オンライン配信で気をつけるべきこと・得られたもの・失われたもの

はじめに

 以下記事に1年近くたってからのアップデート版の記事を書きました。こちらを推奨します。

PyCon mini Shizuokaで初のオンライン配信

 PyCon mini Shizuokaで初めてのオンライン配信を体験しました。詳細は以下参照下さい。

 これから、オンライン配信は増えてくると思うので、発表者側の知見(気をつけた方が良いこと)と、オンラインとオフラインのメリット、デメリット等を整理しておきたいなと思います。

オンライン配信で気をつけること

 オンライン配信には魔物がたくさん住んでいます。今回は、運営側も初めてのオンライン配信ということで、オンラインならではのありとあらゆる問題が発生しました。具体的には以下のようなものです。

  • 機材トラブルで始められない
  • 機材トラブルで一時中断
  • MacのKeynoteでプレゼンがフルスクリーン表示できない
  • 画面の端が切れる
  • 音声が出ない
  • 音量が小さい
  • 画面が異常に低画質
  • 発表中に近くで関係者外の人が話し出す

 はっきりいって、100%発表者側で対応するのは不可能です(極端な話、接続できなければ何もできないので)。そのような中で、少しでもリスクを減らすために発表者側でできることをまとめておこうと思います。

リハーサルはしておく

 リハーサルは重要ですので、できるなら必ずしておきましょう。事前に問題が分かれば、対処できる場合もありますし、少なくとも覚悟や判断ができます。

 私の場合は、MacのKeynoteがフルスクリーンで表示できないことが前日に分かり、泣くなく妻のWindows PCを借りて、Officeをインストールするところから始めました(結局Windowsでもダメだったのですが…)。

複数人で配信する

 これはオンラインの趣旨に反する場合もあるのですが、可能な限り配信者が集まり配信した方がよいと思いました。今回、愛知で4人集まって配信したのですが、これは正解だったと思っています。他に人がいると、トラブル発生時にすぐ気づいてアドバイスもらうことができます(自分の場合も、途中で他の方に指摘してもらってトラブルに気づくことができました)。また、聞いている人の反応が少数ながらも得られるので、非常に発表がやりやすかったです。

 1人だと、正しく配信されているか分からず、発表の反応も無いため、非常に心理的に負担の大きい発表になると思います。実際、1人で配信しているため、トラブルに気づけなかった方もいらっしゃったようです。

Windows PCとOfficeを準備する

 オンラインの場合は、なるべく多くの人が使ってる環境の方がトラブル少ないです。ただ、これは可能ならというレベルですね。私の場合は、結局Windowsでもトラブル発生しました。

画面が切れたらフルスクリーンを諦める

 解像度が合わず、画面が切れてしまう問題が多発しました。その場合はフルスクリーンを諦めて、通常表示にして続ければ大丈夫です。参加者も理解してくれます。焦るのが一番良くないです。一度、フルスクリーンじゃない状態でも、プレゼンできるか表示や操作をチェックしておくと安心です。

発表時間を調整できるようにしておく

 これは、発表時間が多めのとき限定となりますが、最後に5分くらい最悪削ることができる話を挟んでおいて、発表時間を調整します。

 オンライン配信は、機材関係でプレゼン時間が5分削られるなどは普通にあるので、いざというとき削る(省略)する箇所はあらかじめ決めておいた方が良いと思います。

小型のヘッドセットはあった方が良いかも

 これは音質というより、周りの声を少しでも入りづらくするためです。ただ、自分の場合はPC内蔵マイクでもそこまで問題なかったので、慣れていればというくらいかもしれません。

生配信諦めて事前録画でも良いのかも

 これはイベント運営側の話になるのですが、生配信は現状多くの方に人にとってハードルが高すぎるように感じています。

 むしろ生での配信はすっぱり諦めて、あらかじめ登壇者が各自で動画を撮影しておくのもありかもしれないと思いました。今はスマホで動画撮れますし、生配信より機材のハードルは低い気がしています。

 もちろん、イベント的なきっかけや盛り上げも重要だと思うので(そうしないと、動画がなかなか見てもらえない)、YouTubeのプレミア公開(決まった時間に動画が公開される)を使って、イベントの開始時間に合わせて動画を公開すると良いのではと思いました。

 これの良いところは以下3点です。

  • 動画がそのままアーカイブとして残る
  • 動画やTwitterへのコメントに、登壇者がリアルタイムで反応できる
  • 機材トラブルのリスクを限りなく減らせる

 NT京都2020が、近い運営形態だと思うので、どのような感じになるのか注目してみたいなと思います。

オンラインで得られたもの・失われたもの

 オンラインのメリット・デメリットですね。メリットは以下くらいでしょうか。

  • 会場まで行けない人(遠方の人等)でも視聴できる
  • 移動時間が不要になる

 逆にデメリットは以下かなと思います。

  • 会場で得られる新たな繋がりの喪失
  • 声とスライド以外から得られる情報の欠如
  • 場所と時間を強制的に拘束されないと、なかなか集中できない

 個人的には、現状は失われるものが多いかなと思います。特に登壇者同士での繋がりというのは個人的に大きいので、今回実際に多くの方と直接お会いできなかったのはやはり残念です。

 デメリットの大半は、技術(VR・AR)の進化により解消できるとは思います。例えばOculus GoのROOMSというVRチャットを過去試したことがあるのですが、実際に近くに人がいるような臨場感を感じられます。ただ、インフラとしてデバイスもアプリも普及していない現状だと、失われる情報量が大きすぎるなと感じています。

まとめ

 オンライン配信を経験したので、気をつけた方が良いことなどをまとめてみました。これからオンラインのイベントで登壇する人や、運営する人の参考に少しでもなれば嬉しく思います。

 しばらくイベントはオンラインでという流れが続きそうですが、地方の人にとっては東京の勉強会に気軽に参加できる良いチャンスかもしれませんね。個人的には、行きたかったNVIDIAさんのGTC 2020がオンラインになったのは、ありがたかったりします。

 そして状況落ち着いたら、特にPyCon mini Shizuokaは何らかの形でオフラインで参加して、参加者のみなさん、登壇者のみなさん、お世話になった運営の方々に直接ご挨拶とお礼をしたいなと思っています。

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  • 2021/12/04 アップデート版記事へのリンクを追記