小学生のときに自分が生み出した空前のザリガニ釣りブームとその終わり

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用水路にいた「ザリガニ」

 みなさんは、ザリガニ釣りをしたことはありますか?私はあります。今日は、私のザリガニ釣りの美しい思い出の話をしたいと思います。

 私は、小学生の頃団地に住んでいたのですが、その団地の近くの用水路にはザリガニがいました。ところで、最近の子どもはザリガニを知っているのでしょうか?ザリガニとは、ちっちゃいロブスターみたいなエビです。カニでは無いらしいです。詳しく知りたい人はWikiとか図鑑で調べてください。今回の主題はザリガニではなくあくまで「ザリガニ釣り」です。

 話を戻すと、住んでいた団地近くのザリガニのいる用水路と歩道には高低差があり、小学生の低学年の子どもには、上り下りが難しい高さでした。

 当時の小学生のペットの人気No.1といえばザリガニでした(からあげ調べ)。軟弱だった私は、ザリガニをとるために用水路に降りていけなかったため、そばを通るたびにいつも悔しい思いでザリガニを見つめていたのです。

空前のザリガニ釣りブームを巻き起こす

 そんな悔しい思いで、鬱積とした日々を過ごしていたある日…

 からあげに走る!天啓…!ひらめき…!圧倒的…悪魔的発想…!

 「ザリガニを釣ろう」

 やったことは簡単です。細めの物干し竿の先端に長い糸をくくりつけ、糸の先端に煮干しをしっかりと結わえます。ザリガニ専用の即席の釣り竿の完成です。

 後は用水路でテストするのみです。小学生なので、いきなりPoCを本番投入です。

 イメージ的には以下です。

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 これでどうなかったというと…恐ろしいほどうまくいきました。憧れだったザリガニがついに自分のもとに手に入ったのです。

 それを見た友人が、次々と真似して、1週間後には団地に住む子どもがひとり残らずザリガニ釣りをするという、空前のザリガニ釣りブームが訪れたのです。

 その年の用水路のザリガニは、数量も適度でザリガニ釣りにはちょうどよい難易度でした。まだ、どうぶつの森もポケモンもなかった時代です。我々はザリガニ釣りに夢中になりました。

ザリガニ釣りブームの終焉

 その年のザリガニ釣りブームは順調に続き、夏は毎日のようにザリガニ釣りに興じ、冬に入るとシーズンオフになりました。

 そして、次の年の夏…事件が起こります。ザリガニの異常発生です。用水路がザリガニで赤く埋めつくされたのです。こうなると、とたんにザリガニ釣りのゲームバランスが崩れ、クソゲーと化します。

 クソゲーとなったザリガニ釣りに飽きた小学校の上級生は、暴挙にでました。なんと、用水路に降りて網でザリガニを乱獲し出したのです。他のみんなも、その真似をしてザリガニを乱獲しだします。その様は、まさに残虐非道でした。スペイン人によって滅ぼされたインカ帝国もそんな感じだったのかもしれません。ザリガニとのスリリングな戦いを楽しんでいた私は、その様を眺めながら呆然と立ち尽くしていました。もう、そこに私が愛したザリガニ釣りはありませんでした。

 そして、ザリガニを乱獲しすぎた影響か、次の年以降は用水路のザリガニは激減し、その後二度とザリガニ釣りをすることはできなくなってしまいました。結局私がザリガニ釣りを楽しめたのは、最初の1年目の夏の間だけで、楽しみはその後永遠に失われてしまったのです。

まとめ

 小学校の頃の、ザリガニ釣りの思い出です。他愛もない思い出ですが、モノづくりのワクワク、共有することの楽しさ、そしてあらゆるモノは変わりゆくという世の中の無常を学んだ事件でした。

 実はこのこと、すっかり忘れていたのですが日間賀島でカニ釣りをしていたとき、思い出がフラッシュバックしてきました。意外にこの子供の頃のささいな出来事が、今の自分のメンタリティを形成しているのかもしれないなと思ったりしました。

 ふと調べてみたら、家の近くにザリガニ釣りができそうな公園があるみたいなので、近いうちに子供と一緒に、手作りの竿に煮干しをくくりつけて、かつて私が愛したザリガニ釣りをしにいきたいなと思っています。

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