プロジェクトマネジメントで娘の夏休みの宿題炎上を防止しました

娘の夏休みの宿題プロジェクトの炎上

 8歳9歳の娘が朝から泣きわめいていたので、何ごとかと思い話を聞いてみました。泣きじゃくっていたので要領を得なかったのですが、まとめると以下みたいでした。

「宿題やったのに、ママがテレビを見せてくれない。自分は頑張ったのに分かってくれない」

 なるほど。自分は頑張っているはずなのに、全然相手に伝わらず、怒られる。仕事でもよくあるやつですね。胃が痛いです。実は、以前も同じようなこと(宿題炎上)があったのですが、何もできずに終わってしまいました。

 夏休みの宿題をプロジェクトと考えると、プロジェクトをなんとかやりくり(マネジメント)するのがPMの役割です。ちょうど、10歳からのプロジェクトマネジメントという本を読んだばかりだったので、プロジェクトマネジメント手法を使って、炎上をなんとかくいとめることにしてみました。

夏休みの宿題プロジェクトの炎上消化

問題点の把握と目標の共有

 まずは娘に何をやるべきかという目標を共有することにしました。

 今の問題点は、娘と母親の認識が合ってないところです。そのために、以下が必要です。

  • 納期までに宿題が終わるというスケジュールを示す
  • 今どういう状態かを分かるようにする(可視化)
  • 可視化した結果をもとにステイクホルダー(母親)と定期的にコミュニケーションする

 この3つの重要性に関して、泣きわめく娘に粘り強く、分かりやすく何度も説明しました。

 モチベーションアップのために「うまくいったら、マインクラフトでプログラミングする環境を作ってあげる」というアメも用意しました。しつこく頑張ったら、奇跡的に理解してくれました。

スケジュール表の作成

 問題が単純だと思ったので、今回はささっと現状と目標を把握して、ガントチャート風のスケジュールを作成することにしました。模造紙を使って、娘と一緒に確認しながら作成しました。

 まずは、やるべきすべてのタスクの洗い出しです。全部机の上に並べてもらい1個ずつチェックします。

 項目の抜けとか、優先順位の大小は怪しそうでしたが、一旦ここでは無視します。

 次にマイルストーンの確認です。8/19と8/31の2つの納期があり、項目によって納期が異なることが分かりました。また、夏休みのキャンプの予定、祖父母の家に行く期間は宿題できないことを考慮しあらかじめブロック。またやる日が決まっている項目もスケジュールに入れておきます。

 1日で終わらないような積み上げ型の宿題は、マージンを確保した上で、1日のページ数を娘が可能な範囲で調整し、1日のページ数を決めました。

 ここまででざっとたたき台を作成します。
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 ポイントは、多少間違いやずれがあってもよいので一旦作り切るところと、娘も一緒に作成、修正してもらい、自分事として捉えてもらうことです。

レビュー

 続いて、レビューを受けます。ステークホルダーである母親に確認してもらいます。ここで、大量の項目の漏れが発覚します。ただ、優先順位も低いもの(宿題ではなくて、自習としてやるもの、趣味的にやるもの)も分かったので、それらを考慮してスケジュールを調整します。

 大幅に修正されたスケジュール

ステークホルダーとの継続的なコミュニケーション

 このスケジュールをもとに、毎日実績を赤字でスケジュールに書き込んで、進捗報告をステークホルダー(母親)にすることにしました。やる量が見えているのと、終わったあとは遊んでいいということが合意できたので、今のところ自分で実績を書き込んで報告してくれています。まだ3日程度ですが、今のところは順調のようです。

 ご褒美として、欲しがっていたマインクラフトのプログラミング環境も準備しました。

 アメとムチが肝要

 マインクラフトの環境構築は、以下記事参照ください。

プロジェクトの本当の目標

 ここで、このプロジェクトの本当の目標に立ち返りたいと思います。最初に、目標は夏休みの宿題を終わらせることと宣言しましたが、誤解を恐れずに言えば、割とそれはどうてもよいことだったりします。なぜなら、宿題を終わらせればよいなら、自分がこっそりやってしまえばそれで終わるからです。

 じゃあこのプロジェクトの本当の目標は何かというと、娘が夏休みの宿題を通じて、成長すること。親とコミュニケーションをとること、ひいては家族が幸せになることじゃないかなと思います。プロジェクトマネジメントって、関係者全員を幸せにする技術なんですね(その逆もありますね、ニッコリ)。

 自分は、個人でも仕事でも表向きに宣言した目標を設けることが多いです(裏目標といったりします)。昔は自分自身の成長だったり楽しみが多かったのですが、最近だと、自分以外の人の成長だったり、長期的な大きな影響を考慮することも多くなってきました。プロジェクトをマネジメントやリードする立場の人には、プロジェクトの表向きの目標とは別に裏の目標を作ると、楽しかったりプロジェクトがよりよい方向になったりするのではないかなと思います。

まとめ

 娘の夏休みの宿題プロジェクトの炎上の火消しを通じて、プロジェクトマネジメント的な話をしてみました。今回は簡単な例でしたが、世の中のプロジェクトはより複雑だったり、理不尽だったり、ヤバい人に満ちていることが多いです。プロジェクトがうまくいくかいかないかは、最終的には確率(平たくいえば運)です。関係者全員が、その確率を少しでも上げるための積み上げが大事だと思いますし、そのための効率を最大化するのがマネジメントの大きな役割なんじゃないかなと思ったり氏ています。

 といっても、私もうまくいかなかったプロジェクトの経験何度もありますし、偉そうに語れるような立場ではありません。実際に、去年以前は、同じようなことをしようとしたのですが、娘が一切聞いてくれずに挫折&炎上しました。今年聞いてくれるようになったのは、娘がきちんとプロジェクトの重要性を理解できるだけに成長したということが大きいのではないかと思います。今回の経験をもとに、来年は娘が自分で計画を作ったり、他のことにもプロジェクトマネジメント的な考え方を活かしてくれると嬉しいなと思います。

 また夏休みが終わる前に、何らかの形で本プロジェクトのよい報告ができることを祈りつつ、ステークホルダーとの継続的なコミュニケーションに努めます。

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