれています。項羽は、非常に能力が高く優秀なのですが、厳しすぎるがゆえに人望がなく、人に仕事任せることもできていません。それに対して、劉邦は能力は高くなく、自堕落で好色だったものの、人望が非常にあり人を活かすのが得意だったと言われています。

 トラブル解決大全的には、劉邦に国家統一という超巨大プロジェクトを任せたら大炎上しそうですが、歴史的には中国を統一したのは劉邦だったりします。また、トラブル解決大全のコラムにも、『「デキないリーダー」でも成功することはある』と著者の経験からくる事実が書かれていたりします。必ずしも能力高い人がプロジェクトを成功させるわけではないというのは興味深いですよね。

 ちなみに書籍には「そういうリーダーはいつかメッキが剥がれると思うから、頑張ってリーダとしてのスキルを身に着けようね!(意訳)」と書かれています(笑)。ただ、私は、中国の歴史もこの筆者の体験も、理想のリーダーの形は、1つではなくて色々な形があるということを示しているような気がします。まあ自分がダメ人間なので、そう思いたいという願望だけなのかもしれませんが(笑)

まとめ

 書籍を読んで、優れたリーダーの条件って何かな?ということを考えてみました。結論は出ていないのですが、正解は一つじゃなくて色々な形があって良いのじゃないか、というのが自分なりの考えです。当然、組織によっても変わってくるのじゃないかと思います。

 他に、優れたリーダーというと思い浮かぶのは、任天堂の岩田社長でしょうか。この書籍に出てくるリーダーとは少しタイプが違うかなと思います。ただ、岩田社長もめちゃくちゃ優秀ですね。リーダーは、優秀であることにこしたことはないのでしょう。

関連記事